1. 防風通聖散について
  2. 飲むだけで痩せる!?脂肪が落ちる!?『防風通聖散』の評判は本当に信用できるの?

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飲むだけで痩せる!?脂肪が落ちる!?『防風通聖散』の評判は本当に信用できるの?

防風通聖散の実際の使用者による評判についてご紹介!

脂肪を落とす効果のある漢方薬が、ダイエットに悩む人の間で注目されています。テレビのコマーシャルなどで見たことがある人も多いので者ないでしょうか?

でも、「薬を飲んで痩せるなんて危なくないの?」「漢方薬で脂肪が減るなんて本当?」と、疑問や不安に思っている人も少なくないと思います。
知識を得ておくことは、ヘルスケアや健康なダイエットのために大切。「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」についてまとめました。

テレビCMで評判に?! 防風通聖散という漢方薬

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「防風通聖散」は、体力が比較的充実した体質(漢方でいう「実証」タイプ)で、腹部の皮下脂肪が多く、便秘がちな人などに用いられている漢方薬です。

通常は、腹部の皮下脂肪が多く、肥満傾向の人の便秘、むくみ、などを改善するための薬です。
また、高血圧にともなう動悸、肩こり、のぼせなどの治療に用いられます。

「防風通聖散」は、黄芩(おうごん)、滑石(かっせき)、甘草(かんぞう)、桔梗(ききよう)、荊芥(けいがい)、山梔子(さんしし)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)、石膏(せっこう)、川芎(せんきゅう)、大黄(だいおう)、当帰(とうき)、薄荷(はっか)、白朮(びゃくじゅつ)、芒硝(ぼうしょう)、防風(ぼうふう)、麻黄(まおう)、連翹(れんぎょう)などの18種類の生薬から有効成分を抽出して作られています。

「防風通聖散」は、それぞれの生薬が発汗、便通、清熱(熱を鎮める)、利尿に効果を発揮し、体のバランスを整えます。
体内の気・血・水を巡らせ、体から余分な水を排出して、体内にこもった余分な熱をとる処方です。

実際の使用者による評判は!? 効く人、効かない人の違い

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周囲の人たちで、「防風通聖散」を飲んだことがある人に、感想を聞いてみました。

「テレビCMで見て痩せられるならと、薬局で買いました。1日3回飲んだら、腹痛がして下痢気味になりトイレが大変でした。なので、1日1回にしましたが、やはりお腹が痛くなり、私には合わないなと思い、結局やめました。痩せることもなく、残念です」

「更年期で体重が増えてきて、また便秘もあるので、それを改善したくて、防風通聖散をドラッグストアで購入。約1か月間服用してみました。便秘は全く改善されず、いつもの便秘薬(酸化マグネシウム剤)も併用して飲みました。でも、1か月で体重は2㎏減りましたが、またすぐ戻りました」

「飲み始めて3か月間で、約3㎏体重が減りました。でも、1か月で2kgリバウンドしました。特に食事や運動を変えたわけではありません。便秘があったのですが、飲み始めた当初、少し便通が緩めになり、2か月くらいで普通の便通になりました。お通じは改善しました」

このように、何人かに感想を聞いてみたところでは、男性に多い「固太り型」の肥満の人で、体力がある、いわゆる太鼓腹の人に、「防風通聖散」の効果が少し感じられたようです。
逆に、女性に比較的多い色白で汗かきで、疲れやすい「水太り型」の人には、あまり体重減少効果は感じられなかったようです。

体力があって、便秘がちな人によく使われる「防風通聖散」は、皮下脂肪だけでなく、内臓脂肪を燃やし、生活習慣病を防ぐとともに、基礎代謝をアップし消費エネルギー量を増やして、やせることを助ける働きがあるからでしょう。

体質的に合わない人は、使わない方がいいかも

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「防風通聖散」などの漢方薬は、医師が処方する医療用漢方薬以外に、薬局やドラッグストアで売られている一般用医薬品(OTC製剤)があります。
医師処方の医療用漢方薬だけでなく、薬局で売られる一般用医薬品(OTC)も、薬ですから副作用はあります。

CMなどを見て、ダイエット目的で購入する人も少なくないようですが、「防風通聖散」が合うタイプ(証)ではない人が服用すると、副作用が出やすい人が購入者の3割弱いる、また医療用漢方薬よりも生薬の含有量の少ないOTC製剤でも副作用は同様にある、という報告も出ています。([漢方ニュース] 2017/11/01)([漢方ニュース] 2017/11/02)

「防風通聖散」のおもな副作用としては、「発疹、かゆみ、不眠、発汗過多、頻脈、どうき、興奮する、食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、軟便、下痢、排尿障害」などが報告されています。
このような症状が起こったら、医師または薬剤師に相談しましょう。

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また、まれにですが、下記のような症状が現れることがあり、[ ]の病気の副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、すぐに使用を中止して、医師の診療を受けましょう。

・発熱、から咳、息切れ、呼吸困難  [間質性肺炎]
・尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる [偽アルドステロン症]
・体がだるくて手足に力が入らない、手足がひきつる、手足がしびれる  [ミオパチー]
・体がだるい、皮膚や白目が黄色くなる  [肝機能障害、黄疸]
・腹痛・下痢・便秘・腹部膨満などを繰り返す  [腸間膜静脈硬化症]

ここにあげたもの以外でも、気になる症状が起こったら、医師または薬剤師にすぐに相談することが重要です。

「防風通聖散」は、一般用医薬品(OTC)としても売られているときには、「防風通聖散」ではない、異なる商品名がつけられている場合もあります。

また、一般用医薬品(OTC)の生薬の含有量は、医療用漢方薬の2/3量、1/2量、同量などさまざま。
初めてのお薬を飲む場合は、できれば薬局、ドラッグストアの薬剤師さんに相談して購入することが大切だと思います。

一時的な減量ではなく、体質改善を目的に

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一方、「防風通聖散」の研究では、肥満症の患者さんに、「防風通聖散」を3か月投与したところ、体重、ウエスト径、内臓脂肪面積、皮下脂肪面積がいずれも有意に減少したという結果*もあります。

*「防風通聖散が肥満患者に与える影響」岩﨑誠 (大阪回生病院検診センター2008年10月)

医療現場では、「防風通聖散」を高血圧や糖尿病などを発症しやすい素因をもっている患者さんに対する肥満治療薬としても使われています。
「防風通聖散」の抗肥満効果の作用機序としては、褐色脂肪細胞の熱産生の増加と、白色脂肪細胞の脂肪分解が報告されています。

これは、「防風通聖散」に含まれている生薬である「麻黄(まおう)」に含まれているエフェドリンの交感神経刺激作用と、同じく生薬として含まれている「甘草(かんぞう)」、「荊芥(けいがい)」、「連翹(れんぎょう)」に含まれているホスホジエステラーゼ阻害作用が複雑に絡み合って、脂質代謝を活性化させていると考えられています。

「防風通聖散」はこのように、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちの人などに、通常、高血圧の随伴症状(動悸、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘などの治療に用いられている薬です。

病気の治療として使われている薬ですので、「防風通聖散」を単なる痩せる漢方薬として服用するのではなく、最初に試してみるときには、自分に合う薬かどうかを薬剤師や医師に相談して服用することが大切です。

ほかのお薬などを使っている場合は、お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意して、薬剤師に相談してください。

「防風通聖散」は一時的に脂肪を減らすというより、肥満体質を生活習慣も含めて改善することを目的にして使いましょう。

肥満改善は、漢方薬だけに頼るのではなく、バランスのとれた食事と適度な運動、規則正しい生活が重要です。
漢方薬はあくまで、生活習慣の改善をサポートするものと考えましょう。

 

 

増田美加
ナビゲーター
増田 美加/女性医療ジャーナリスト

女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。
公式ホームページ http://office-mikamasuda.com/

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