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漢方ダイエットで失敗したくない人へ~漢方薬の正しい使い方と市販の漢方薬の選び方

漢方や中国医学において肥満タイプを知るための方法とは?

最近TVやネットでよく取り上げられている漢方ダイエット、興味がある方はたくさんいるのではないでしょうか。
「漢方って副作用ないんでしょ?」「中国数千年の歴史があるんだもんね」なんて甘い期待とともに、宣伝している市販商品をドラッグストアで購入してしまう人は男女問わずたくさんいます。

しかし、使用した人の感想は、良いものばかりではありません。
それはなぜなのか、漢方ダイエットはどうすれば成功するのか、解説します。

【要注意】安易な漢方ダイエットは失敗の元

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ダイエットのためにこれまで様々な方法を試した、という人はとても多いです。
特に女性は「健康より痩せること」のほうが重要だと思いがちですし、世間も痩せた女性のほうを評価する風潮がありますよね。

これは日本だけのことではなく、先進国ほど痩せた女性を高いランク付けします。
「肥満」のレベルが日本とは全く違うせいもあり、欧米では脂肪吸引や胃のバイパス手術・切断手術・バンディング手術などの開発がとても盛んです。

これらはやりすぎると危険が伴う上に高額なため、日本ではやっている人はそれほどいません。
しかし、興奮剤を使用したダイエットピルを海外から個人輸入している人は少なくなく、偽薬を掴まされたり副作用で苦しんだりしていることが問題になっています。

そんな中、最近評判の漢方ダイエットの宣伝を見ると、何となく安全な気がしませんか?
「医薬品」だから、大手メーカーが販売しているから、中国数千年の歴史に裏付けられているから…「きっと安全で効果も高いのよね」と考えてしまいます。
しかもドラッグストアなどで市販されているので、簡単に試すことができるのです。

しかし、漢方薬は西洋薬とは全く違う考え方によって発展してきた医学です。
西洋医学はある不都合な状態を「悪」と見なし、一日も早く消し去ろうとします。
そのため、直接胃に細工をしたり食欲を失わせる興奮剤を服用したりして、より早く結果を出そうとするのです。

それに対し、東洋医学はその状態を引き起こした原因を探り、体質を根本から変えてその状態が起こらないようにしていく医学です。
そのため、その原因の根が深いほど時間がかかり、結果がある程度出るまでに半年以上かかることもあります。

また、西洋薬が「症状」に対して処方されるのに対し、漢方では「体質」に対して処方します。
そのため、体質の見極めを間違えると全く効果がないばかりでなく、副作用が強く出ることもあります。

このように、知識がないまま市販の漢方薬で漢方ダイエットを行なっても、期待した効果が出ず失敗しやすいのです。

漢方薬を“痩せ薬”として使うのは間違い!?

漢方には、体重を減らすのに即効性がある生薬もあります。

ただし、それは下剤や利尿剤としての作用で、体内に貯まった便や水分を一時的に排出するので体重が減るだけです。
それだけなら、わざわざ漢方薬を使用しなくても、市販されている下剤や利尿剤で充分ですよね。

漢方薬は、あくまで体質を改善するための医薬品です。
なぜ脂肪が貯まるのか、便秘になるのか、水分代謝が悪くてむくむのか…これは人によって原因が違います。

たとえば、同じものを食べても、食べている最中から汗をダラダラかいて暑がる人もいれば、汗など全くかかず胃もたれしてしまう人もいますよね。
漢方ではこれを体質の差と考え、同じように太っても原因が違うという判断をし、異なる生薬を配合して治療します。

これらの生薬には直接脂肪を燃焼させる作用はありません。
脂肪を燃焼しやすい身体に整えたり、便秘になりにくい体質にしていく、というのが漢方の力です。
あくまで体質を改善することで「自力で」太りにくくする、というのが目的なのです。

そのため、「自力」が整わない限り痩せるという結果は期待できません。
漢方薬を短期間で効果が出る「痩せ薬」と考えるのは、間違っているのです。

漢方ダイエットの本来の目的~漢方薬の効果

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「漢方ダイエット」という言葉が独り歩きしてしまっていますが、前述のように漢方には直接ダイエット効果のあるものはありません。

体質を変えることで食べたものを充分消化でき、代謝機能が正常に働いてエネルギー源となり、それをきちんと使い切れるようにしていくこと、使い切れない分は排出できるようになること、あるいは必要以上の量を食べたくなくなるようにすること、が目的なのです。

たとえば、ストレスを感じると暴飲暴食をするという体質の場合、ストレスによって発生するイライラを「熱」ととらえ、この熱がエネルギーの流れを邪魔していると考えます。
そこで、その熱を排出して代謝をアップさせ、エネルギーが順調に消費されるようにしていくのです。
西洋医学的にいえば、自律神経を整える、ということになります。

漢方薬の働きで熱が常に排出されるようになると、精神が落ち着いてきてストレスが貯まりにくくなってきます。

すると暴飲暴食が収まってきて、暴飲暴食をしてしまうということ自体が生むストレスからも解放されていきます。
そして、最終的には漢方薬を服用しなくても、自分でストレスをうまくコントロールできるようになるのです。

漢方薬には便通を良くしたり利尿作用があったりするものが使われることもありますが、必ずしも配合されている処方だけではありませんし、配合される量もまちまちです。
また、これらの効果がある生薬でも効き目が強いものと穏やかなものがあり、体質によって使い分けています。

これは、排便や排尿が強すぎると、栄養素まで排出されてしまうことがあるためです。
体力がある人は強い生薬でもその作用が出過ぎることがないのですが、虚弱体質の人は下痢が止まらなくなり、身体がますます弱ってしまいます。
そういったことを総合的に判断し、生薬の配合を決めているのです。

一例を挙げると、最近話題の防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)には寫下剤として作用の強い大黄(だいおう)と芒硝(ぼうしょう)、穏やかな作用の黄芩(おうごん)という3種類の生薬が配合されています。

それに対し、ストレス性肥満に効果があるといわれる大柴胡湯(だいさいことう)には大黄が防風通聖散の半分程度と、黄芩が少し多めの2種類配合になっています。

このように、処方によって配合される生薬の種類も量も違うため、体質に合っていれば高い効果が期待できますが、合わなければ効果が出なかったり副作用が強く起きたりするのです。

『気・血・水』自分の肥満タイプを知るには

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漢方や中国医学では、人間が生きるために必要なものを「気・血・水」で表しています。
「気」はエネルギーのことで、「血」は血液「水」は血液以外の水分のことで、唾液や胃液、涙、リンパ液などもこれに含まれます。

それぞれには2つの状態があります。

<気(エネルギー)>

・気虚(ききょ)

食生活や生活習慣の乱れなどによって、エネルギーが不足している

・気滞(きたい)

エネルギーはあるが、うまく消費されず貯まってしまう状態

<血(血液)>

・血虚(けっきょ)

栄養が不足し、血液の成分が悪い状態

・瘀血(おけつ)

血液の流れが悪くなり、停滞している

<水(血液以外の水分)>

・陰虚(いんきょ)

身体に熱がこもり、うるおいが不足している
陽盛(ようせい)とも呼ばれる

・水滞(すいたい)

水分代謝が悪く、一部あるいは全身に停滞している状態
痰湿(たんしつ)とも呼ばれる

漢字だけではよくわからなくても、説明を読むと何となくニュアンスが伝わるのではないでしょうか。
たとえば、女性の多くは食事制限ダイエットによって栄養不足から「気虚」や「血虚」になりやすく、ストレスが貯まってイライラが募ると「気滞」や「陰虚」を起こし、生理痛や生理不順は「瘀血」状態、むくみは「水滞」といったイメージです。

このそれぞれがどう肥満につながるのか、簡単に説明しましょう。

気虚タイプ

エネルギー不足を起こしている状態のことで、常にだるい、疲れが取れないといった症状を感じています。
これは摂取する栄養が不足していると胃腸の働きが低下し、少ない栄養素すら充分に消化吸収できなくなってしまうからです。

また、胃腸だけでなく内臓全般が弱るため運動をする気力もわかなくなり、筋肉がどんどん衰えてしまいます。
筋肉にはエネルギーを消費する働きがあるため、筋肉がなくなるとエネルギーがそのまま体内に蓄積されてしまいます。

さらに、便を排出する力も弱くなり、体内に留まってしまうため便秘になることもあり、太りやすくなってしまうのです。

気滞タイプ

主な原因はストレスで、エネルギー源はあるもののうまく使われず、それが脂肪となって蓄積されてしまうタイプです。
現代人に多いストレス太りは気滞によるもので、西洋医学的にいうと交感神経が常に優位になっており、代謝機能がうまく働かなくなっています。

しかも、甘いものを食べると一時的にセロトニンという快感ホルモンが分泌されるため、無意識のうちに甘いものを求めてしまい、太りやすくなるのです。

血虚タイプ

字のごとく、血液が足りなかったり質が悪かったりするタイプで、多くの場合気虚体質でもあります。
貧血気味でめまいや立ちくらみがする、顔色が悪い、足がつりやすい、手足がしびれる、月経困難になりやすく、生理があっても出血量が少ないといった場合、血虚に当たります。

栄養不足なのに太るのは不思議に感じるかもしれません。
しかし、身体は栄養不足になると生命維持のために、何でも貯めこもうとする働きがあります。
すると本来排出されるべき老廃物や余剰物も体内に留まるため、太ってしまうのです。

また、血液は全身を巡ることで体温を一定に保つ役割があります。
しかしその血液が不足したり質が悪くなったりすることで全身の体温が下がり、低体温症を引き起こします。

すると代謝が悪くなり、食べたものがうまくエネルギーとして使われなくなってしまうため、いわゆる冷え太りを起こしてしまうのです。

瘀血タイプ

血液の成分や量には問題がないものの、うまく流れなくなっているために起こります。
血液は全身に栄養を送るだけでなく、体内の老廃物を集め、最終的に排出させる役割があります。
しかし、流れが停滞してしまうと全身の老廃物によって吹き出物が出来やすくなり、あざやシミ、肩こりや腰痛、手足の冷え、月経困難、出血の際血の塊が出るといった症状が出やすくなります。

どちらかというとガッチリ体型で体力もあるほうですが、血液がドロドロになっていることが多く、脂肪が排出されにくいため太ってしまいます

陰虚(陽盛)タイプ

身体に熱がこもっていて水分が蒸発し、うるおいが不足します。
汗かきで体臭や口臭が強く、炎症のあるニキビができやすいタイプで、冬でも熱さを感じたり、手足がほてって眠れないといったことが起こります。

熱を冷ますために冷たいものを食べたり飲んだりすることが多いのですが、それらに含まれる糖分が貯まって太りやすくなります。
また、水分が不足するので便が非常に硬くなり、便秘になりやすいタイプです。

水滞(痰湿)タイプ

水分が身体の一部に停滞しやすいタイプです。
身体を温める機能が弱く、外側から温めても身体の芯まで熱が伝わりにくく、内臓が冷えてしまいます。
また、水分は下半身に貯まりやすいため、足の冷えやむくみが起こりやすくなります。

内臓が冷えると栄養を消化吸収できなくなったり、大腸の働きが衰えて下痢をしやすくなったりします。
また、身体が冷えると血行が悪くなるので栄養が全身に送られず、血虚と同様冷え太りしやすくなるのです。

市販の漢方薬の正しい選び方と使用時の注意点

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多くの人が誤解していますが、漢方は中国医学ではありません。
ベースは中国医学ですが、それ以前から日本にあった伝承医学をドッキングさせ、日本人に合う独自の医学になっています。

漢方薬の処方によっては中国のものと全く同じものもありますが、長い歴史に培われたものなので、体質が合えば安心して使用できると考えて良いでしょう。

ただ、どれが体質に合っているか、を判断するのは簡単ではありません。
上記の分け方を読んでも、タイプが一つだけに当てはまるということは少なく、ほとんどは「気虚血虚」「血虚水滞」といったようにいくつかのタイプが混在しています。

選び方を間違えると、漢方ダイエットが成功するどころかますます太ってしまったり体調を崩してしまったりすることもあるのです。

そこで、市販の漢方薬を購入する前に、まず自分の体質や現在の状態を紙に書き出すなどして、それを持って薬剤師に相談することをお勧めします。
また、以下のサイトで自分の体質をチェックすることもできますから、判断材料にするのも良いでしょう。

※ベイサイドクリニック 漢方 体質チェックシート
http://www.bs-clinic.or.jp/kanpo/check.html

また、漢方薬をサプリメントの一種と考えている人が多いのですが、漢方薬は副作用もある医薬品です。
たとえ体質が合っていても、飲み方を間違えると効果が出にくくなったり、副作用が強くなったりする危険性があります。

そのため、市販の漢方薬を購入する時には飲み方や回数などを良く聞き、説明書も確認して正しく使用しましょう。
漢方薬の多くは食前や食間に服用しますが、食後のものもあります。

また、市販品は日本薬局方に決められた処方そのままの量を配合してある満量処方のものもあれば、3分の2処方、2分の1処方といったものもあります。
成分が少なくなれば効果が薄れるとは限らず、むしろ少ないほうが副作用が出にくいこともあります。

さらに、市販品はより飲みやすくするために、錠剤や顆粒など様々な種類があります。
錠剤は小粒のものが多いのですが、一度に5~6錠飲まなくてはいけないため、飲みづらいと感じる人もいるようです。

とはいえ、顆粒の場合口の中に広がり、独特な味やニオイに耐えられないという人も。
どちらが自分にとって飲みやすいか、も考慮して選びましょう。

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漢方ダイエットは体質が合えば優れた効果が期待できます。
しかし、現在の体質になるまでに時間がかかっていればいるほど、体質改善に時間がかかり、中には1年近く実感できなかったという人もいます。

天然の植物や鉱物だけを使用して体質を変えるのですから、1ヶ月程度でできるものではないのです。
特に市販の漢方薬は個々の体質を診察して配合されたものではないので、それだけ時間がかかる可能性があります。

しかし、体質の改善に成功すれば、多少多めに食べてもスムーズに排出されますし、それ以上に脳の満腹中枢が正常に作動するようになり、自然に食べ過ぎがストップできるようになります。
すると、一生肥満知らずの健康な身体に生まれ変わることも夢ではないのです。

健康美を目指している人、体調の不調を改善しながら痩せたいという人は、ぜひ漢方薬を試してみてくださいね。

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