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意外と知らない中性脂肪・皮下脂肪・内臓脂肪の違い~正しい理解で適切な対策を

脂肪の増加を防ぐ食事と生活習慣のポイントとは?

いつの間にか”ぽてっ”とついているお肉。
これって「お肉」「贅肉」と言っていますが、実際には何なのでしょうか。
別の言い方で「中性脂肪」「皮下脂肪」「内臓脂肪」という表現もありますが、その違い、知っていますか?

これらの違いを良く知って、それぞれに合わせた対策を取りましょう。

『贅肉=脂肪』だけじゃない!脂肪の基礎知識

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「贅肉」は、実は医学用語ではなく、明確な定義がありません。
一説によると、贅肉という言葉が使われ出したのは昭和に入ってからで、肉類が一般社会に広く出回ってからだと言われています。

それまでの日本人はタンパク質源には魚や豆類を摂っており、太ることもあまりありませんでした。
ところが欧米から肉が入り込み、それ以降日本人の体型も変化して肥満者が増えてきたことから、それが肉食に関係がある、つまり贅沢な肉が身体についた、という意味で「贅肉」と表現されるようになったのではないか、とされています。

そのため「身体に必要以上についた脂肪」を指すという説もあれば、「脂肪や肉」を指すという説もあります。
現在は「身体に必要以上についた脂肪や肉」というのが一般的になっていますが、辞書によって以前は「柔らかく太くなった筋肉」としていたものが、最近になって「脂肪や肉」に訂正したものもあります。

では、脂肪とは何でしょうか。
栄養素の一つである「脂質」も脂肪ですし、身体についた余分な中性脂肪や皮下脂肪、内臓脂肪も脂肪と呼ばれますが、これらには違いがあります。

脂肪は、大きく分けて外から摂取したもの(脂質)と、体内に存在する脂肪(中性脂肪・皮下脂肪・内臓脂肪)の2種類あります。

脂質には、サラダ油やゴマ油、魚の脂のように常温で液体のものと、バター、ラード、マーガリン、肉の脂身のように固体のものがあります。
常温で固体のものの多くは飽和脂肪酸で、身体に入っても流動性が少ないため、それが血中脂質の増加につながり心血管疾患を引き起こすとされています。

中性脂肪・皮下脂肪・内臓脂肪の特徴と役割

では、ここで中性脂肪・皮下脂肪・内臓脂肪の違いを説明しましょう。

中性脂肪

中性脂肪というとよく問題視されますが、そのものは身体のエネルギー源となる重要な成分です。
食べた糖質や脂質は消化吸収されてエネルギー源になりますが、消費されなかったものが肝臓で中性脂肪となり、予備のエネルギー源として備蓄されます。

そして運動など多くのエネルギーが必要な際、中性脂肪がグリセロールと脂肪酸に分離し血中に入り込み、エネルギー源となるのです。
また、体温の維持やホルモンバランスの調整のためにも使われています。

しかし、食べ過ぎや運動不足などで使われなかったグリセロールと脂肪酸は再度合体して中性脂肪となり、血中に留まってしまうのです。
そして、それが皮下に蓄積されれば皮下脂肪、内臓の周りに蓄積されれば内臓脂肪となります。

皮下や内臓に蓄積される前の中性脂肪は貯まりやすいもののすぐにエネルギー源として使うことができるため、「財布の中のお金」に例えられます。

皮下脂肪

中性脂肪が血中を流れ、それが脂肪細胞に蓄えられ皮下についたものが皮下脂肪です。
皮膚のすぐ下につくので掴むことができ、柔らかくぷよぷよしています。

皮下脂肪は女性につきやすいのですが、これは女性ホルモンの働きが大きいとされています。
女性ホルモンには妊娠しやすくしたり、妊娠時にお腹の赤ちゃんを守ったり、出産後は子宮の状態を早く元に戻して赤ちゃんを適切に育てられるよう、母体の健康を保つ働きがあります。

しかし、女性は男性に比べて筋肉が少ないため熱を生み出しにくく、しかも女性ホルモンは非常に繊細でバランスを崩しやすく、それに合わせて体温調節も狂いがちです。
これは、ホルモンや体温の調節をするのが同じ自律神経だからで、たとえばストレスで自律神経が乱れると生理が止まったり、体温調節がうまく出来なくなり風邪をひきやすくなったりするのです。

このように子宮の温度が下がりやすいため、熱を逃がさないように皮下脂肪がつきやすくなっているのです。

また、子宮を守ることが女性ホルモンにとって非常に大切な役割であることから、ホルモンが分泌されている限り皮下脂肪は落ちにくくなっています。
貯まる時はゆっくりですが、落ちにくいことから「定期預金」に例えられます。

内臓脂肪

中性脂肪が内臓の周りに蓄積されたものが、内臓脂肪です。
皮下より奥の内臓の周りにつくため掴むことができず、いわゆる太鼓腹タイプの脂肪のことを指します。
皮下脂肪と比較するとエネルギー源としての機能が高いため、つきやすいものの落ちやすいことから「普通預金」に例えられます。

皮下脂肪が女性ホルモンの影響を受けるのに対し、内臓脂肪は男性ホルモンの影響が強いという違いがあります。
そのため、内臓脂肪は男性のほうがつきやすいのです。

しかし、女性にも男性ホルモンはあり、しかも30代後半になると女性ホルモンの分泌量が減ってくるため男性ホルモンの働きが強くなり、40代以降は女性にも内臓脂肪がつきやすくなります。

なお、皮下脂肪と内臓脂肪の違いは、体型にも現れます。
皮下脂肪は下半身を中心につきやすいため「洋ナシ型」、内臓脂肪は内臓全体につきやすいため「リンゴ型」と呼ばれています。

脂肪が増え過ぎるとどうなる?危険な水準は?

どの脂肪もエネルギー源として、あるいは体温温存のために大切なものです。
しかし、増えすぎると健康被害を引き起こします。
これも一つずつ見ていきましょう。

中性脂肪

中性脂肪とセットで言われるのが、コレステロールです。
中性脂肪の本来の働きはエネルギー源ですが、コレステロールは細胞膜を構成し、胆汁酸やステロイドホルモンの材料となる脂肪成分で、役割が全く違います。

しかし、コレステロールは動物性脂質に含まれているため、中性脂肪が増えればコレステロールも増える傾向があります。
特に増えやすいのが悪玉コレステロール(LDL)で、血管壁に吸着して血管を細くしたり硬くしたりして、血行を悪くしてしまう作用があります。

この2つがメタボの原因となり、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクが非常に高まるのです。

日本動脈硬化学会では、中性脂肪とコレステロールの基準値を以下のように定めています。

単位:mg/dL

中性脂肪
(トリグリセリド)
悪玉コレステロール
(LDL)
善玉コレステロール
(HDL)
異常値 ~29
要注意値 ~29 ~59 30~39
基準値 30~149 60~119 40~119
要注意値 150~399 120~139
異常値 400 140 120

皮下脂肪

皮下脂肪にはコレステロール値を高くしたり、後述する内臓脂肪のような生理活性物質が分泌されたりすることがあまりないため、直接健康には影響しません。

しかし、あまり多くつくと腰や膝への負担が大きくなって腰痛や膝痛になったり、傷む部分をかばうために姿勢が歪んで他の部分にも負担がかかったりするなどのトラブルが起こりやすくなります。
また、身体を動かさなくなることから内臓の働きが低下し、様々な病気を誘発しやすくなるため、注意が必要です。

なお、皮下脂肪の基準値は一般的には使われておらず、次に説明する腹囲のサイズが目安となっています。

内臓脂肪

内臓脂肪には、動脈硬化を防ぐアディポネクチンや食欲を抑制するレプチンなどの生理活性物質が含まれています。

しかし内臓脂肪が増加すると、これらの代わりに血糖値や血圧を上げたり血栓を作りやすくしたりする物質が増えてしまいます。
そのため、内臓脂肪が増えるほど生活習慣病になりやすくなるのです。

内臓脂肪は身体の奥につくため、皮下脂肪ほど目立ちません。
そのため、食生活や生活習慣の乱れ、運動不足などでいつの間にか内臓脂肪が増えてメタボリックシンドロームになり、動脈硬化を起こして糖尿病や心疾患、脳疾患などを引き起こしてしまうのです。

皮下脂肪と内臓脂肪の多い少ないは、一般的に腹囲で判断しています。

基準値
男性 85.0センチ未満
女性 90.0センチ未満

腹囲とはウエストではなく、おへその周りのサイズのことをいいます。
女性のほうが5センチ多いのは、女性のほうが皮下脂肪が多いことから、その分としてプラスされているからです。

また、女性は男性に比べて内臓脂肪がつきにくいため、腹囲が90センチ以上の場合皮下脂肪がかなりついていると考えましょう。

脂肪の増加を防ぐ!食事と生活習慣のポイント

中性脂肪・皮下脂肪・内臓脂肪には違いがあるものの、これらの脂肪が貯まりやすい原因は同じです。
そこで、以下の点をチェックし、問題があれば少しずつでも改善していきましょう。

<食事>

・肉より魚、洋食より和食を中心に

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肉やベーコン、バターなど動物性脂肪は飽和脂肪酸が多く、中性脂肪が貯まる原因となります。
魚や大豆に含まれている脂肪は不飽和脂肪酸で蓄積されにくく、しかも青魚のDHAやEPAには中性脂肪を減らす働きがあるといわれています。

さらに、食物繊維には脂肪を抱き込んで排出させる働きがあるので、野菜が多い和食がお勧めです。
和食が苦手という場合は、温野菜や根野菜を多めに食べて食物繊維を摂りましょう。

・糖質は控えめに、玄米や全粒粉パンを

糖質は効率の良いエネルギー源ではありますが、摂り過ぎて消費されなかった分は中性脂肪に変化してしまいます。

特に白米や精製された小麦粉は食物繊維が取り去られているため、できれば玄米や全粒粉で作ったパンなどを主食にしましょう。
また、ジャンクフードやスイーツには炭水化物、砂糖、脂質が大量に使われているので、低糖質なものを選ぶなどの工夫をしましょう。

・果物の果糖も中性脂肪になりやすい

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果物には食物繊維やビタミンが豊富なものもありますが、含まれる果糖は中性脂肪に合成されやすいため、あまりお勧めできません。
食べる場合はグレープフルーツやアボカド、パイナップル、みかん、いちごなど比較的果糖が少ないものを少量にしましょう。

・お酒は中性脂肪分解酵素を破壊する

お酒自体はエンプティカロリーといわれ、カロリーが体内に貯まらないとされています。
しかし、その前後に食べる食物のカロリーは消費されにくくなるため、脂肪として蓄積されやすくなります。

また、アルコールは中性脂肪を分解するリパーゼという酵素の働きを阻害するため、ますます太りやすくなってしまうのです。
これはアルコールの種類の違いに関わらず起こるので、できるだけ量を減らすようにしましょう。

・夜食はNG!夕食も控えめに

食事はできるだけ代謝が盛んな時にするべきです。
代謝が盛んであれば食べたものがエネルギーに変換されやすいため、脂肪になりにくいのです。

代謝が良い時間帯は交感神経が活発な時間と重なり、朝日が昇る時間から18時頃までといわれています。
それ以降、特に22時を過ぎると代謝率が非常に下がるため、できるだけ夕食は早めに摂り、夜食は止めましょう。

<生活習慣>

・筋トレと有酸素運動で脂肪を燃焼しやすい身体に

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一般的に、内臓脂肪は有酸素運動、皮下脂肪は筋トレ+有酸素運動が良いといわれています。
この違いは、内臓脂肪のほうが落ちやすいからです。

しかし、有酸素運動だけだと筋肉が落ちやすく基礎代謝が減ってしまうため、脂肪が燃焼されにくくなってしまいます。
そのため、どんな脂肪でも筋トレと有酸素運動の両方を行なうことをお勧めします。

とはいえ、これまで運動をしてこなかったという場合は、最初に筋肉を柔らかくするためにも有酸素運動から始めましょう。

最初の20分は血中の糖分のほうが燃えやすく、それ以降は脂肪中心に燃焼されます。
しかし、たとえ10分でも脂肪も燃えていますから、無理のない範囲でウォーキングやジョギング、サイクリングなどを毎日の生活に組み込むようにしましょう。
理想としては、毎日30分程度運動ができると良いですね。

・質の良い睡眠をたっぷり取る

睡眠中は成長ホルモンが分泌されるのですが、このホルモンに脂肪分解作用があることがわかりました。
しかし、成長ホルモンがたっぷり分泌されるのは熟睡中のみ、しかも入眠後30分~3時間の間といわれています。

布団に入ってすぐ眠りにつけるようにするには、できるだけ脳を興奮させないことが大切です。
寝る直前までパソコンやスマホをいじっていると脳が覚醒して睡眠の質が悪くなってしまうため、睡眠の2時間前には使用を止めましょう。

湯船にゆったり浸かると副交感神経が活性化し、心身がリラックスして良い睡眠を取れるので、毎日は無理でも週2~3回は40℃前後のお湯に15分程度浸かることをお勧めします。

・ストレスを貯めないようにする

ストレスは脳を興奮状態にさせるため、睡眠の質が悪くなって成長ホルモンの分泌量が減ってしまいます。

また、脳はストレスから逃げるために、甘いものを食べるよう指令を出します。
甘味にはエンドルフィンやセロトニンを分泌させる働きがあり、これらには快感を与えたり精神を落ち着かせたりする働きがあるからです。

甘いものの食べ過ぎは中性脂肪を増やす原因となるため、ストレスを貯めないことが大切です。

まとめ~脂肪の増え過ぎが気になってきたら

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中性脂肪を下げるということで、最近トクホのお茶が人気です。
それなりの効果は充分期待できるものの、すでにたっぷり皮下脂肪や内臓脂肪がついてしまっている場合は、あまり効果は期待できないかもしれません。

そもそも、これまでにもコーヒーや緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、プーアール茶などに中性脂肪を下げる効果があるといわれてきましたが、毎日飲んでいる人は全員中性脂肪が低いかといえば、そんなことはありませんよね。

そこで、多少お金がかかっても良いから脂肪の燃焼を促進させたい、と思う方には漢方薬をお勧めします。
漢方薬は何より体質を重視し、それに合わせた処方で健康体を作り上げていくため、より高い効果が期待できるのです。

考えてみれば、脂肪がつく原因は人によって違いますよね。
食べるのが大好きで暴飲暴食してしまったという人もいれば、ストレスを紛らわすために甘いものが手放せないという人もいます。

胃弱で脂肪を燃焼する機能が低下している人もいれば、冷え性で脂肪がお腹周りに貯まってしまう人もいます。
そんな様々な原因を無視して食事や運動をしても、代謝機能がアップするどころか下がってしまうかもしれません。

お茶に関していうと、筆者は台湾人の知人からこんなことを言われたことがあります。
「日本人はウーロン茶を飲み過ぎる。あれは食事の時に飲むもので、飲み過ぎると胃を荒らして大変なことになる」と。

脂肪を落とす効果があるものだからこそ、胃が空の時に飲むと刺激が強すぎて胃腸を傷つけてしまい、代謝力も落ちてしまう危険性があるのですね。

その点、漢方薬なら胃腸の弱い人用の処方もありますから、負担をかけずに脂肪を燃焼しやすくする身体に変わっていけるのです。

脂肪を落とす効果が期待できるものには「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」「大柴胡湯(だいさいことう)」「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」などがあり、脂肪を貯まりやすくする原因や体質の違いを考えた処方になっています。

食事の見直しや運動がなかなかできないという人は、漢方薬を試してみるのも良いのではないでしょうか。

ただし、漢方薬は自分の体質に合わないものを使用すると、全く効果が出ないことがあります。
また、医薬品ですから副作用の危険もあります。
必ず漢方薬の知識がある薬剤師や専門家に相談して、購入してくださいね。

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