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更年期の女性に脂肪が増えるメカニズム~漢方薬の正しい選び方と使い方

代謝促進効果が期待できる漢方薬の種類をご紹介!

更年期に差し掛かると、太ってくるという女性は少なくありません。
子育てが一段落して気が緩んだから?加齢とともに動くのが億劫になってきて運動不足だから?
原因は一つではありませんが、ちょっと気を緩めるとどんどん太ってしまうのが更年期なのです。

そのメカニズムと、脂肪を落とすという漢方薬の選び方について解説しましょう。

気をつけていたのに・・・更年期の肥満の悩み

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女性には一生で2回、とても太りやすくなる時期があります。
一つは出産後、もう一つが更年期です。
出産後に太りやすいというのは多くの女性が知っており、出産直後から体操をして骨盤を引き締めたり、食事に注意したりして乗り越える人は少なくありません。

しかし、更年期に太るというのは案外知られていません。
更年期障害がひどく痩せる人もいますが、多くの女性は脂肪がつきやすくなり、体重も増加してしまうのです。

その年代になると食も多少は細くなっているはずなのに、何故?
これは、いくつもの原因が重なっているのです。

何が原因?更年期に脂肪が増えるメカニズム

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更年期に脂肪が増えるメカニズムについて、代表的なものをいくつか説明しましょう。
多くは女性ホルモンに関係しています。

①女性ホルモンが減少する

女性ホルモンのエストロゲンには、子宮や卵巣を守るために皮下脂肪をつきやすくする作用があります。
これらの臓器の前面には骨がなく、衝撃を受けた時にガードとなるためと、冷えから守るためです。
そのため、女性ホルモンの分泌量が多い30代までは皮下脂肪がつきやすくなっています。

しかし、更年期になると女性ホルモンが減り、男性ホルモンの影響が強くなってきます。
女性にも男性ホルモンは存在し、一生を通して分泌量に大きな変動がありません。
また、男性ホルモンには内臓脂肪をつきやすくする働きがあります。
そのため、更年期になると今度は内臓脂肪がつきやすくなってくるのです。

②女性ホルモンのうちプロゲステロンの分泌量が特に減る

①ではエストロゲンの減少が内臓脂肪の原因になると書きましたが、もう一つの女性ホルモンであるプロゲステロンの減少によって、更年期に皮下脂肪がつきやすくなることもあります。

プロゲステロンには皮下脂肪を減少させる働きがあります。
しかし、グラフを見るとわかるように、プロゲステロンは更年期に入ると一気に減ってしまいます。
プロゲステロンが減ることによって、まだある程度分泌されているエストロゲンの作用が強くなり、皮下脂肪がつきやすくなることがあるのです。

③甲状腺機能低下症による肥満

甲状腺機能低下症は男女比率が1:9といわれ、特に40代以降の女性に多いといわれる疾患です。
むくみやだるさ、やる気が失われる、冷え、脱毛、メタボ、肥満などの症状が現れますが、更年期に起こりやすいことから更年期障害と間違えられることがよくあります。

原因はまだ解明されていないものの、エストロゲンの減少が関わっているのではないか、といわれています。

甲状腺ホルモンには様々な働きがありますが、代表的なのが全身の代謝を高めるということです。
そのため、このホルモンの分泌が減ると代謝機能が落ち、皮下脂肪や内臓脂肪がつきやすくなるのです。

④基礎代謝量の低下で太りやすくなる

加齢とともに基礎代謝量は減ってきます。
基礎代謝とは生きているだけで消費されるエネルギーのことで、このエネルギー量が多いほど皮下脂肪や内臓脂肪は貯まりにくくなります。

この代謝量は筋量が多いほど高く、男性が1,500kcal前後なのに対し女性の場合30~49歳は1,150kcal、50~69歳は1,100kcal程度です。
また、おおよその1日の消費カロリーは「体重(kg)×25~30」とされており、50kgの場合1250~1,500kcalですから、基礎代謝以外のエネルギーは100~400kcalと、それほど必要ないのです。

しかし、平成28年国民健康・栄養調査によると、40~50歳の女性の平均は1702kcalで、20代~30代とほとんど変わりません。
基礎代謝量が減っているのに摂取カロリーが若い頃と同じということは、当然消費されなかったカロリーが皮下脂肪となってしまうのです。

更年期によって増えてしまった脂肪を落とすには

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更年期に増える脂肪を内臓脂肪と書いてあるサイトはたくさんありますが、内臓脂肪というのは皮膚のすぐ下につく皮下脂肪と違い、掴むことができないといわれています。

しかし、ほとんどの女性はお肉が掴めるのではないでしょうか。
ということは、奥には内臓脂肪が、外側には皮下脂肪が、というダブルでついている可能性が高いですよね。

これだけガンコについてしまった脂肪は、残念ながら簡単には落ちません。
しかし、放置していると内臓脂肪は動脈硬化を引き起こし、糖尿病や内臓疾患の大きな原因となります。

また、皮下脂肪は直接的な健康被害はないものの、体重が1キロ増えると膝への負担は3キロになるといわれていますから、いずれ歩行が困難になってしまうかもしれません。
そんなことにならないよう、以下の方法で少しずつでも対策を取るようにしましょう。

①不足する女性ホルモンを補う

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更年期の肥満の大きな原因は女性ホルモンの減少にありますから、外部から補給することが必要です。
しかし女性ホルモンそのものは一般には手に入らないので、同様の作用を持つイソフラボンを摂取しましょう。

イソフラボンは大豆製品に含まれており、女性ホルモンの分泌量が減ってくると作用が強くなるといわれています。
味噌や醤油のイソフラボンは吸収が良いのですが塩分も多めなので、豆腐や油揚げ、豆乳、きなこなどをよく摂るようにしましょう。

サプリメントも販売されているので、豆製品が苦手な人は活用すると良いですね。
なお、サプリメントで摂取する場合は、書かれている用量を必ず守るようにしてください。

②更年期障害に効果のある漢方薬を服用する

近年、婦人科では漢方薬を更年期障害に使用することが増えています。
漢方薬は長期に渡る不快な症状の緩和を得意としており、婦人科系の不調には西洋薬以上の効果を発揮するといわれています。

また、他に更年期の症状があまり出ていないという場合にも、内臓脂肪や皮下脂肪の代謝を良くする効果が期待できるものはいくつもありますので、専門家に相談してみると良いでしょう。

③筋トレと有酸素運動を行なう

「この年で筋トレ!?」と思うかもしれませんが、筋肉が衰えると身体全体の機能が低下してしまいますし、脂肪や内臓脂肪がつきやすくなります。

筋肉は身体を支えるための最も大切なもので、内臓も筋肉があるからこそ正しい位置に留まり、正常な働きを維持できるのです。
また、内臓下垂になると骨盤が開きやすくなり、皮下脂肪が入り込んでしまうため、お腹周りにはしっかりした筋肉をつけることが肥満予防・改善のために大切です。

さらに、筋肉があるとないとでは脂肪の燃焼量も全く違ってきます。
筋肉を動かす時にはエネルギーが必要なので、筋肉がたくさんあればあるほどちょっとした動きでも消費カロリーが増えるのです。

加齢とともに身体を動かす機会が減りがちですから、筋肉をつけることで消費カロリーの減少をカバーできるのです。

筋トレといっても、わざわざジムに通う必要はありません。
最も効果が高く、スペースも要らない筋トレが、あの故・森光子さんが毎日100回やっていたという「スクワット」です。
これだけで全身運動になるので、少しずつ回数を増やして1日10~20回行ないましょう。

なお、最近になって筋肉を動かすことで脳神経の働きが活発になり、認知症や脳腫瘍の予防になることがわかってきました。
脳の働きを低下させないためにも、筋トレを続けましょう。

有酸素運動は、呼吸が多少荒くなる程度の運動のことで、1日20分程度やることで血中の糖質や脂肪が燃焼するといわれています。

20分続けても分割してやってもほとんど同じ効果があるので、時間が取れないという場合は1日のうちで数回に分けて行ないましょう。
早足で歩く、好きな音楽に合わせて踊る、ラジオ体操を真剣にやるといったことでも十分ですよ。

代謝促進効果に期待!漢方薬の選び方と使い方

更年期対策や皮下脂肪の燃焼には漢方薬が良いといわれていますので、特に効果が期待できるものをご紹介しましょう。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

更年期の諸症状に効果が高いといわれているのが、当帰芍薬散です。
冷えやむくみ、めまい、貧血などを起こしやすい体質を改善するために、水分代謝を良くし、血行を促進させる生薬が配合されています。

身体の芯が冷えていると、熱をこれ以上逃がさないようにと皮下脂肪がつきやすくなってしまいます。
そこで、身体を冷やす原因となる余分な水分を排出し、血行を良くすることで熱が生まれ、皮下脂肪がつきにくい体質へと改善させることができるのです。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

こちらも更年期障害に高い効果があるとされています。
特に女性ホルモンの減少に伴って起こるイライラや不安感、肩こり、不眠、便秘などに作用します。
自律神経が安定するのでホルモンバランスも良くなり、イライラから来る過食にも効果があります。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

のぼせと便秘がひどく、頭痛、不眠、イライラ、ふきでものなどが出やすいタイプの人に向きます。
加味逍遙散があまり体力がない人向けなのにたいし、桃核承気湯はある程度体力がある人用で、強い通便作用のある生薬が2種類配合されています。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

更年期症状は特になく、便秘がひどい、食欲旺盛、体力があり皮下脂肪より内臓脂肪が多い固太りタイプの人に向く処方です。
体内にこもった熱を鎮めることで胃腸の働きを正常にし、代謝機能を高めます。

桃核承気湯と同様、通便作用が強力な生薬が配合されているので、体力がない人や胃腸が弱い人が服用すると下痢や腹痛を起こし、身体の芯が冷えて皮下脂肪がつきやすくなるので注意してください。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

特に更年期障害は出ていないが、昔から疲れやすくぽちゃぽちゃで色白なタイプの人はこちらになります。

食欲はそれほどないが消化の良い甘いものを間食に食べてしまうという胃弱体質の人は、血行が悪くなりやすく、水分代謝も良くありません。
防已黄耆湯はそれらを改善する生薬が配合されており、皮下脂肪の燃焼を助けてくれます。

漢方薬はドラッグストアや漢方薬局で手に入るものが294種類もあり、皮下脂肪や内臓脂肪に直接働きかけるものでなくても、便秘や水分代謝改善、血行促進、代謝機能改善などの効果があるものがたくさんあります。

ただし、漢方薬は体質に合ったものでないと効果は期待できません。
薬剤師に現在の悩みや体調を詳しく説明し、最も合ったものを選んでもらうことをお勧めします。

一時的な体重減少よりも体質の改善を目的に

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いくら更年期で太りやすくなっていても、食べなければ体重は減少します。
しかし、それで体調を崩してしまったら何にもなりませんよね。
ただでさえこの年代は容姿に衰えが出やすいのに、栄養不足でげっそりしていたらさらに老けて見られてしまいます。

栄養バランスの取れた和食を中心にしっかり食べ、毎日少しずつでも運動して血行を良くしながら筋肉をつけ、漢方薬で皮下脂肪や内臓脂肪の燃焼を促進させましょう。

すると内臓の働きが正常になるので栄養が各細胞に届きやすくなり、体質がどんどん改善されていきます。
そうなるとお肌も若返って、5歳10歳若見えということも夢ではありませんよ。

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