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【要注意】自覚症状がないことも!?脂質異常症(高脂血症)の危険性と漢方治療の効果

脂質異常症の主な症状と注意すべき生活習慣とは?

「脂質異常症」という症状を聞いたことがありますか?
以前は「高脂血症」といわれていたもので、血中にコレステロールや中性脂肪が多すぎたり少なすぎたりすることを指します。
これを放置すると生活習慣病を引き起こすため、早急に改善が必要です。

そこで、健康診断でコレステロールや中性脂肪の数値が高かった人に、その改善方法と漢方治療について解説しましょう。

要注意!脂質異常症になる人が増えています

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脂質異常症とは、簡単にいうと「血液ドロドロ状態」のことです。
以前は高脂血症と呼ばれていましたが、これは「悪玉コレステロール(LDL)の数値が高い」という意味です。

しかし、2007年に「善玉コレステロール(HDL)の数値が低すぎる」場合も含めることになり、「脂質異常症」という名称に変更になったのです。
悪玉コレステロールが多いことはもちろん、善玉コレステロールが少ないことも様々な健康被害を引き起こすため、健康診断では必ずチェックされる項目になっています。

厚生労働省の調査によると、脂質異常症患者は年々増えています。
平成26年患者調査の概況では、206万2千人が患者数になっています。
しかも、コレステロールや中性脂肪というと男性のほうが数値が高いイメージがありますが、実際は女性が146万5千人と、何と男性の約2.5倍も患者数が多いのです。

この数値はあくまで調査時に通院している人の数ですし、病院嫌いの男性群の数が少ないであろうことを考えても、ちょっと驚きですね。

また、総コレステロール値も女性のほうが高くなっています。
基準値は検査機関によって若干違うものの、120~220mg/dL程度となっています。
平成28年国民健康・栄養調査によると、総コレステロールが240mg/dL以上は男性が9.8%なのに対し女性は17.3%で、しかも調査を追うごとに割合が高くなっているのです。

別の調査ではさらに割合が高く、しかも50歳以上になると一気に跳ね上がるという結果も出ています。

脂質異常症(高脂血症)の主な特徴と症状

以前は、コレステロール値が高いこと自体が健康を損ねると考えられていました。
しかし、その後コレステロールには善玉と悪玉の2種類あり、悪玉が多いだけでなく善玉が少ないことも健康を害する原因になることがわかりました。
そのため、現在では以下の3タイプを合わせて「脂質異常症」と呼んでいます。

・高LDL-コレステロール血症(悪玉コレステロールが多い)
・低HDL-コレステロール血症(善玉コレステロールが少ない)
・高トリグリセライド血症(中性脂肪が多い)

診断基準は検査機関によって若干違いますが、以下は日本動脈硬化学会の基準です。

診断項目 基準数値
高LDL-コレステロール血症 140mg/dL以上
境界域高LDL-コレステロール血症 120~139mg/dL
低HDL-コレステロール血症 40mg/dL未満
高トリグリセライド血症 150mg/dL以上

ここで、簡単にコレステロールと中性脂肪がどういったものか、説明しましょう。

コレステロールとは

コレステロールは糖や脂肪が肝臓などで合成されたもので、細胞膜や血管壁の構成成分であり、女性ホルモンや副腎皮質ホルモンの材料にもなる、とても大切なものです。
また、脂肪を分解する胆汁酸の原料でもあり、コレステロールが不足すると身体に悪い影響を与えてしまいます。

善玉コレステロールは血中の余分なコレステロールを肝臓に戻す働きがあり、動脈硬化を防ぐ働きがあります。

対して悪玉コレステロールは肝臓に送られたコレステロールを細胞に送り、血管に入り込ませて動脈硬化を引き起こしてしまいます。
そのため、善玉コレステロールが少なくても悪玉コレステロールが多くても動脈硬化の原因となるのです。

なお、これまでは善玉コレステロールはいくら多くても問題ないとされてきましたが、近年の研究でHDLの数値が高くても善玉コレステロールの質が悪い場合があることがわかりました。
70mg/dLを超えると心筋梗塞やガン患者が増える可能性があるということです。

中性脂肪とは

中性脂肪は食事から摂取した脂肪のことで、エネルギー源となる大切なものですが、摂り過ぎると皮下脂肪や内臓脂肪となって蓄積されてしまうため、数値が高いとメタボになりやすくなります。

しかし、これらの数値が基準値以下または以上でも、すぐに何らかの症状が出ることはありません。
そのため放置されがちなのですが、悪化すると血管壁にコレステロールや中性脂肪が入り込み、血管が狭くなったり硬くなったりして動脈硬化を引き起こします。

悪化すると高血圧、糖尿病、甲状腺機能障害、肝硬変などを引き起こすため、早期のうちに適切な治療をすることが大切です。

原因は何?こんな人は脂質異常症に要注意

脂質異常症には遺伝性の「原発性(家族性)」と生活習慣による「二次性」の2種類があります。
原発性の場合は悪玉コレステロールの数値が非常に高く、家族の中に心筋梗塞や脳梗塞などを起こした人がいることが多いという特徴があります。

それに対して二次性は生活習慣によるものが多く、以下の原因が考えられます。

欧米化した食事の食べ過ぎ

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ひと昔前までは、日本の食卓は穀類、魚介類、豆類、野菜、海藻が中心で、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルのバランスがとても良く、さらに食物繊維も豊富でした。
しかし近年の欧米化した食事は肉食中心で、油脂も動物性のものが多く、食物繊維が不足しています。

また、外食では野菜はほんのわずかなサラダ程度で、ビタミンやミネラルも全く足りていません。
するとカロリーばかり高くなり、脂質や炭水化物を代謝し切れずに脂肪が貯まり、それが血中に入り込んでしまうのです。

運動不足

人間は、筋肉があればあるほど消費エネルギーが多くなります。
しかし、現代社会では車や電車、バイク、エレベーター、エスカレーターなど利便性を追求した移動手段が発達し、身体を動かす機会が減っています。

足には全身の筋肉の7割があるため、その足をあまり使わなくなったことで消費カロリーが低下し、脂肪が増えて血液がドロドロになってしまうのです。

肥満

食べ過ぎ、運動不足とくれば当然肥満になります。
内臓脂肪は男性ホルモンの影響が強いため、女性ホルモンの分泌が盛んな30代前半までは女性にはそれほどつきません。

しかし、30代後半以降は皮下脂肪に加えて内臓脂肪もつきやすくなります。
内臓脂肪はインスリンの働きを抑制したり動脈硬化を促進したりする悪玉アディポサイトカインという物質を分泌させる作用があり、脂質異常症を引き起こしてしまうのです。

喫煙

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タバコを吸うと、ニコチンの影響で血管が収縮します。
すると血流が悪くなり、全身に栄養素と酸素が送られなくなってしまいます。

さらに血中の中性脂肪やコレステロールを分解する機能が低下し、悪玉コレステロールが増えてしまい、高LDL-コレステロール血症を引き起こします。
さらに、血糖値も上がることが確認されており、糖尿病を発症する危険性も高くなるのです。

アルコール

アルコール自体には脂肪もコレステロールも含まれませんが、中性脂肪の合成を促進させる働きがあります。
そのため、脂質異常症の一つである高トリグリセライド血症になりやすくなります。

また、アルコールのカロリーは蓄積されないのですが、それは他の食べ物のカロリーより先にアルコールのカロリーを消費する、ということです。
夜になるとカロリーは消費されにくくなるため、アルコール以外で摂ったカロリーは余ってしまい、それが脂肪となって血中に入り込み、脂質異常症を引き起こしてしまうのです。

ストレス

ストレスが貯まると、その対処のために交感神経が活性化します。
交感神経には血管を収縮させる作用があるため血流が悪くなり、血圧が上がりやすくなります。
また、血糖値やLDLコレステロール値が高くなることもわかっており、脂質異常症を誘発してしまうのです。

さらに、ストレスは糖質への欲求を高める働きもあり、消費されなかった糖質は中性脂肪に変化し、高トリグリセライド血症にもなりやすくなるのです。

更年期の女性ホルモンの減少

女性ホルモンのエストロゲンには、LDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす作用があります。
そのため、女性ホルモンが顕著に減る40代後半以降、高LDL-コレステロール血症や低HDL-コレステロール血症を発症しやすくなります。

治療の基本は、食事・運動・生活習慣の改善

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脂質異常症の治療は、食事・運動・生活習慣の改善が基本になります。

食事を見直すことが最も大切

肉の脂身や皮、乳製品、ジャンクフード、砂糖や生クリームたっぷりのスイーツなどはコレステロールを増やす原因となります。
また、中性脂肪は炭水化物の摂り過ぎでも増えますので、食事以外では控えることも大切です。

また、糖質制限で肉など動物性タンパク質メインの食事になると、脂質の摂取量も増えてしまいがちです。
そのため、糖質制限で脂質異常症を予防改善する場合は、脂身の少ない部分や青魚、植物性タンパク質を多めに摂りましょう。

特に青魚には中性脂肪を減らすEPAやDHAが豊富に含まれています。
さらに、食物繊維の多い根野菜やキノコ、海藻などは脂肪を包み込んで排出する働きがあるので、積極的に摂りましょう。

運動はできるだけ毎日、30分以上を目安に

運動は、毎日30分、あるいは週トータルで3時間以上有酸素運動を行なうと、脂質異常症の予防改善に良いとされています。

とはいえ、これだけの時間を1日の中で捻出するのは大変ですから、生活の中に組み込んでしまいましょう。
横断歩道より歩道橋、エレベーターやエスカレーターより階段、無意識に歩くより腕を前後に大きく振り歩幅を大きく取る、などちょっとしたことの積み重ねでも十分運動になりますよ。

喫煙や飲酒、ストレスの蓄積にも注意

前述したように、タバコやアルコールは脂質異常症の誘因となります。
また、どちらも活性酸素を増やす作用があるため細胞が劣化し、代謝機能も低下してしまうため太りやすくなります。
できるだけ量を減らし、特に既に脂質異常症と診断されている人は禁煙・断酒を目指しましょう。

ストレスを貯めないことも大切です。
特にストレスが暴飲暴食やタバコにつながってしまう人は脂質異常症になりやすく、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクも高くなってしまいます。
自分なりのストレス解消法を見つけ、貯め込まないようにしましょう。

脂質異常症の効果的な治療法としては漢方薬も

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脂質異常症の治療薬としては、コレステロールや中性脂肪を減らす薬がたくさんあります。
しかしこれらには、横紋筋融解症という骨格筋の細胞が壊死する疾病を引き起こしたり、肝臓や腎臓機能を低下させたりする副作用があります。

ですが、脂質異常症は短期間で劇的に改善が見込めるような疾病ではありませんから、危険を承知で長期間、あるいは一生服用しなければなりません。

そこで最近行なわれるようになってきたのが、漢方治療です。
漢方薬にも副作用はありますが、西洋薬ほど長期に渡って服用しなくても症状が改善されやすいことから、漢方治療はより安全性が高いと判断されているのです。

脂質異常症によく使用される漢方治療薬が、以下のものです。

<比較的体力がある人向け>

・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
・大柴胡湯(だいさいことう)
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
・通導散(つうどうさん)

<体力があまりない人向け>

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

特に防風通聖散は体脂肪を落とす働きが強いため、漢方治療でよく使用されます。
しかし、漢方薬は体質に合ったものでないと効果が出ないだけでなく、副作用が出やすくなります。

たとえば、防風通聖散には強い便通効果のある生薬が数種類配合されているため、体力がない人が服用すると腹痛を伴う下痢、めまい、立ちくらみ、貧血などを起こしやすくなります。
さらに、そんな症状が続くと身体は生命の危険を感じ、何でも貯め込もうとするため、血中にコレステロールや中性脂肪が増えてしまうこともあるのです。

脂質異常症を漢方治療で行なう場合は保険適用になるので、内科医に相談してみましょう。
処方してくれる医師が近くにいない場合は、ドラッグストアや漢方薬局の薬剤師に尋ねると、適切な処方の漢方薬を勧めてくれるはずです。
自己判断で体調を崩すことがないよう、くれぐれも注意してくださいね。

脂質異常症は初期の頃は症状がほとんどないため、健康診断で数値が悪くてもつい放置してしまいがちです。

しかし、動脈硬化が進むと心臓疾患や脳疾患などを引き起こし、最悪の場合は突然死のリスクもあります。
まだ数値が低いうちに食事や運動、生活習慣、漢方治療などで改善させましょう。

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