1. 漢方とダイエット
  2. 便秘がち?むくみ体質?漢方ダイエットを始める前に知っておくべき自分の体質のこと

出典:
https://www.photo-ac.com/

便秘がち?むくみ体質?漢方ダイエットを始める前に知っておくべき自分の体質のこと

自分の体質を正しく知って、漢方ダイエットで効果を出す方法を解説!

最近評判になっている「漢方ダイエット」。
大手メーカーがTVや新聞でバンバン宣伝していますから、かなり効果がありそうな気がしますよね。
しかし、漢方は体質別に処方が違っていて、便秘の人と冷え性でむくみがある人では合わせる生薬が違うのです。
漢方でダイエットをしたい人は、買う前にぜひこの記事を読んでくださいね。

人気になっている漢方ダイエットってどうなの?

漢方ダイエットなら飲むだけで痩せそう、と期待している貴女。
確かにテレビなどの宣伝を見ると、「お腹の脂肪を落とす」ことや肥満解消を強調していて、いかにも効果がありそうですよね。

しかし、はっきり言うとあの宣伝はちょっと無責任。
あれでは、どんな人でも宣伝している漢方薬を服用するだけで、漢方ダイエットが成功すると誤解してしまいます。
そもそも「お腹の脂肪を落とす」ことを目的にするというのは西洋医学の考え方で、東洋医学ではそのような発想をしないのです。

ここで、簡単に西洋医学と東洋医学の違いを説明しましょう。
西洋医学では、主に数値を見て判断します。
肥満の場合、西洋医学では体重やBMIを元に判断しますが、その数値だけでは重大な問題とは判断されず、せいぜい食事や運動について注意を受ける程度です。
血圧や血糖値、中性脂肪などの数値も検査し、その中で基準値に当てはまらない項目があった時に初めて「メタボ」「生活習慣病」といった状態名や疾病名がつけられ、治療が始まります。

その治療も、数値が悪い部分に対し、その数値を基準値に当てはめるための薬を与える、といった方法が主流です。
患者にも聞き取りをして原因を知る助けとはしますが、たとえば「運動不足で…」と答えれば「もっと運動してください」、便秘だといえば緩下剤を処方するだけです。
そして、その薬で症状が改善しても、止めると元通りになってしまうことが非常に多いのです。

それに対し、漢方は症状を診て判断する医学です。
漢方でも体重が重いことだけでは問題視しませんが、肥満によって患者の体内に起きている様々なトラブルを、数値ではなく患者の全身を診て判断します。
同時に患者からも生活習慣や食生活、普段感じている不調などを聞き出し、それを総合して診断を下すのです。

たとえば、「食べ過ぎ」であれば普段どんなものを食べているのか、なぜその食べ物を好むのか。
「運動不足」であればやる気が出ないのか、やる気はあるが体力が続かないのか。
便秘の場合も、身体に熱がこもって水分が不足しているのか、水分が体内に溜まり冷え性になって腸の働きが弱っているのか、ストレスで胃腸の働きが停滞してしまっているのか。
このようにその人ごとの原因を追究し、それを改善させる生薬を配合して漢方薬を処方するのです。

つまり、肥満の根本の原因となる「体質」を探り出し、その体質を改善させるのが漢方の本質で、お腹の脂肪が落ちるのはその過程で起きることに過ぎません。
「ダイエット目的の漢方薬」というのは存在しないのです。

また、体質に合わせて生薬を数種類配合するので、その体質に適応しない人が服用しても効果がないばかりでなく、副作用が出る危険性もあります。

TVCMなどでよく宣伝している「防風通聖散」にしても、「お腹の脂肪を落とす」ことを希望している人すべてが服用して良いものではなく、あくまで防風通聖散が合う体質の人だけに効果が出るのです。

もちろん、多くのメーカーはそれをわかっています。
しかし購入者を増やすために、より多くの人が興味を引きそうな謳い文句を前面に押し出しすぎています。
そのため、最も重要な「体質との相性」について知らないまま購入してしまう人が増えており、効果がない、副作用が出た、という人も増加しているのです。

実証?虚証?まずは自分の体質を知ること

漢方では、体質を生まれつきのものと後天的なものの2つに分けて考え、最終的にそれらを総合して診断します。

まず、生まれつきの体質を「実証」「虚証」「中間証」に分けます。
実証とは体力があり、がっちり体型、声が大きく血色が良い、胃腸が強く抵抗力がある、便秘気味といった体質のこと。
虚証とは、体力がなく細身で顔色があまり良くなく、声が小さい、胃腸が弱い、疲れやすい、下痢気味といった体質のことです。

虚証に比べると実証のほうが健康的に思えますが、胃腸が強すぎて暴飲暴食に走ったり、身体に熱がこもって血液がドロドロになったりしやすく、メタボと診断されるケースも多くなります。

中間証は中肉中背、声は大きくも小さくもなく、体力も肌色も食欲も普通といった、中庸で最もバランスが取れたタイプを指します。
このタイプの場合肥満になることはなく、健康体だといえます。

私たちのほとんどは、実証と虚証の両方の特徴を持っています。
しかし、そのバランスが悪いため中間証とはならず、どちらかに偏ってしまいます。
また、本来の体質は実証でも、生活習慣の乱れなどによって虚証体質に変化してしまうことも往々にしてあります。

そのため、市販の漢方ダイエット薬を使用する場合は、自分の体質が実証か虚証か考えながら、より合っているものを選ぶことが重要です。

便秘がちな溜め込み体質の実証タイプには

実証をもう少し詳しく書くと、こんなタイプです。

・固太りで筋肉質、がっしり体型
・リンゴのようにお腹部分が丸く膨らみ、脂肪が掴めない
・声は大きく、張りがある
・血色が良く、ツヤがある
・体力があり、疲れが残りにくい
・胃腸が強い
・食べるスピードが速い
・脂っこいものや冷たい食べ物が好き
・暑がり
・便秘気味
・肩こり
・脂性で顔や髪がテカテカしている
・尿の色が濃い
・汗をよくかく
・口内が乾きやすい
・体温が高め
・血圧が高め
・内臓脂肪が貯まりやすく、メタボや生活習慣病の危険性が高い

これがいくつも当てはまった場合、「実証」と判断します。
こういったタイプの場合、よく食べるので身体が常に代謝しており、エネルギッシュで健康的に見えます。
しかし、作られたエネルギー源を使い切らないと、それが主に内臓脂肪となってお腹周りについてしまいます。

また、エネルギーを作るために胃腸がフル回転し、その熱が体内に籠りやすくなります。
さらに、その熱によって体内の水分が蒸発してしまうため、便が硬くなって便秘になります。
しかも動物性食品を多く食べているので、その便はかなり臭いです。

こういった人の場合、漢方ダイエットは以下の処方が合うでしょう。

・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
TVなどでよく見るのが、こちらのタイプです。
太った男性のお腹がパッケージに書かれているものも多く、説明文には「皮下脂肪を落とす」といったことが書かれていても、その前に内臓脂肪を落としやすくしてくれます。
内臓脂肪はエネルギー源になりやすい形で内臓の周りに蓄積されているため、生薬によって落ちやすいのです。

成分には、胃熱を取り除くものや基礎代謝を高めて脂肪の燃焼を促進するもの、便や尿を熱とともに排出する生薬などが計18種類配合されています。

また、実証の場合は体力があるので、防風通聖散を服用しながら運動したり軽く食事制限をするだけで痩せやすくなりますよ。

・大柴胡湯(だいさいことう)
こちらも防風通聖散に似て実証タイプに合いますが、体質や症状が違います。
普段は食欲は普通ですが、ストレスが貯まると暴飲暴食をしてしまい、それが続くとストレスがなくても食べ続けてしまう、というタイプ向きです。

西洋医学でいうと、交感神経が常に活性化していて、全身が興奮している状態です。
その興奮を冷ますために食べることでリラックスしようとするのですが、交感神経が活発な時は胃腸の働きが止まってしまいます。
そのため、脂肪が貯まりやすくなってしまうのです。

大柴胡湯にはストレスを緩和し、体内の熱を冷ます成分が配合されているので、徐々にストレスがなくなり、便秘も解消していきます。

・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
大柴胡湯と同じような体質・症状の人に合います。
不眠がちな人や精神状態が特に不安定になりやすく、不安感が強い人に特に向きます。

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
桃核承気湯は、実証で血液の巡りが良くない人に効果が期待できる漢方薬です。
生理不順や生理痛、イライラや不安などホルモンのバランスが崩れやすい人は、血液の流れに問題があると考えられています。
そこで血液の循環を良くし、便秘を解消する生薬を配合し、婦人病のほか腰痛や便秘、高血圧、頭痛、肩こり、めまいを改善させます。

疲れやすくむくみやすい体質の虚証タイプには

虚証タイプとは、その字の通り「虚弱体質」の人のことを指します。

・やせ型、または水太りタイプ
・声が小さくて細く、発音も不明瞭
・顔色が悪い
・肌がカサカサして荒れ気味
・体力がなく、すぐ疲れてしまう
・風邪を引きやすい
・冷え性で、夏でも手足が冷える
・むくみやすい
・胃腸が弱く、小食
・食べる速度が遅い
・貧血
・便秘もするが、下痢気味のほうが多い
・尿の色が薄い
・体温が低め
・血圧が低め
・皮下脂肪がつきやすく、脂肪が掴める

虚証の肥満の場合、代謝機能が落ちているので食事を減らしても痩せにくいのです。
しかも食べたものを正常に排出することができない体質になっているため、ちょっと多めに食べるとすぐに太ってしまいます。

こういった人の場合、漢方ダイエットは以下の処方が代表的です。

・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
全体的にぽっちゃりしていて筋肉があまりなく、疲れやすいタイプに合います。
このタイプは代謝能力が落ちているため、食べたものをエネルギーに変換させる働きが不足しています。
すると胃腸の働きも悪くなるため、動物性の消化が悪いものを敬遠し、代謝しやすい炭水化物を中心に食べてしまいます。
しかし、疲れやすいためそのエネルギーを使い切ることができず、余ったエネルギーが皮下脂肪となって貯まってしまうのです。

また、腎臓の働きも弱るので水分代謝が悪くなり、むくみも出やすくなります。

防已黄耆湯には身体のむくみを取る防已(ぼうい)という生薬のほか、胃腸の働きを整えることで代謝力をアップさせ、脂肪を燃焼させる助けとなる生薬も配合されています。
女性の漢方ダイエットによく推奨される処方です。

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
虚証の中でも、特にむくみがひどい人はこちらの方が合うでしょう。
当帰芍薬散は、体質的に水分を貯め込みやすく、それによって身体が冷えてさらにむくみやすくなってしまう体質を改善させるために、血行を促進させる生薬を配合してあります。

血行が促進されると血管が広がりやすくなり、全身に栄養が届くようになります。
すると内臓機能が徐々に改善し、余分な水分を排出できるようになってむくみがなくなってきます。
むくみがなくなればさらに身体がよく温まるようになるので、代謝力もアップして痩せやすくなるのです。

また、当帰芍薬散は月経不順や月経異常、更年期障害にも効果があるので、肥満と同時に婦人科系の悩みがある人が漢方ダイエットをする時は、こちらが合うかもしれません。

漢方薬は薬です。副作用に充分注意しましょう

漢方ダイエットに適しているとされる漢方薬を、いくつかご紹介しました。
読んでいただくとわかるように、漢方では「肥満」と一言で片づけることなく、その原因を見極めてから治療をしていきます。
そのため、その原因を見誤ると効果が出ないだけでなく、便秘やむくみ、下痢がひどくなるといった症状が起こりやすくなるのです。

漢方薬は西洋薬に比べると作用が穏やかで、副作用は少ないとされています。
しかし、それはその人の体質にマッチしている場合のことで、「お腹周りのお肉」「便秘」といった表面上の症状だけで自己判断すると、時に大きな副作用が出てしまうこともあります。

例えば、防風通聖散に配合されている大黄(だいおう)や芒硝(ぼうしょう)はかなり強い下剤ですから、体力のない人が使用すると下痢や貧血を起こしてしまいます。
さらに、身体は何とか水分を留めようと必死になるため、むくみがひどくなることもあります。

また、薄荷(はっか)や連翹(れんぎょう)、山梔子(さんしし)など、解熱作用のある成分が何種類も配合されています。
そのため、便秘という症状があっても冷え性の人が使用すると、さらに身体が冷えてむくみ、便を押し出す力が失われ、超ガンコな便秘になってしまうかもしれません。

また、反対に実証の人が防已黄耆湯や当帰芍薬散を飲んで水分代謝を良くしてしまうと、体内の水分がますます不足し、便がガチガチになってしまうこともあるのです。

漢方薬は「薬」という文字が使われている通り、医薬品です。
まるで副作用のないサプリメントのように捉えられている傾向がありますが、それは大きな間違いです。
説明書を読めば、どの漢方薬にも副作用の危険性があることがはっきりと書かれています。

そんな危険をできるだけ避けるために、自己判断だけで購入せず、医師や薬剤師に相談して正しい漢方薬を選びましょう。
また、漢方ダイエットの効果が薄れたと感じた時は、体質が変化している可能性がありますから、その際も専門家に確認するようにしてください。

正しい漢方薬を服用して、便秘やむくみを改善し、すっきりボディを目指しましょう。

この記事が気に入ったら「いいね!」をお願いします。

掲載商品一覧

Page Top