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【知らずに使っていませんか?】お腹の脂肪を落とす!?漢方薬の本当の効果とは

漢方薬のメリットと効果を得るためのポイントとは?

最近TVCMなどで、漢方薬でお腹の脂肪を落とすというのが盛んに宣伝されています。

しかし、何年もかけてついた脂肪がそんなに簡単に落ちるの?と疑問を感じた人は少なくないのではないでしょうか。
あるいは、実際にすぐ飛びついて1~2ヶ月使用したものの、全く期待した効果が出なかった、という人もいますよね。

漢方薬でお腹の脂肪が落ちるというのは、本当なのでしょうか。

軽い気持ちで漢方薬を使っていませんか?

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太るのには理由があります。
食べ過ぎ、栄養の偏り、運動不足、睡眠不足、ストレス…冷静に考えれば、人によってその原因が違うのがわかりますよね。

ところが、これまで「痩せる」「ダイエット」と称された商品や方法のほとんどは、原因や身体の働きを顧みず、現在の症状だけを捉えているものです。

たとえば、よく「酵素で痩せる」といわれますが、酵素の多くはタンパク質からできています。
タンパク質は体内に入るとアミノ酸に分解されてしまうため、酵素として働くことはできなくなる、というのが現在の医学界の常識になっています。
ところが、酵素ダイエット商品は市場に溢れていますよね。

また、「食物繊維で痩せる」ともいわれます。
確かに食物繊維で便通が良くなれば多少は体重が減りますし、余分な脂肪を取り込んで排出させる働きもあります。

しかし、同時にビタミンやミネラルなども排出してしまうため、サプリメントなどで食物繊維だけを摂取するのは栄養不足を引き起こしてしまうこともあります。
あるいは、身体が生命を維持しようと何でも貯め込んでしまい、かえって体重が増えてしまうこともあるのです。

そういった意味では、漢方薬は効果があるかどうか証明されていないサプリメントと違い、国に認められた医薬品ですから、脂肪を減らす効果ははるかに高いといえます。
実際、「漢方薬は薬だから信頼できる」ということを強調しているメーカーもありますね。
そこでつい飛びついてしまうのですが…。

これはメーカー側に大きな問題があるのですが、漢方薬のことをあまり知らない一般人に対し、ほとんど知識を与えず「お腹周りの脂肪に効果がある」ことばかり強調しているきらいがあります。
しかし、すべての漢方薬は合う「証(しょう)」というものがあります。
簡単にいうと、太る原因によって効果が出るものと出ないものが明確に分かれているのです。

前述したように、一般的なダイエット方法でも同様のことが起こりますが、漢方薬の場合さらに顕著です。
しかも医薬品ですから、合わないものを長期使用すると副作用まで出て来てしまうことがあるのです。

軽い気持ちで漢方薬を使用すると、体調不良を起こしたり、中には腎臓や肝臓に障害が起こってしまったりすることもある、ということを知ってくださいね。

【基礎知識】漢方薬の特徴と期待できる効果

漢方薬は、「証」を最も大切な考えとしています。
証とは簡単にいうと現在の体質のことを指しますが、実際はそれだけでなく、その人のライフスタイルや心理、遺伝などを含めたものをいいます。

当然ですが、親が違えば遺伝するものも違い、出される食事も生活環境も違いますよね。
そういったものすべてが、その人の「証」を作り上げているのです。

そして、その「証」を診てその人に合った生薬を配合するのが、漢方薬です。
あくまで「証」であって「症状」ではないことに注意してください。

西洋医学は「病名療法」だといわれ、何かしらの病名がつかないと治療ができません。
そのため、たとえば「不定愁訴」といわれる、様々な不調を感じるものの検査では正常で原因がわからない症状の場合には、精神安定剤などを与えられて終わり、ということが起こります。

しかし、漢方薬では不定愁訴という症状ではなく、その患者さんの「証」を診ますから、証に合った生薬を配合することでどんな症状でも緩和させることが可能なのです。

これをお腹周りの脂肪に当てはめてみましょう。
西洋医学では「肥満」に注目し、その原因が内臓脂肪や皮下脂肪にあること、そして内臓脂肪が動脈硬化を引き起こし、皮下脂肪も足や腰に負担をかける、という理論を導き出します。
そしてそれらを解消するために、内臓脂肪や皮下脂肪を落とす、という結論を出すのです。

漢方薬の場合、「肥満」を引き起こす一人一人の証に注目します。

胃腸の働きが良くて食べ過ぎるのか、体力がなくて食べたものが充分消費できないのか、ストレスを鎮めるために甘いものを食べ過ぎてしまうのか、冷え性で内臓の機能が低下して便を作ったり押し出したりする力が不足しているのか、といったことを、一人一人の身体を診て診断し、それを治療するための生薬を数種類配合します。

あくまで治療するのは「体質」や「証」ですから、それらによって引き起こされる様々な症状や病気すべてが改善していくのです。

漢方薬の服用によってお腹の脂肪が落ちただけでなく、頭痛がしなくなった、生理痛が軽くなった、ニキビが出なくなった、といったことは珍しいことでも不思議なことでもありません。

漢方薬は使う人を選ぶ薬~使用上の注意点

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漢方薬の難しいところは、それぞれの「証」に合わせて生薬を配合するため、それ以外の証の人が服用しても効果が出ないことです。

たとえば、最近お腹の脂肪を落とすとよく宣伝している「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」ですが、口コミを読むと「痩せた」という人と「全然効果がなかった」という人がいます。
どちらも便通が良くなることを挙げていますが、片や「快便」になり、片や「下痢」を引き起こしているようです。

これは、防風通聖散には大黄(だいおう)や芒硝(ぼうしょう)といった、強めの下剤成分が配合されているからです。
通常、漢方でこの生薬を使うのは、身体に熱がこもって体内の水分が蒸発し、硬くなってしまった便を押し出す場合です。

こういった症状は、胃腸の働きが良くいくらでも食べてしまう、といった人に起こります。
そのため、それ以外の人には副作用が出やすくなります。
身体を冷やす作用もあるため、元々冷え性の人が使用すると激しい腹痛を伴う下痢を起こすことがよくあり、中には貧血を起こして倒れてしまった、という人もいるのです。

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私たちは便がたっぷり出ると何となく痩せるような気になりますが、滞留便はせいぜい1キロ程度だといわれています。
後は、食べたものが消化吸収される前に大黄や芒硝で強引に排出してしまうことになり、栄養不足で痩せることはあってもお腹の脂肪を落とすことはできません。

また、私たちの身体は意思と関係なく、生命を維持しようと働きます。
そのため、食べても食べてもそれが栄養になる前に排出されてしまうのがわかると、入ってきたものすべてを出すまいと必死になります。
その結果、下剤を飲むことで便秘になり太る、ということも起こるのです。

さらに、作用の強い生薬に対抗する訳ですから、内臓はどんどん疲労していきます。
肝臓や腎臓に負担がかかり、さらに高血圧や甲状腺機能障害、狭心症や心筋梗塞などを発症してしまうこともあります。

防風通聖散に限らず、漢方薬はすべて証を基準に生薬を配合していますから、「お腹の脂肪を落とす」という言葉を鵜呑みにしてはいけません。

また、漢方薬局ではよく生薬そのものを販売していますが、ネットや市販されている漢方薬はすでに薬局方に従って各生薬を配合し、エキスを抽出して錠剤や顆粒にしたものがほとんどです。
そのため、証そのものは合っていても量が合わないということも起こります。

漢方は中国医学と日本の伝承医学がドッキングしたもので、多くは日本人に合った生薬配合になっているものの、中には中国での配合量そのままで、日本人の体質には少し強すぎると思われるものもあるのです。

そのため、漢方薬を服用する場合や何らかの症状が出た時にはいったん使用を中止し、必ず専門家の判断を仰ぎましょう。
量を減らしただけで効果が出てくることもありますが、証の判断ミスということもありますので、絶対に自己判断は止めましょう。

漢方薬のメリットと効果を得るためのポイント

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前述のように、漢方薬は「証」が合えば様々な症状を緩和させることができます。
先ほど例として挙げた防風通聖散も、肥満解消のつもりで服用したら血圧が下がった、胸やけや肩こりが改善した、腎臓病の症状が出なくなったなど、別の効能がたくさんあるのです。

漢方薬はある症状そのものを見るのではなく、その症状を引き起こしている体質を診る医学です。
皮下脂肪の場合、女性ホルモンとの関係が深いため、どんな女性でも全く皮下脂肪がつかないということはありませんが、皮下脂肪が貯まりやすい体質というものがあります。

たとえばストレスで女性ホルモンのバランスが崩れやすい人、胃腸が弱くて食べたものを燃焼できない人、冷え性で血行不良と水分代謝の悪さから全身が冷え、防寒のために皮下脂肪が貯まってしまう人など、体質は様々です。
その体質に合わせて生薬を組み合わせたのが、様々な種類の漢方薬なのです。

残念ながら、肥満を解消する目的で漢方薬を服用しても、すぐに効果が出るものではありません。
皮下脂肪は女性の身体を冷えや衝撃から守るためにつくものなので、そう簡単には落ちないのです。

また、副作用を最小限にするために、効果の高い生薬だけでなくそれを打ち消して効果を和らげるものも配合されています。
そのため、1~2ヶ月程度では脂肪が落ちないということは覚悟しておきましょう。

とはいうものの、漢方薬はそれぞれの体質を改善する処方になっているので、お腹の脂肪が落ちるより先に、様々な効果が出てきます。
顔色が良くなったり生理痛や更年期障害が緩和されたり、何でも美味しくいただけるようになったり、むくみが改善したり、といったことが起こってくるのです。

こういった諸症状が改善されたらしめたもの、太りにくい体質へと変化が進んでいるということですよ。

ところで、漢方薬の効果を充分に得るには、一つ大切なポイントがあります。
多くのCMでは漢方薬を飲みさえすればお腹の脂肪が燃焼するかのように表現されていますが、実際にはそれだけで高い効果を引き出すことは難しいということです。

漢方の世界では「養生」、つまり日常生活を正しく送ることが健康の基本である、と考えています。
しっかり養生をしなければ、どれほど証の合った漢方薬を服用しても、その効果が打ち消されてしまうのです。

これは西洋医学も同じですね。
風邪で熱があるのに徹夜で仕事や遊びをして悪化させ、「薬が効かない」と医者に訴えるのはおかしいというのは、誰でもわかりますよね。

つまり、西洋薬でも漢方薬でも、その効果を充分引き出すには日常生活の乱れをできるだけ正すことがとても大切なのです。

昔からよくいわれているように、和食中心に腹八分目にする、間食は少なめに、適度な運動を行なう、質の良い睡眠を取るなど、当たり前だけれどできていないことがあれば、少しずつでも改善させていきましょう。

漢方薬には、お腹に脂肪が貯まる原因となった体質や精神状態を緩和させる作用があるため、漢方薬と生活習慣の改善を意識して行なうことで、効果が出やすくなります。

一例を挙げましょう。
ストレスでつい甘いものを食べ過ぎて太ってしまう、という女性は少なくありません。
これは、甘いものが脳の快感中枢を刺激し、多幸感を与えるエンドルフィンが分泌されることを脳が知っているからです。

そんなタイプの人によく処方されるのが「大柴胡湯(だいさいことう)」です。
成分の柴胡(さいこ)や黄芩(おうごん)には解熱作用のほか神経鎮静作用があるため、ストレスの緩和を助けてくれます。
するとストレスが貯まりにくくなるため、甘いものを必要としなくなってくるのです。

その時に、ついいつもの習慣で食べてしまうのではなく、食べないでいられるなら食べない、というように意識を変えていくことが大切です。
無理をしても続きませんが、漢方薬でちょっとした体調や気持ちの変化が出たら、そのチャンスを逃さないようにしましょう。

まとめ~体重の増減に一喜一憂するよりも

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女性は、体重が気になるとつい毎日体重計に乗ってしまいますよね。
食べ過ぎた翌日に1キロ増えていると、「ああ、やっちゃった…!」とショックを受け、食事制限に走ったり下剤を飲んでしまったりする人は多いものです。

前日食べたものがすぐ皮下脂肪になることはありませんが、これまでの経験でどんどん蓄積されてしまうのでは、という不安がそうさせてしまうのです。

しかし、「証」に合った漢方薬なら、そんな体質を改善してくれます。
食べ過ぎても余分なものを排出できる身体、食べたものを消費できる身体になるよう、サポートしてくれます。

すると、たとえ1キロ増えたとしても焦ることなく、身体の声を聞いて食事を控えたり運動を多めにしたり、ということが自然にできるようになってくるのです。

そんな健康体になれるよう、漢方薬をうまく利用しましょう。

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