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むくみに注意!?本当に怖い脂質異常症のリスク~自分でできる治療対策(漢方療法)

脂質異常症(高脂血症)の症状と主な原因について解説!

「脂質異常症」とは以前は高脂血症と呼ばれていた疾病で、血中にコレステロールや中性脂肪が多すぎる、あるいは少なすぎることをいいます。

この病気のやっかいなところは、初期には身体の異常を感じないこと。
実際には動悸や息切れ、足のむくみ、急な肥満や手足のしびれなどの症状が出ているのですが、それで生活しづらくなるということがないため、健康診断で数値に異常が出てもつい放置してしまうのです。

しかし、脂質異常症をそのままにしておくと最悪の場合死に至ることもありますので、何らかの治療が必要です。
ここでは、脂質異常症の危険性と、自宅でできる漢方薬による対策について解説します。

生活習慣の乱れや肥満が気になる人は要注意

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体重が増えてくると、大抵の場合健康診断の結果にも異常が現れるものです。
あるいは、体重にはそれほど変化がなくても、運動不足や睡眠不足、暴飲暴食、タバコなど生活習慣が乱れていても、やはり数値は悪くなりますよね。

しかし、そこですぐに専門家の指導を受けて肥満や生活習慣を改める、という人はそれほどいません。
原因がわかっていることで、逆に「いずれ生活習慣を正し、ダイエットしさえすれば数値は正常になるんだから」と楽観視してしまい、何もしません。

そして、症状が悪化して二度と健康体に戻れないところまで行ってしまってから、「あの時ちゃんと治療しておけば…」と後悔するのです。

健康診断でよく引っかかるのが、血液中の中性脂肪値やコレステロール値です。
簡単にいうと血液がドロドロになっている状態で、それらが血管壁について血管を細くしたり硬くしたりします。

さらに、貯まった脂質がこぶになって粥腫(じゅくしゅ:アテローム)を形成し、それが潰れると血液が血管内で固まり血栓となって血液が流れなくなってしまいます。
それが脳の血管で起これば脳梗塞、心臓の血管で起これば心筋梗塞を引き起こすのです。
これが、脂質異常症の怖いところです。

「脂質の異常」と聞くと、何となく男性に多い症状のような気がするかもしれません。
しかし、女性の脂質異常症も年々増加しています。
特に更年期以降一気に増え、60代になると男性以上にコレステロール値が高くなってくるのです。

脂質異常症(高脂血症)の症状と主な原因

ここでは、もう少し詳しく脂質異常症について解説しましょう。

<脂質異常症とは>

脂質異常症には3つのタイプがあり、脂質の種類や増減によって分かれています。

・高LDL(悪玉)コレステロール血症(140mg/dL以上)
・低HDL(善玉)コレステロール血症(40mg/dL未満)
・高トリグリセライド(中性脂肪)血症(150mg/dL以上)

本来、コレステロール自体には問題はありません。
細胞膜や各種ホルモンを合成する際に必要な脂質で、60~70%は肝臓や腸で作られ、それ以外は食べ物から摂取します。

合成されたコレステロールはタンパク質と結合し、LDLとHDLの2種類が作られます。
LDLコレステロールはコレステロールを全身に運び、使われなかった分を回収するのがHDLコレステロールです。
両方がうまく機能していればLDLコレステロールが「悪玉」になることはありません。

同様に、中性脂肪も身体の維持に欠かせない成分です。
体内で使われなかった糖質や脂質を貯蔵し、エネルギーが必要な際に効率的にエネルギー源となる、重要な貯蓄組織なのです。
また、外部からの衝撃を緩和し、体温を一定に保つ働きもあります。

しかし、何らかの原因でLDLコレステロールや中性脂肪が増えたり、HDLコレステロールが極端に減ったりしてしまうと、動脈硬化が起こりやすくなり、脳疾患や心疾患を引き起こす原因となるのです。

また、それ以外にも脂質異常症にはこのような症状があります。

・胸痛
・息切れ・動悸
・食欲不振
・手足のむくみ
・肥満
・のどが渇く
・高血圧
・高血糖
・手足のしびれ
・疲労や倦怠感  など

これらの症状は、多くの場合強かったり長く続いたりすることがありません。
また、太っていたり更年期に差し掛かっていたりすると、このような症状は当たり前だと考えてしまうため、見逃してしまうのです。

しかし、これらの症状が出ている時は、動脈に硬化が起きて充分な血液が送られていない状態になっています。
特に、生活習慣の乱れなどで心臓の心房の動きが乱れる心房細胞になると血栓ができやすくなるため、脳梗塞や心筋梗塞の原因になってしまうのです。

また、それほど頻度は多くないものの、脂質異常症によって主に脚がむくみやすくなることがあります。
これを「閉塞性動脈硬化症」といい、ふくらはぎや太ももなどの血管が細くなって血行が悪くなり、それに伴ってリンパ液が溜まってむくみが起こるのです。

さらに、甲状腺機能の異常によって脂質異常が起きる「二次性脂質異常症」によってむくみが出ることもあります。

40代以降の女性の10人に1人が発症するといわれる甲状腺機能低下症は、甲状腺の分泌量が減ってしまう疾患です。
これによって手足がむくみ、体重増加や中性脂肪値・LDLコレステロール値が高くなるという症状が出やすくなります。

また、高LDLコレステロール血症が甲状腺ホルモンの異常を引き起こしてむくみを引き起こす可能性もあるとされ、現在も研究が進められています。

<脂質異常症を引き起こす主な原因>

脂質異常症の原因とされているのは、主に以下のことです。

・食べ過ぎ

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高LDLコレステロール血症や高トリグリセライド血症は、動物性脂肪の多い肉類や乳製品、コレステロールが多い卵やレバーなどの摂り過ぎが直接原因となります。
また、余分な脂質を排出する作用のある食物繊維の摂取不足も原因の一つです。

・運動不足

運動はエネルギーを消費して余分な脂肪を燃焼させる働きがあります。
また、血管を広げるので血流が良くなり、動脈硬化を防ぐ効果があります。

しかし、運動不足になると血流が悪くなり、さらに消費カロリーより摂取カロリーのほうが多くなります。
すると消費されなかった糖質や脂質が血中に入り込み、脂質異常を引き起こすのです。

また、運動不足によって善玉コレステロールが減少することがわかっており、低HDLコレステロール血症を起こしやすくなります。

・喫煙

タバコには健康被害を引き起こす物質が多く含まれています。
その中でもニコチンは中性脂肪の材料となる遊離脂肪酸を増加させ、さらに血管を収縮させて血流を悪くする作用があります。

また、一酸化炭素も血管壁にダメージを与えたり血液をドロドロにしたりしてしまうため、血管が詰まりやすくなります。
善玉コレステロールを減らしてしまうこともわかっており、脂質異常症を発症しやすくなるのです。

・アルコールの飲み過ぎ

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アルコールは中性脂肪を増やす働きがあります。
そのため、毎晩のように大量に飲んでいると肝臓で作られる中性脂肪が血中に入り込み、高LDLコレステロール血症を引き起こしやすくなります。

なお、アルコールによって善玉コレステロールが増えるという傾向があります。
善玉コレステロールは少なすぎると動脈硬化を引き起こす低HDLコレステロール血症となりますが、多すぎても良くありません。

原因はまだ解明されていないものの、善玉コレステロールが多すぎても動脈硬化が発症しやすくなる可能性が示唆されています。

・ストレス

人間はストレスが貯まると交感神経が活性化し、血管が収縮して血圧が高くなります。
するとコルチゾールホルモンが分泌され、血圧を降下させようとします。
このコルチゾールホルモンの材料となるのが悪玉コレステロールで、ストレスによって血中にこのコレステロールが増えてしまうのです。

また、特に女性はストレスを感じると甘いものを食べたくなる傾向があります。
甘いものは、精神を落ち着かせるドーパミンやセロトニンなどの脳内神経伝達物質を分泌させる働きがあるからです。
しかしスイーツの多くは高糖質・高脂質ですから、コレステロールが蓄積されやすいのです。

・遺伝

家族に脂質異常症の人がいる場合、遺伝性の「家族性高LDLコレステロール血症」を発症しやすくなります。
この場合、若い頃から中性脂肪値やコレステロール値が高くなりやすいだけでなく、コレステロールが沈着して脂肪の塊が手足の関節や腱にできたり、黒目のふちに白い輪ができたりすることがあります。

・女性ホルモンの減少

女性ホルモンのエストロゲンには、悪玉コレステロールを代謝し血中に増やさないようにする作用があります。

しかし、女性ホルモンは30歳前後をピークに分泌量が減少を始め、更年期になると一気に減ってしまいます。
そのため、更年期になると悪玉コレステロールが増え、同時に中性脂肪も増えてきてしまうのです。

脂質異常症(高脂血症)を自分で判断するには

毎年健康診断を受けていれば、自分が脂質異常症あるいはその予備軍かどうかがすぐにわかります。
しかし健診を受けていない場合、判断するのは簡単ではありません。

一応、目安としては以下のことがあります。

BMIで肥満度をチェックする

BMIは次の計算式で算出した数値によって、肥満度をチェックする方法です。

体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

BMI値 18.5未満 18.5~24.9 25.0~29.9 30.0~34.9 35.0~39.0 40以上
判定基準 低体重 普通体重 肥満1度 肥満2度 肥満3度 肥満4度

ただ、この計算だと身長160センチの場合63.9キロまでであれば「普通体重」となり、アジア人女性には適さないという意見もあります。

腹囲のサイズをチェックする

そこで、もう少し確実な目安として、腹囲サイズによるチェック方法があります。
おへその高さで測った数値が以下の数値以上の場合、脂質異常の可能性が高くなります。

・男性:85センチ以上
・女性:90センチ以上

この数値はメタボリックシンドロームの診断の際に使われる数値で、メタボとは腹囲と高血圧・高血糖・脂質異常の3つのうち2つに当てはまった状態のことを指します。
腹囲が上の数値以上の場合、内臓脂肪が蓄積されていると判断され、脂質異常症のリスクが高くなるのです。

ここで、簡単に皮下脂肪と内臓脂肪の違いについて説明しましょう。
皮下脂肪は皮膚のすぐ下につくぷよぷよした贅肉ですが、直接健康を阻害することはありません。

内臓脂肪は内臓につく硬い脂肪で、「アディポサイトカイン」というホルモンを分泌する作用があります。
内臓脂肪が少ないうちは善玉のアディポネクチンというホルモンが分泌され、動脈硬化を防いでくれています。

しかし、内臓脂肪が増えると「悪玉アディポサイトカイン」が増えてしまいます。
悪玉アディポサイトカインには脂質異常や高血圧、血管病、糖尿病などを引き起こす働きがあるため、内臓脂肪が多ければ多いほど脂質異常症の可能性が高くなるのです。

女性の場合、男性より皮下脂肪がつきやすいということでプラス5センチになっていますが、BMIが25以上で腹囲が90センチ以上の場合、一度病院で検査してもらうことをお勧めします。

また、内臓脂肪の場合はお腹の奥につくため、腹囲が基準以内でも安心はできません。
最近息切れや動悸がする、手足がむくむ・しびれる、のどが渇く、疲れやすいなどの症状が出た場合は、やはり一度検査を受けたほうが良いでしょう。

脂質異常症(高脂血症)を自分でケアするには

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脂質異常症はほとんどの場合、食生活や生活習慣に原因があります。
前述の「脂質異常症を引き起こす主な原因」で書いたような習慣がある場合は、少しずつでも改善していきましょう。

特に食事は大事で、脂っこいものや高カロリーのものは控え、和食を中心としたあっさり系のものを中心に食べるようにしましょう。
特に青魚は中性脂肪を減らすDHAやEPAが、大豆製品には女性ホルモンに似た作用をするイソフラボンが含まれているのでお勧めです。

また、砂糖や果糖、アルコールを控えるだけで中性脂肪値は下がることが多いので、嗜好品の飲み食いはほどほどにしましょう。

さらに、善玉コレステロールを増やすにはウォーキング、サイクリング、水泳が特に効果的だとされています。

また、脂質異常症の原因となる内臓脂肪はエネルギーとして使われやすいため、運動を心がけるだけで高い効果が期待できます。
上記のスポーツに限らず、自分がやりやすい運動を日課に組み込むと良いですね。

しかし、中には食事や運動でコントロールするのが難しい状況だったり、色々やってみたけれど思ったほど数値が良くならなかったり、という場合があります。
その場合は、漢方薬で対策を取ってみるのも一つの方法です。
漢方薬の生薬の中には脂質異常症に高い効果があるものがいくつもありますので、ご紹介しましょう。

<実証タイプに向く漢方薬>

実証とは、体力がありエネルギッシュなタイプを指します。
胃腸が強く、暴飲暴食をしがちですが、若い頃は代謝機能が高いため、太ることはあまりありません。
しかし徐々に身体に負担がかかり、代謝機能が衰えてきて脂肪が貯まりやすくなります。

実証タイプは内臓脂肪が貯まりやすく、脂質異常症になる危険性が高めなので、固太りでお腹周りの脂肪が掴めないタイプの人は注意が必要です。

・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

防風通聖散は特に内臓脂肪がお腹周りについていて、体力のある人に向く漢方薬です。
体力があり、胃腸が強い人は脂っこいものや高カロリーのものを好んで食べるため、胃腸が常に働いている状態です。

すると体内に熱が生まれ、それによって代謝機能が低下し、中性脂肪やコレステロールが貯まりやすくなるのです。
この処方によってコレステロール値が下がったという症例は多くあり、脂質異常症の予防改善に効果が期待できます。

・大柴胡湯(だいさいことう)

大柴胡湯は防風通聖散と同様体力がある人向けで、特にストレスが貯まって暴飲暴食をしてしまう人によく処方されています。
精神を安定させる生薬が配合されているので、イライラの熱を冷まし自律神経の働きを正常にし、脂質や糖質の代謝機能を良くしてくれるのです。

また、柴胡という生薬に含まれるサイコサポニンが悪玉コレステロールの吸収を阻害することがわかっており、医療現場では脂質異常症の改善によく使用されています。

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

これも体力がある人向きで、特に更年期の諸症状によく使われます。
イライラやのぼせ、便秘がひどい、血圧が高い人は女性ホルモンの減少に伴ってエネルギーや血液の流れがおかしくなっており、交感神経を活性化させてしまいます。

桃核承気湯は鎮静作用で副交感神経を優位にし、その流れを正して肥満を始めとする様々な症状を緩和させます。

また、成分の甘草にはグリチルリチンという成分が含まれており、副腎皮質ホルモンに似た作用があります。
副腎皮質ホルモンは脂質の代謝機能を促進させる働きがあるため、脂質異常症に効果が期待できるのです。

以上の3処方には、どれも「大黄(だいおう)」という生薬が配合されています。
かなり強い下剤作用があるため体力がない人には向きませんが、最近の研究で脂質異常症患者の腸内環境を整える働きがあるらしいことがわかってきました。

腸内環境と動脈硬化には何らかの関係があるとされており、まだ研究段階ながら実証タイプの人に効果が期待できそうです。

<虚証タイプに向く漢方薬>

虚証タイプは実証の逆で、体力がなく色白、疲れやすいといったタイプで、内臓脂肪より皮下脂肪が貯まりやすい体質なので、脂質異常症になることは比較的少なめです。
しかし、女性ホルモンの減少にしたがって内臓脂肪がつきやすくなるため、特に更年期以降は注意が必要です。

・加味逍遙散(かみしょうようさん)

女性特有の症状によく使用される処方で、更年期障害に高い効果があります。
桃核承気湯が主にイライラしやすい人に向くのに対し、加味逍遙散はイライラにも落ち込み・不安の緩和にも作用し、心身を安定させます。

血管を拡張し血圧を下げる作用があるため、血液がドロドロになるのを防いでくれます。
また利尿作用もあるのでむくみの解消にも効果があり、閉塞性動脈硬化症の予防改善効果も期待できます。
さらに柴胡も甘草も配合されているので、脂質異常症に効果が期待できます。

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

こちらも女性によく使用され、特に冷えが強くむくみがある人や、貧血気味でめまいや肩こりが多い人に使われます。

冷えを解消してむくみを取ることによって血行が良くなり、中性脂肪やコレステロールが血管壁に粘着するのを防ぎます。
また、全身が温まることで代謝機能が向上し、脂肪の燃焼を助けてくれるのです。

これ以外にも脂質異常症に効果が期待できる漢方薬はいくつもあります。
しかし、漢方薬は体質が合わない人が使用すると症状が悪化してしまうこともあるので、安易に選ばず、必ず薬剤師に相談しましょう。

放置は厳禁!気になる人はすぐに医療機関へ

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自宅でできる対策について書いてきましたが、健康診断で中性脂肪やコレステロールの値について指摘された場合は、まずはすぐ医療機関で検査を受けることをお勧めします。

現在、脂質異常症の兆候が表れている人は非常に増えており、自覚症状がないだけに放置しがちです。
しかし、一旦脂質異常症と診断された場合は、一生完治しないケースがほとんどです。

早期に気づいて治療を始めれば効果が出やすいですし、食事や運動、漢方薬の併用で症状を抑え、改善につながったという例もたくさんあります。
自己判断せず、軽く考えず、医療機関で正しい治療を受け、アドバイスをもらいましょう。

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