1. 内臓脂肪
  2. メタボを正しく理解していますか?メタボの定義~改善方法~漢方薬の効果について

出典:http://www.hosonokanpo.com/

メタボを正しく理解していますか?メタボの定義~改善方法~漢方薬の効果について

メタボ=メタボリックシンドロームを正しく知って改善する方法を解説!

「メタボ」ってよく聞く言葉ですが、どんなことか正しく理解していますか?
太っているイコールメタボと捉えている人が多いようですが、実際は違います。
もちろん、太り過ぎはメタボでなくても健康に良くありませんが、メタボは直接身体に害を及ぼします。
メタボがどういうものか知って、自分や家族がメタボの場合は早急に対策を取りましょう。

メタボって何?~メタボの定義と診断基準

メタボリックシンドローム、略してメタボは内臓肥満があり、かつ血圧や脂質、血糖などがある数値以上の状態のことを指します。

内臓肥満とはその名の通り内臓の周りにつく脂肪のことで、身体の奥にあるため最初のうちはわかりません。
しかし脂肪の量が増えてくると特に前にせり出してきて、胸から下がリンゴのように丸くなることから「リンゴ型肥満」とも呼ばれています。

内臓脂肪はおへその位置の腹囲のサイズで判断され、男性と女性で以下の数値以上になると内臓肥満と診断されます。

・男性…85センチ以上
・女性…90センチ以上

 
ただし、このサイズだけではメタボとはいいません。
メタボとは腹囲のサイズに加え、血圧、血糖(空腹時)、中性脂肪とHDL(善玉)コレステロールのうち2項目以上が以下の数値以上または以下の場合です。

項 目 数 値
血 圧 最高血圧130mmHg 以上
かつ/または
最低血圧85mmHg 以上
血 糖(空腹時) 110mg/dL 以上
脂 質
(中性脂肪/HDLコレステロール)
中性脂肪150mg/dL 以上
かつ/または
HDLコレステロール 40mg/dL 未満

なぜ内臓肥満と血圧・血糖・脂質が関係あるかというと、内臓脂肪は皮下脂肪と違い、特殊な因子を分泌するからです。

脂肪細胞には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞、ベージュ脂肪細胞があり、内臓脂肪のほとんどは白色脂肪細胞です。
この細胞はアディポサイトカインという生理活性因子を分泌しており、善玉と悪玉に分かれます。

内臓脂肪が少ないうちは善玉アディポサイトカインのアディポネクチンやレプチンなどを分泌し、脂肪酸や中性脂肪を減らす働きをしています。
しかし、内臓脂肪が増えてくると悪玉アディポサイトカインのTNF-αやPAI-1などが増え、インスリンの働きを阻害して高血糖を引き起こし、高血圧、脂質異常などになりやすくなるのです。

そのため、腹囲が一定の数値以上で内臓脂肪が蓄積されていると想像される場合、血糖値や血圧、脂質の数値も悪くなりやすいため、これらの数値を総合してメタボかどうか判定するのです。

ちなみに、よくメタボの代名詞にされそうな力士ですが、実は体脂肪のほとんどが皮下脂肪で、内臓脂肪ではないのだそうです。
日本相撲協会診療所で力士を30年にわたって治療してきた林 盈六氏が1996年に著した本によると、少なくとも当時は「現役の幕内力士には内臓肥満は皆無」だったのだとか。
ただし、現役を引退した後も食生活が変わらないため、内臓脂肪がついて糖尿病や心不全を起こすのだそうですよ。

メタボの改善は生活習慣病の予防対策に

メタボと診断された場合、血圧、血糖値、中性脂肪・コレステロール値の複数に異常があるということですが、それぞれの問題について簡単に見ていきましょう。

血圧が高いということは、心臓のポンプによって流れる血液が血管壁を押す圧力が高いということです。
すると血管壁が徐々に厚く硬くなり、内側が狭くなる上に伸縮性が失われます。
その状態が続くと動脈硬化となり、血流が悪くなって全身に栄養が届きにくくなり、様々な障害を引き起こすのです。

また、そんな状態の時に血中に中性脂肪やコレステロールが流れ込むと、これらがさらに血管壁に吸着して血管を狭くしてしまいます。
血液がドロドロになるためちょっとしたことで血管が詰まり、心筋梗塞や脳梗塞を発症しやすくなります。

さらに、糖質の取り過ぎによってインスリンの働きが悪くなったり少なくなったりすると、血糖(ブドウ糖)がエネルギー源として使われなくなり、血中にずっと残ってしまい血糖値が高くなります。
すると血管がダメージを受けて毛細血管が詰まり、さらに太い血管まで硬くなったり細くなったりしてしまい、狭心症や脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こすのです。

これらは別々の数値ではあるものの、どれか一つの数値だけが悪くなるということはあまりなく、並行して悪化することが多いです。
また、統計によると、メタボの場合糖尿病を発症するリスクが3~6倍、心血管疾患やその死亡リスクは1.5~2倍になるという結果が出ています。

ところで、メタボと生活習慣病は同じと考えている人がいますが、若干違いがあります。
簡単にいうと、メタボはあくまで内臓脂肪が主原因であるのに対し、生活習慣病は内臓脂肪が蓄積されているかどうかは問題ではありません。
食事や日常生活の習慣などによって起こりやすい病気のことを指し、主な生活習慣病としては高血圧、脂質異常、糖尿病、肥満、肝機能障害、歯周病、肺がん、高尿酸血症などがあります。

とはいうものの、内臓脂肪の蓄積と血圧・脂質・血糖の異常によって生活習慣病が発症しやすいことがわかってきたため、特にこれらの数値に問題があるものをメタボとして基準を定めたのです。
厚生労働省の資料によると、生活習慣病のレベル3にメタボが分類されています。

この図からわかるように、メタボと診断された時点で対策を取れば、深刻な疾病を防ぐことができます。
また、たとえメタボではなくても腹囲・血圧・血糖値・脂質の数値のどれか一つが引っかかった時点で改善すれば、生活習慣病の予防対策にもなり、健康寿命を伸ばすことができるのです。

メタボの改善はセルフケア?医療機関で?

メタボと診断されたり、複数の数値が引っかかったりした場合、どのように改善したら良いのでしょうか。

病院で診察を受ければ、血圧や血糖、コレステロールを下げる薬を処方されるでしょう。
しかし、これらの薬はあくまで対処療法で、症状を抑えるだけのものです。
そのため、薬を飲んでいる間は良いものの、止めればすぐに元の数値に戻ってしまいます。
また、処方された薬が段々効かなくなり、効き目も強いが副作用も出やすい薬を出されるようになってしまうこともよくあります。

そこで、多くの医療機関では薬を処方すると同時に減量を強く勧めています。
内臓脂肪は比較的落としやすく食事制限や運動によって減らすことができるため、薬に頼るよりずっと高い効果が期待できるのです。

そのため、メタボと診断された場合はまずセルフケアで改善を目指しましょう。

セルフケアで行うなら運動と適切な食事が基本

内臓脂肪は元々エネルギー源としてすぐ使えるようになっているため、つきやすいものの落としやすいといわれています。
そのため、運動と適切な食事を摂ることで、メタボを改善することができるのです。

具体的には、意識して身体を動かしたり、階段を使ったり、一駅分歩くといったことから始め、ウォーキングやジョギング、サイクリングなど自分がやりやすい有酸素運動を心がけましょう。

また、糖質や脂質は消費されない分が体脂肪として蓄積されやすいので、これまでより量を控えめにしましょう。
また、ビタミンB1は糖質を、ビタミンB2は脂質の代謝を促すので、レバーや魚介類、大豆製品、未精製の穀類などを積極的に食べましょう。
外食の際は、パスタなどの一品料理は避け、できるだけ定食を選ぶようにしてください。

また、塩分を控えめにすると、血圧を下げる効果があるといわれています。
実際には塩分を控えることで血圧が下がるのは、高血圧患者のたった2割程度という結果が出ています。
しかし、塩分にはコレステロールを増やし血栓を作る作用があるため、やはり塩分は控えたほうが良いでしょう。

もう一つ、メタボ患者が必ずやってほしいのが禁煙です。
タバコを吸うと一酸化炭素が体内に入り、血中のヘモグロビンと結合してしまいます。
本来ヘモグロビンは酸素と結合し、全身に酸素を送っているのですが、一酸化炭素と結びつくことで体内に酸素が欠乏し、動脈硬化が進んでしまうのです。
また、脳卒中や心筋梗塞、肺気腫、肺がんなどを発症するリスクも高くなることがわかっており、一日も早く禁煙することがメタボ改善の鍵となります。

漢方薬のメタボに対する効果と正しい使い方

セルフケアだけではなかなか効果が出ない、付き合いが多くてうまく生活をコントロールできない、という時には漢方薬も考えてみましょう。
漢方薬は体質を改善させることが目的の医学です。
飲んだからといってすぐ血圧や血糖値が下がる訳ではありませんが、体質を改善させることで最終的に「薬が要らない健康体にする」ことも不可能ではありません。

漢方では、まずなぜ内臓脂肪がついたか、血圧や血糖値、中性脂肪やコレステロール値が高くなったか、を一人一人の体質を診て探っていきます。
たとえば、胃腸が非常に強くて食べ過ぎる、というケースもあれば、ストレスが多くてその解消のためにバカ食いしてしまう、あるいは生理前になるとやたら食欲が出てしまう、というのが原因の場合もありますよね。

西洋薬ではこれらを同じ薬で治そうとしますし、場合によっては胃を手術で小さくして「食べられない状態」を作り出すことで治療します。
しかし、漢方ではこの三つを違うものと考え、別々の生薬を配合して原因を改善させていくのです。

そのため、メタボ改善に効果が期待できる漢方薬は一種類ではありません。
最も良く使われるのは「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」で、市販されている製品の中にはでっぷりした男性のお腹が張られているものもありますよね。
これは、内臓脂肪が貯まりやすいのは男性ホルモンの影響が強く、男性に多い症状だからです。
とはいえ、女性も30代後半になると女性ホルモンの分泌量が減り、その分男性ホルモンの影響が強くなるため段々内臓脂肪がつきやすくなってきますから、防風通聖散は男性用という訳ではありません。
健康診断でメタボと診断された、あるいは血圧・血糖値・中性脂肪などの数値に問題がある場合は、男女関係なく防風通聖散が合うことが多いです。
防風通聖散の臨床例を見ても、基礎代謝量がアップして体重も減少したという結果が出ています。

また、特にストレス太りの場合は、「大柴胡湯(だいさいことう)」で効果が出ることが少なくありません。
ストレスによって食欲が失われてしまう人と食欲が出る人がいますが、大柴胡湯は食欲が止まらなくなる胃腸が強い人に向きます。

元々内臓脂肪は体力があり食欲旺盛な人につきやすい脂肪なので、お腹周りがぽっこり出ていてメタボと診断された人の多くは、このどちらかで改善することが多いですね。

また、「九味半夏湯加減方(くみはんげとうかげんほう)」は「扁鵲(へんせき)」という名で販売されている、11種類の生薬を配合した脂肪過多症用の漢方薬です。
日本未病システム学会が2005年に発表したところによると、九味半夏湯加減方によって中性脂肪を始め全脂肪が減少したという結果が出ており、メタボ改善に効果があると認められています。

この他、脂質異常には「小柴胡湯(しょうさいことう)」「三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)」「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりゅうがん)」などが高い効果を発揮します。
購入時に薬剤師と相談したり、ネット販売の場合はサイトを良く読んだりして、自分の体質に最も合うと考えられるものを選びましょう。

なお、漢方薬をサプリと勘違いしている人がいますが、漢方薬は厚生労働省からその効果を認められた医薬品です。
また、漢方薬は体質を診て改善させるものですから、合わなければ全く効果が出ない、あるいは副作用が出ることが多くあります。

そのため、必ず使用上の注意を確認し、自己判断で量や回数を増やしたりしないようにしましょう。
たとえメタボ健診で数値がかなり悪いとしても、漢方薬を大量に飲んだからといって効果がアップすることはありません。
もちろん、身長180センチ100キロの人と150センチ60キロの人が同じ用量で良いとは限らないので、決められた量と回数で効果が出にくい場合は、再度薬剤師や専門家に相談してくださいね。

今や、生活習慣病やメタボの患者は国民病になろうかという勢いで増えています。
しかし、これらは突然やって来る病ではなく、予防も改善もできるものです。
南大沢メディカルプラザの塚本三重生医師は、「メタボ治療は将来大きな病気にかからないための、保険のようなもの」とおっしゃっています。
健康診断でメタボを指摘されたら、運動や食事、漢方薬などで改善させていきましょう。

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