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本当に飲むだけでスリムに!?今注目の漢方に関するよくある誤解と正しい使い方

漢方に期待できる効果と使用する上でのリスクについて解説!

肥満が良いことだとは誰も思っていませんが、だからといって簡単にスリムになれるものではありませんよね。
そこで様々なダイエットを試してしまう訳ですが…。

成功する人もいるけれど、大半が希望の体重にはなれなかったか、何とかなれても体調を崩してしまっているのではないでしょうか。

最近は、漢方によるダイエットが人気で、雑誌などで特集が組まれるほど。
漢方でスリムになれるのか?その持続性は?漢方ダイエットについて、詳しく解説しましょう。

漢方とは~意外と正しく理解されていない漢方

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最近はTVや雑誌、ネットなどでよく漢方によるダイエットのCMを見ますよね。
健康に害なくスリムになれるというイメージがあるため、以前から密かに人気なのです。
しかも、CMを打っているメーカーはツムラやクラシエなどの有名どころが多いので、かなり真実味があります。

しかし、その成功率は?というと、メーカーの公式発表以外にはなく、どこまで真実かわかりませんし、実際に試して「痩せた!」という声が案外少ないのです。

その原因の一つに、漢方に対する誤解があります。
「漢方」とは伝承医学である中国医学と日本古来の治療法がドッキングしたもので、ベースは中国医学です。

中華圏では、基本的に生薬を自分で煎じて飲むものという認識があります。
錠剤になったものも多数売られてはいるものの、やはり生薬を煎じたもののほうが効果が高いということは誰でも知っています。

そのため、街角で生薬数種類を煮出し、それを販売するスタンドはたくさんありますし、街の人も自分の症状に合わせたものをそこでクイッと一杯やるのです。

スーパーにも生薬を詰め合わせたものがドサッと置いてあり、自宅で煮出すようになっています。

さらに、本当に自分に合った生薬を調合してくれる店もデパート内や街の至る所にあります。
さすがにスタイリッシュな若い人たちは生薬より西洋薬、あるいは錠剤になった中医薬を選ぶ傾向があるものの、だからといって煮出すという方式が廃れることもありません。

しかし、日本ではほとんどの人が生薬そのものではなく、錠剤になったものを選びます。
しかも、メーカーにも問題があるとはいえ、自分の体質というものを理解しないまま、何となく効きそうなイメージがあるものを適当に購入してしまいがちです。

さらに多い誤解が、漢方薬をサプリメントの一種のように考えている人が非常に多いことです。
中医薬も漢方薬も、「薬」という単語が入っていることからわかるように、サプリメントではなく治療のための薬です。

当然副作用がありますから、自分に合ったものでなければその副作用が大きく出てしまうこともあります。

市販の漢方薬を飲んでいるのに全然スリムにならない…というのは、一種の副作用なのです。

飲むだけでスリムに!?漢方に期待できる効果

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また、漢方薬や中医薬には「感冒薬」のように即効性があるものもありますが、基本的には身体の内側から効いてくるものですから、時間がかかります。
その代わり体質に合ったものであれば、飲むだけでもいずれスリムになる可能性はあります。

しかし、それはあくまで「体質に合った」場合です。
同じ「肥満」でも、運動不足だったり炭水化物の摂り過ぎだったりストレスだったりと、人によって原因は様々ですよね。
ストレス太りの人が運動不足による肥満の漢方薬を飲んでも、スリムになるのは難しいかもしれません。

また、便秘が肥満の大きな原因になっていても、便秘自体の原因は色々あります。
あるいは、便秘でないのに太っている人もいれば、1週間に一度しか便意が来ないのに、痩せている人もいますよね。

本来の漢方薬はスリムになることを目的にする処方はなく、その人の体質を改善することで健康に導き、その結果として体重が落ちていくというものです。

ですから、痩せていても便意がなかなか来ない人が漢方薬で治療したら、便通は良くなったが少し太った、ということもあり得ます。
その体重が、その人にとってのベストだからです。

ですから、とにかくスリムにさえなれば良い、とやみくもに願っている人には、漢方薬は向きません。
健康美を目指したい、という人が自分の体質に合ったものを飲むことによって、じわじわとスリムになっていくのです。

体質「証」の理解なくして効果は得られない

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漢方では「証(しょう)」がとても重要です。
証とはいってみれば「体質」のようなものですが、抵抗力や免疫力、体力、症状の出方なども併せたものです。
これを外見や声、息、脈、本人からの話などから総合的に判断します。

「総合的に」というのは、本人の訴えと身体に現われる「証」が違う場合が多々あるからです。
例えば、本人の基準では水太りだと思っていても身体を見ると脂肪太りだったり、虚弱体質だから疲れやすいと思っていても、実際には虚弱体質ではなく心の問題から倦怠感が抜けなくなっていたりと、自己診断と実際がずれていることがとても多いのです。

証は、大きく分けると「実証」と「虚証」の2つがあり、それぞれ以下のような特徴があります。

<実証>

・体力がある
・筋肉質でがっちり体型
・顔色が良く、肌もつやつやしている
・声が大きく、太い
・胃腸が強く食べるのが好き
・便秘気味
・暑がり

<虚証>

・体力がなく疲れやすい
・細い、またはぶよぶよしている
・顔色が悪く、肌がくすんだり荒れたりしやすい
・声が小さく、か細い
・胃腸が弱く食が細い
・下痢気味
・寒がり

ただ、これも「運動をしているので筋肉質だが、胃腸が弱くてよく下痢をする」「人一倍食べるが、声は小さく聞き取るのが大変」といった、実証と虚証が混ざっている例もたくさんありますから、あくまで一つの目安として考えます。

なお、日本漢方では「証」といえば主にこの「虚・実」のことを指しますが、中国医学ではこれ以外に「表・裏」「寒・熱」「陰・陽」があります。
漢方でも、実際にはこの3種類も併せて診断することが多いようです。

さらに、漢方ではこれに「気・血・水」という3つの要素を組み合わせて考えます。
「気」とはエネルギーや自律神経のイメージに近く、「血」は主に血液、「水」は血液以外の水分のことを指します。
これら3つが「虚・実」に影響を及ぼし、様々な症状を引き起こすのです。

「漢方は薬」間違った使用方法にはリスクも

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このように、漢方は薬であり、非常に複雑なものです。
自覚する症状の原因が何か、は全身を診ないと正確には判断できません。

「疲れやすい」という症状を例に取りましょう。
やる気が出ない、といった精神的な症状を伴う場合、「気」に問題がある可能性が高いです。
貧血を起こしやすく、生理不順気味の場合、「血」が不調と考えられます。
冷え性でむくみがひどく下痢気味の場合、「水」が原因の場合が多いです。

これらの場合、それぞれ違う生薬を配合した漢方薬が処方されます。
そのため、間違った漢方薬を摂取すると、スリムになるどころかさらに太ったり、便秘がひどくなって肌荒れに悩んだり、というようなことも出て来てしまうのです。

また、漢方や中医学自体、何のデメリットもなく生薬で健康になる、という考えはありません。
たとえば肥満の原因が脾(ひ:胃腸)の機能の低下による場合、健胃作用のある生薬が配合されます。

しかし、その作用が強すぎると今度は腎(じん:腎臓)にダメージを与え、月経困難や不妊、更年期障害などが起こりやすくなります。
さらに腎と関係の深い膀胱まで影響を受けて、排尿困難を引き起こしたりすることもあるのです。

これを「相克(そうこく)関係」といい、それぞれのバランスを取りながら処方しないと副作用が出てしまいます。
漢方薬のほとんどが数種類の生薬を配合してあるのは、生薬の作用が強く出過ぎないよう調整するという意味があるのです。

ちょっと専門的な話になってしまいましたが、「漢方薬は薬であり、自分に合っていない間違った処方はリスクになる」ということを頭に入れておきましょう。

まとめ~正しく使えば効果を実感できるように

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漢方薬の素晴らしいところは、西洋医学では病気と判断されない症状でも、治療が可能なことです。

上で挙げた「疲れやすい」という症状一つ取っても、西洋医学の発想では病気ではありません。
特に健康診断で数値にそれほど問題がない場合、ビタミン剤や精神向上薬を処方されたり、運動や睡眠を勧められるのがせいぜいです。

しかし、漢方では疲れやすいという原因を徹底的に探ります。
手足に触れたり顔色を見たり様々な質問をしたりすることで、その人の体質をチェックしていきます。

そして、その診察で手足のむくみがひどく、一年中寒いという結果が出たとします。
すると、水が体内に停滞していて身体が芯から冷えてしまい、新陳代謝が悪くなって太ってしまった、という理論が引き出せるのです。

ですから、市販の漢方薬を適当に選ぶのではなく、まず自分の体質をよく把握しましょう。
市販の漢方薬には必ず効能・効果として、どういう人に合うかが書かれています。

防風通聖散の場合、
「体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘~」
といったことが記載されています。

まずはこの内容をチェックし、自分の症状に合っているか確認してください。
自分で判断が難しいという場合は医師や薬剤師、メーカーなどに相談しましょう。

ただし、メーカーでは記載内容の意味は説明してくれても、どの処方が自分に合ってスリムになるか、といった漢方相談は受けつけていないようです。
漢方は実際に本人と接触して診察する医学ですから、仕方がないことかもしれません。

また、医師や薬剤師もメーカーのマニュアルをそのまま伝えることが多く、細かいところまでは知識がない人が大半です。

しかし、それでも自己診断よりは正確な情報を引き出せる可能性が高いので、どんどん問い合わせましょう。

それでもわからない場合は、一度漢方専門薬局などで調べてもらうのも手です。
こちらのサイトでは全国の漢方薬局が掲載されていますので、電話で問い合わせる、あるいは近くにあれば行ってみてもよいでしょう。

漢方薬のきぐすり.com:http://www.kigusuri.com/shop/
日本中医薬研究会:http://chuiyaku.or.jp/shoplist

また、数は少ないものの「漢方内科」がある病院・医院もあります。
肥満治療の場合は保険対象外になってしまいますが、それ以外に何らかの疾患がある場合は保険適用になる可能性もあるので、問い合わせてみるとよいでしょう。

漢方薬は非常に複雑で、本当に自分に合ったものを選ばないと「飲むだけでスリム」ということにはなりません。

しかし逆に、体質に合ったものを飲めば他に何もしなくても暴飲暴食が止まったり体調が良くなったりして、気づいたらスリムになっていた、ということもあり得ます。
ぜひ自分に合った漢方薬を見つけて、ダイエットに役立ててくださいね。

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