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ダイエット方法多過ぎ問題~西洋医学と東洋医学の違いから肥満について考えてみた

西洋医学と東洋医学それぞれのアプローチによる肥満の解消方法について解説!

現在、ヤフー検索で「ダイエット方法」と入力すると、約1億8000万件ヒットします。
同じダイエット方法について説明してあるサイトが多いとはいえ、日本語だけでこの数…。
日本以外の国のダイエット方法までチェックしたら、とんでもないことになりそうですよね。
その中で、自分に合った方法を見つけ出すにはどうしたら良いのでしょうか。

今回は、西洋医学と東洋医学の「肥満」に対する捉え方の違いと、それぞれの解消方法について解説します。

世に溢れるダイエット理論~何が本当に正しいの?

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世の中にはダイエット商品が溢れており、それぞれ色々な理論付けがされています。
最近では、医師で自身も糖尿病患者である江部康二氏が提唱する糖質制限がありますね。
糖尿病患者のために考え出されたものですが、現在は効果的なダイエットとして知られており、糖質を制限するとどう良いのか、体内に何が起こるのか、様々なサイトで詳しく説明されています。

しかし、糖質制限を否定する医師も少なくなく、糖質を極端に制限することで起こる脳などへの弊害を、理論立てて説明している人も少なくありません。
WHOもタンパク質の摂り過ぎを危険と考えており、栄養学の専門的知識がない人にとってはどちらが正しいのか、判別がつきませんよね。

また、冷やご飯を食べて痩せる、というのも一時流行りました。
冷えたご飯は食物繊維に似たデンプンが増えること、噛む回数が増えることから痩せるというもので、栄養学博士の白鳥早奈英さんの提唱でした。

しかし、これは糖質制限の理論とは相いれないものですし、冷やご飯をうまく消化できない胃弱の人にとっては、便秘や下痢を引き起こす原因になってしまいます。

このように、ダイエットの理論といっても様々ですし、中には机上論だったり動物実験の結果だったりと、理論としては正しくてもそれが万人向けかわからないものも多いのです。

誰もが理論通りに痩せるとは限りませんし、現在一般的に言われている加齢=太る、運動=痩せる、というのも、誰にでも当てはまる訳ではありませんよね。
つまり、どの理論もある人にとっては正しくても、他の人には正しくないのです。

西洋医学的見解による肥満の定義と肥満の原因

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西洋医学による肥満の定義とは、「正常な状態と比べて、体重や体脂肪が多いこと」を指し、この目安となっているのがBMIです。

計算式:BMI=体重(kg)÷(身長(m))2

基準値は国や団体によって違いますが、日本の場合、日本肥満学会の基準として以下のように定められています。

状態 指標
低体重 18.5未満
普通体重 18.5~25.0未満
肥満(1度) 25.0~30.0未満
肥満(2度) 30.0~35.0未満
肥満(3度) 35.0~40.0未満
肥満(4度) 40以上

ただ、これらの数値はあくまで体重と身長のみによって出したもので、筋肉や骨の重さや太さなどが考慮されていないことから、体脂肪率も肥満診断の基準にされます。

しかし、体脂肪率を正確に測るにはMRIなどで面積を調べなくてはならないため、あまり正確ではないものの、体組成計で測るのが一般的です。
女性の場合、以下の数値が目安となります。

年代 痩せ 標準(-) 標準(+) 軽肥満 肥満
18~39歳 ~20% 21~27% 38~34% 35~39% 40%~
40~59歳 ~21% 22~28% 29~35% 36~40% 41%~
60歳~ ~22% 23~29% 30~36% 37~41% 42%~

※TANITA「健康のつくりかた」ページより抜粋
http://www.tanita.co.jp/health/measure/taisoseikei/

西洋医学では、肥満の原因は、基本的に「摂取カロリーが消費カロリーより多すぎること」です。
そして、それを引き起こす原因として、主に以下のことが挙げられています。

・高カロリー食品や飽和脂肪酸、炭水化物、砂糖などの摂り過ぎ
・食物繊維や野菜、果物の摂取量の低下
・消費カロリーが少ない夜の時間帯の過食
・運動量の低下や同じ姿勢を長時間取る生活習慣
・遺伝
・睡眠不足による食欲抑制ホルモンの分泌量の低下
・ストレスによる高カロリーなジャンクフートやスイーツの暴飲暴食

肥満の原因はまだ研究途中で、最近も腸内の特殊な細菌が肥満に関係しているという新しい見解が発表されています。

西洋医学的アプローチによる肥満の解消方法

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WHOとOECD(経済協力開発機構)は世界的な肥満問題の解消方法として、以下のような方法を挙げています。

・炭水化物や砂糖などの糖質、脂肪、飽和脂肪酸の摂取を制限する
・学齢期の子供を対象とした、給食の改善や自販機の入れ替え
・社会的弱者向けの広告の制限
・家庭医によるカウンセリング
・食品業界への働きかけ

これらを見るとわかるように、西洋医学では摂取カロリーを減らすことをメインに対策が考えられています。
この他、消費カロリーをアップするため、スポーツジムで汗を流したり、朝夕に公園をランニングしたり、という自助努力をしている人も非常に多いですね。

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ここから見えてくるのは、「肥満」という現象に対し、それを解消あるいは予防する、という方法が取られているということです。

その最も極端な例が、アメリカで多く行なわれている胃の手術です。
胃をいくつものパーツに分けて小腸をつなぎ、栄養吸収を抑え満腹感を得やすくするバイパス手術や、胃にバンドを巻くバンディング手術、胃の大部分を切り取ってしまう切除手術など、何種類もの手術方法があります。

それによって胃を小さくしたり食事の早い段階で満腹感を覚えさせたり、栄養の吸収を抑えたりすることで、摂取カロリーを減らすのです。

中には、胃の中に風船を入れて容量を減らす、胃の中身を外に取り付けたパウチに排出するなど、そこまでやるか、というような方法も開発されているんですよ。

つまり、「なぜ肥満になるか」という点より、すでになってしまった肥満状態をどうするか、という点を重視しているのです。

日本のダイエット方法もその傾向がありますね。
市販されている商品を見ると、カロリーをコントロールする、脂肪を燃焼する、便秘やむくみを解消する、基礎代謝を上げるために筋肉をつける、といったものが多いです。

その他、栄養バランスが取れたドリンクなどで置き換えをしたり、糖質制限をしたり、というのが一般的でしょう。

これらのダイエットはそれぞれが独自研究によるダイエット理論を持ち、説明通りに行えば成功する確率は低くありません。
しかし問題は、継続しないとリバウンドしやすいということです。

ところが、継続するにはお金がかかり過ぎたり、本来あまり食べたくないものやしたくないことを無理に続けなければならなかったりして、なかなか続けられるものではありません。
結局挫折を繰り返し、ダイエットジプシーになってしまいがちなのです。

東洋医学的見解による肥満の定義と肥満の原因

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そこで最近注目されているのが、東洋医学ダイエットです。
「肥満は食べ過ぎによるものである」という考え方は西洋医学と同じですが、肥満になりやすい体質まで踏み込み、その体質を改善させることが肥満を解消させる最も正しい方法だ、と考えているのです。

東洋医学では、肥満の原因は主に「脾」と「腎」に問題がある、と考えます。
「脾」とは食べたものを消化・吸収・代謝し、気(エネルギー)や血(血液)、水(血液以外の水分)を作り出す働きがあるもので、西洋医学でいう消化器に近いものです。

「腎」は人間が生きていくために必要な「精」の貯蔵庫で、水分代謝のほか発育や成長、老化、ホルモンバランスなどを司ります。

この2つによって身体が正常に機能し、どちらかが傷つくともう片方に負担がかかり、最終的にどちらの機能も低下してしまいます。
すると気・血・水のバランスが崩れ、エネルギー不足になったり過剰になったり、血液がドロドロになったり成分が不足したり、水分代謝が悪くなったりと様々な症状が起こってきます。

それによってむくみや水太りの原因となるだけでなく、中性脂肪値やコレステロール値の上昇、ニキビや肌のべたつき、皮下脂肪や内臓脂肪の増加などを招くのです。

また、別の考え方に「陰陽」体質があります。
読んで字のごとく、陰は冷え、陽は熱を表わし、陰は主に水分代謝機能の低下によって身体が冷え、基礎代謝が低いため消費するカロリーも少なくなってしまいます。
身体が冷えているので胃腸の働きも悪く、食事量は少なめですがそれを燃焼する力が弱いのです。

陽の場合は、胃腸が強く脂っこいものが大好き、パワーがありエネルギッシュなタイプですが、栄養の消化吸収力が高すぎ、それが脂肪やコレステロールとなって肥満になります。

さらに、「実症・虚症」という考え方もあります。
実証とは中が詰まっている状態のことですが、詰まるのはエネルギーだけではなく、老廃物や外部からの有害物質が充満している場合も含みます。

虚証とは中がスカスカになった状態のことで、体力がなく生命力が弱くなっている状態を指します。

これらすべてには相互関係があり、脾と腎の健康状態、陰陽、実虚などによって気・血・水のバランスが変わり、バランスが変わると脾や腎、陰陽に影響を及ぼします。

東洋医学的アプローチによる肥満の解消方法

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東洋医学は西洋医学とは全く違う考え方をするので、わかりにくいかもしれませんね。
簡単にいうと、胃や腸、腎臓などが健康でないと様々な不具合を引き起こし、その中に肥満も含まれる、ということなのです。

そこで、東洋医学では漢方薬や鍼灸、指圧などでこれらの臓器の働きを改善させて、水分や糖、脂肪などが貯まりにくい身体に作り替えていきます。
すると、その結果の一つとして肥満が解消されるのです。

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これは、漢方薬の説明をよく読むとわかります。
たとえば、「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」には、「お通じが悪い脂肪太りの方に:肥満に伴うのぼせ・便秘、ふきでもの」と書いてあります。

これは、のぼせや便秘、ふきでものが出ることを「体内に熱がこもっている」と考え、胃腸の熱を冷まして機能を改善させる生薬を配合している、ということです。
すると代謝能力がアップするので老廃物が排出されやすくなり、その一現象として肥満も改善されるのです。

同じように、「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」に書かれているのは「水太りで膝などの関節が痛い方に:むくみ、多汗症、肥満症」です。
「大柴胡湯(だいさいことう)」は、「ストレスを感じる肥満ぎみの方に:肥満に伴う肩こり・頭痛、便秘」となっています。
「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」は「冷え性でむくみやすい方に:生理不順、めまい、頭重」です。

この4つの漢方薬に合う症状や体質が、それぞれ違うことがわかりますよね。

このように、東洋医学では患者の身体全体を診て体質を判断し、生薬の配合を変え、肥満を含む各症状の原因となる根本の問題を改善します。
すると肥満を起こす根本の原因体質が改善されるので、服用を止めても効果が持続するのです。

西洋医学が「痩せる」ことそのものを目的にしているのとは違う、ということがおわかりでしょうか。

ただ、西洋医学ではダイエットしている間だけとはいえ、体質に関わらず多くの人が痩せることができますが、東洋医学の場合は体質が合わなければ痩せるどころか太ったり体調を崩したりしてしまうこともあります。

また、東洋医学の中でも漢方薬はサプリではなく医薬品なので、副作用が出る場合もあります。
そのため、知識のある医師や薬剤師、漢方薬局などで体質を正確に判断してもらうことが大切です。

近くにそういった人がいない、あるいは通販で購入する場合は、メーカーのインフォメーションセンターに問い合わせたり、お試し価格があるもの、返品できるものなどから選んだりすると良いでしょう。
大手漢方薬メーカーや漢方薬局のサイトには、Q&A方式で自分の体質を判断してくれるコーナーが設けられていることもありますので、ぜひ利用してみてください。

・漢方ライフ:気血水バランスチェック
https://www.kampo-sodan.com/check

西洋医学は戦争によって発達したといわれ、即効性を重視しています。
それと比べると東洋医学は体質を変えていくものなので、時間がかかります。
しかし、痩せたいだけでなく、便秘や疲労感、貧血、体力の無さなどを改善して健康になりたい、と考えている人には素晴らしい助けとなりますよ。

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