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飲むだけじゃダメ!ぽっこりお腹の改善目的で漢方薬を使用する際の注意点

自分に合った漢方薬の選び方と代表的な4つの処方について解説!

誰だって苦労なく痩せたいものですが、世の中そう甘くはありません。
お手軽に痩せるものもない訳ではありませんが、お値段がかなり高かったりぽちゃぽちゃ脂肪はそのままだったり。

最近大人気の漢方ダイエットも、飲むだけでぽっこりお腹が改善されるかというと、ちょっと難しいようです。
では、漢方薬を使って確実に成果を上げるにはどうしたら良いのか、その秘訣を解説しましょう。

『脂肪を落とす』漢方薬がブームですが・・・

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最近、TVCMや雑誌、ネットなどで「脂肪を落とす」漢方ダイエットが人気です。
「漢方」と聞くと、怪しげながらぽっこりお腹に効果がありそう、と感じませんか?
「痩せるなら何でもいい!」とばかり、飛びつく人も少なくありません。

しかし、ネットのダイエットサイトで確認する限り、それほど高い成功率ではないようです。
多いのが「便秘が改善した」というもので、便秘に悩む女性にとってはそれだけでも大きなメリットです。

しかし、便秘が解消することと痩せることは全く別。
出るべきものが出ればその分体重は減りますしぽっこりお腹も少しは引っ込みますが、貯まっていたものがなくなった後はあまり変化がなくなってきます。

口コミを読んでも、「最初は減ったけれど、それ以降は変わらなくなった」というのが多いのも頷けます。
数キロ痩せれば良い、という人の中には「食べ過ぎても太らなくなった」と喜んでいる女性もいますが、5キロ10キロ痩せたいという人にとっては「焼け石に水」。

もちろん、排出されるべきものが身体につまっていると、その毒素が血中に入り込み全身を汚してしまいますから、便秘は解消されるべきです。
また、便の中には脂肪も入っていますから、便通が良くなることで脂肪も落ちると言えなくもありません。

しかし、漢方で脂肪を落とすというのは、そんな意味ではないのです。

漢方薬は痩せ薬ではない!?~漢方薬の働き

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漢方薬を痩せ薬と思っている人がいます。
確かに痩せることはありますが、「痩せることを目的に処方された漢方薬」はありません。
漢方薬は、あくまで「健康体を作る手助けをする」ものなのです。

健康体とは何でしょうか。
何でも美味しく食べられて、しっかり消化吸収できて、食べたものをエネルギー源にして身体を動かすことができ、不要なものは燃焼、あるいは排出できる身体、ということです。

そのためには胃腸を始めとした内臓の機能が正常に働かなくてはいけませんし、食欲をコントロールする脳の働きも大切です。
水分代謝や血行も良くなくてはいけませんし、女性の場合は女性ホルモンのバランスも正常でなくてはいけません。

しかし、多くの人は何らかの原因でこれらの機能が低下しています。
すると食べたものが消化できなかったり、エネルギー不足で疲れやすくなったり、暴飲暴食を止められなかったり、便秘や下痢、むくみ、貧血などを起こしやすくなったりします。
脂肪が貯まるのもその一つで、ぽっこりお腹になりやすくなるのです。

こういった様々な不調を引き起こす原因を探り、改善させていくのが漢方薬です。
たとえば、食べたものを消化し切れないというと、西洋医学ではすぐ胃腸薬という流れになりますが、漢方ではその原因を全身を診て判断します。

胃腸の働きが良いため食べ過ぎてしまい、胃腸がオーバーヒートしているのか、ストレスで胃の働きが悪くなっているのか、栄養不足で消化機能が低下しているのか、冷えや血行不良で胃腸がうまく動けなくなっているのか…。
このように、消化不良の原因をその人の体質と考え、その体質を生薬を使って改善させていくのです。

また、漢方薬は西洋医学と違い、最終的に「薬を不要とする身体」にすることが目的です。
体質が改善されれば、漢方薬がなくても健康体を維持できるようになるのです。

ただし、それには時間がかかります。
漢方薬は風邪など急性の症状を抑える対処療法としても使われますが、本来は長い年月かけて作られた体質を少しずつ変えていくものです。
人によって差はあるものの、体質を改善させるには1~2ヶ月という短いスパンでは不可能なのです。

自分の体質や肥満のタイプを理解することが先

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様々な生薬にはそれぞれ効果・効能があり、それを組み合わせることで使用者の体質を改善させます。
同じような症状でも体質が違えば処方も違い、これを「同病異治」と呼びます。
そのため、自分の体質や肥満のタイプをしっかり理解することが、正しい処方の漢方薬でぽっこりお腹を改善させるために何より大切になります。

それには、肥満以外の不調な部分をしっかり把握することです。
たとえば、生理痛やPMS(月経前症候群)がひどいとか、冷え性だとか、顔色がいつも悪いとか、ストレスが貯まっているとかいったことを細かくピックアップしていきます。

そして、それを元に体質をチェックしましょう。
以下のサイトではQAに答える形で体質をチェックすることができます。

・クラシエ からだかがみ
http://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/karadakagami/

・日本中医薬研究会 「気・血・水」体質チェック
http://www.chuiyaku.or.jp/tokushu/china-view02/page02.html

・漢方ライフ 気血水バランスチェック
https://www.kampo-sodan.com/check

もしかすると、サイトによって結果が違うかもしれません。
その場合は、どちらかが間違っているということではなく、体質がミックスされているのです。
そういったことは珍しいことではありませんので、結果内容を良く読み、自分の身体がどういう状態になっているのか把握しましょう。

もう一つ忘れてはいけないのが、「ぽっこりお腹」の脂肪が皮下脂肪か内臓脂肪か、ということです。
同じ脂肪という名がついていても、この2つは全く性格が違います。

内臓脂肪

内臓の周りについて胸から下が全体的に前にせり出すようなぽっこりお腹になり、お肉が掴めない固太り状態の脂肪が「内臓脂肪」で、このタイプの肥満はリンゴ型肥満ともいわれています。

男性ホルモンの影響が強く、主に男性につきやすいとされています。
また、女性でも女性ホルモンの分泌量が減ってくる30代後半からは増えてきます。
筋肉を使うためのエネルギー源として蓄積されるため、比較的落ちやすい脂肪ですが、運動不足や暴飲暴食などで落とせないという人が増えています。

内臓脂肪が増えると、悪玉アディポサイトカインと呼ばれる成分が増えてきます。
この成分には血栓ができやすくなるPAI-1や血糖値を下げるインスリンの働きを低下させるTNF-αなどがあり、動脈硬化を悪化させ高血圧・高血糖・脂質異常症などを引き起こします。

皮下脂肪

皮下脂肪は女性につきやすい脂肪で、女性ホルモンと深いかかわりがあります。
女性ホルモンが分泌されるのは卵巣なので、その周りを含めたお腹周りに皮下脂肪がつくことで卵巣や子宮を守っています。

これは女性ホルモンが女性の一生を司る大切なホルモンだからで、特に子宮を温めて妊娠・出産を正常に行なうために、防寒や外からの刺激の緩衝材として皮下脂肪がつきやすく落ちにくくなっているのです。

皮下脂肪は貯まっても直接身体に害は与えません。
ただ、その重みの蓄積が足や腰に負担をかけ、変形性膝関節症などで歩くことが困難になるケースもあるため、放置するのは良くありません。

漢方薬では、内臓脂肪だけ、あるいは皮下脂肪だけを落とす、という考え方はしません。
ただ、内臓脂肪や皮下脂肪が貯まりやすい「体質」がありますので、それを改善することでそれぞれの脂肪がつきにくくなるのです。
そのため、自分の脂肪がどちらか、も知っておきましょう。

自分に合った漢方薬の選び方と使用上の注意点

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実は、「漢方」というのは一つではなく、いくつかの流派があります。
そのため、その流派によって微妙に考え方が違い、処方する漢方薬にも多少の差が出ることがあります。

その中でもどんな流派でも基礎とするものに「気・血・水」があります。
「気」とはエネルギー、「血」とは血液、「水」とは血液以外の体液のことを指していると考えて良いでしょう。
これらが滞ったり多すぎたり少なかったりすることで、様々な症状が現れると考えられているのです。

例えば「気」がうまく発散できないのを「気滞」(「気逆」「気鬱」)、足りないのを「気虚」といいます。
血液の流れが悪くなってドロドロ状態なのを「瘀血(おけつ)」、不足するのは「血虚」、水分代謝が悪いのを「水滞」というように分けています。

生理前後になるとイライラして食べ過ぎてしまう人は「気滞」と「瘀血」であることが多く、疲れやすく水を飲んでも太るという場合は「気虚」「血虚」「水滞」のどれか、あるいはいくつかが重なっています。

このように体質が違えば、ぽっこりお腹に効果が期待できる漢方薬も異なってきます。
代表的な処方は4つありますので、ある程度の目安としつつ、専門家にも相談して自分にぴったりのものを選びましょう。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

内臓脂肪がつきやすい人に向く処方です。
体力があり良く食べ良く飲む、胃腸が強くお酒も好きというタイプで、太鼓腹でエネルギッシュ、脂性、メタボ健診で引っかかるような体質の人に合います。

余ったエネルギーを抑え、体内に貯まった老廃物を出すために、強めの下剤や利尿作用のある生薬が配合されています。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

体力があまりなく疲れやすい、色白、汗をかきやすいが冷え性気味でもある、それほど食べないのにすぐ太る、という体質の人に向きます。
こういったタイプの人は皮下脂肪が貯まりやすく、ぽっちゃりしていることが多いです。

胃腸の働きを促進し、エネルギーを作りつつ消費するというサイクルを正常化させます。
また、余分な水を排出することで、汗をかきにくくします。

大柴胡湯(だいさいことう)

防風通聖散と同様、体力がある人向けの処方です。
防風通聖散との違いは、ストレスによって暴飲暴食をしがちで、特に甘いものを食べたくなる、という点です。

その他、便秘、頭痛、肩こりなどがひどく、イライラしがちな人、脇腹からみぞおちにかけて張りやすい人に合います。
解毒・精神安定・鎮静作用のある生薬が配合されているので、ストレスをうまくコントロールできるようになり、暴飲暴食が減ってくるでしょう。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

身体が芯から冷え、水分代謝が悪い人に向きます。
顔や足がむくみやすく、一年中靴下が手放せない、いつも身体が重だるいといったタイプの人は、身体を温めて余分な水分を排出させることが大切です。

当帰芍薬散は女性によく使用される漢方薬で、血行を良くして全身を温め、水分代謝を良くする働きがあります。

これは、あくまで代表的な処方です。
ストレスがかなり強い場合は、大柴胡湯より柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)や黄連解毒湯(おうれんげどくとう)のほうが効果が出やすい場合もあります。

生理痛がかなりひどい場合は桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、イライラとむくみがある場合は柴苓湯(さいれいとう)などの選択肢もあります。

これらの処方には「肥満に良い」とは書かれていませんが、ぽっこりお腹も生理痛などの別の症状も同じ体質(原因)から来ている場合、漢方では同じ処方を使うことがよくあります。
これを「異病同治(いびょうどうち)」といい、病名によって薬を決める西洋医学にはない考え方です。

このように、漢方薬は病気や症状を治すのではなく、その原因となる体質を治す医学です。
そのため、体質を見誤ると全く効果が出ないということが起こります。

西洋薬とは全く違う観点を持つ医学だということを理解し、必ず自分の体質に合ったものを選びましょう。
よくわからない場合は、ドラッグストアや漢方薬局の薬剤師などに相談してくださいね。

なお、たとえ体質に合ったものでも、回数や量を増やせば効果が出やすくなるというものではありません。
漢方薬は医薬品ですから、摂り過ぎは副作用につながります。
必ず説明書を読み、書かれた用法・用量を守りましょう。

食事の改善と適度な運動+漢方薬で効果アップ

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ここまで漢方薬について説明してきましたが、飲むだけで他のことをしなくてもぽっこりお腹が解消されるのか、といえば、残念ながら飲むだけでは、はっきりした効果が出るまでにはかなり時間がかかってしまうかもしれません。

漢方でも西洋医学でも、健康のために最も大切なのは日常生活の送り方です。
漢方ではこれを「養生」といいますが、字のごとく「生(いのち)」を「養う」ためには食事や運動も大切です。

漢方薬は食べた物を正しく消化させる働きはありますが、炭水化物やタンパク質、ビタミンといった栄養を作り出すことはできませんから、食事から摂る必要があります。

特にタンパク質とビタミン、ミネラルは筋肉を作るために必須の栄養素です。
筋肉が多ければ多いほど基礎代謝量がアップし、何もしなくてもカロリーを消費してくれるので、痩せやすく太りにくくなるのです。

また、その筋肉をつけるためには運動も必要です。
特に女性はホルモンの関係で筋肉がつきにくくなっているため、毎日の生活に運動を取り入れるようにしましょう。

散歩や早足、階段の昇降など簡単にできることから始め、姿勢を良くして腹筋を鍛えたり、入浴時にマッサージをして血行を良くするなど、ちょっとしたことの積み重ねがぼっこりお腹を改善してくれます。

なお、皮下脂肪がたっぷりついている場合は、筋トレも併せて行なったほうがより早く脂肪を燃焼することができます。
皮下脂肪は内臓脂肪と違いとても落ちにくいので、筋肉の力を借りて消費するエネルギー量をアップさせましょう。

お勧めの筋トレは、スクワットです。
腹筋よりはるかに効果が高いといわれ、一説ではスクワット15回が腹筋500回に相当するのだとか。

これは、スクワットで使用する筋肉が非常に多いためです。
鍛える筋肉の量が多ければ多いほど、基礎代謝量がアップしてお腹ぽっこりが自然に改善されていきますよ。

スクワットは間違った方法で行なうと効果が出ないだけでなく、筋を傷めることもありますので、映像で確認しながら行なってくださいね。

YouTube:【お腹まわり・内もも・背筋にきく!】基本のスクワットトレーニング

「体質に合った漢方薬」「脂肪を燃やすエネルギー源となる食事」「脂肪をより燃やすために必要な運動」の3つを行なえば、ぽっこりお腹の改善効果アップが期待できます。
3つを同時に行なうのが一番お勧めですが、最初のうちはどれか一つでもかまいません。

体質に合った漢方薬を飲んでいると胃腸の働きが良くなって、自然に食事コントロールができたり身体を動かしたくなったりします。
また、食事に気をつけたり運動を多めにしたりするようになると、漢方薬の力をそれほど長い間借りなくても体調が良くなり、ぽっこりお腹の脂肪が燃焼しやすい身体になるかもしれません。

とにかく、まずは始めましょう!

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