1. 防風通聖散について
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【防風通聖散】のサプリとの違いと、漢方薬の効果を得やすい3つの理由

一般的なダイエットサプリや民間薬との違いについて解説!

肥満症と便秘症への効果が謳われている漢方薬「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」。
薬局やドラッグストアで購入できる一般用漢方薬もたくさん販売されています。

でも、同じくドラッグストアで販売しているダイエットサプリとはどう違うのでしょうか?
漢方薬の「防風通聖散」にはどのような効果を期待できるのか、とともにお伝えします。

メタボ治療に代表的な漢方薬「防風通聖散」

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薬局、ドラッグストアで市販されている「防風通聖散」の効果・効能は、“お通じが悪い、脂肪太りの方に”と謳われています。
具体的には、1.便秘がちの人 、2 .肥満症の人、3.吹き出物に悩む人で、体力が充実していて、腹部に皮下脂肪が多いタイプで、これらの症状改善のためにとされています。

また、そのほか、期待される効果・効能として、高血圧にともなう動悸・肩こり・のぼせ、肥満症、むくみ、副鼻腔炎(蓄膿症)、湿疹・皮膚炎、吹き出物(にきび)などもあります。

「防風通聖散」に含まれている生薬の代表的な効果は、主に3つあります。

①代謝を低下させ、太りやすくする細胞を小さくする働きがあります。
②エネルギー消費を促進することで、脂肪を燃焼しやすくします。
③脂肪燃焼に加えて、体内の水分循環をよくして、余分な水分や老廃物を便や尿として排出する働きをもっています。

一般的なダイエットサプリや民間薬とは違うの?

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では薬局、ドラッグストアで売られているダイエットサプリメントと漢方薬「防風通聖散」は、どこが違うのでしょうか?

漢方薬は、自然界にある植物や鉱物などの生薬を複数組み合わせてつくられた薬です。
何千年という長い年月をかけて行われてきた治療によって、どの生薬を組み合わせるとどんな効果が得られるか、また有害な副作用がないかなどが確かめられて、現在の漢方処方薬として体系化されています。

現在の漢方薬も、「自然の恵みを利用してできている薬」という基本的な部分は変わりませんが、さらに、最新技術を駆使した「漢方製剤」として、生薬の持つ薬効を引き出して、服用・保存しやすい状態に加工されたものになっています。

病院で処方される漢方薬の多くは、健康保険が適用される「医療用漢方薬(製剤)」で、148処方が厚生労働省に承認されています(2015年2月現在)。

サプリメントは食品。民間薬には医学的な証拠はなし

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一方、サプリメントは、栄養補助食品という名前のとおり、食品のひとつです。
健康食品も同じで食品です。
ですから、病気や症状が治るという効果効能は謳えません

しかしながら、最近ではサプリメントの中の一部に、効果効能を謳える「機能性食品・特定保健用食品」が登場しています。
これらは効果効能を謳えることになっていますが、あくまでも「食品」。医薬品と同等の効果効能は、期待できません。

また、民間薬というものもあります。
ゲンノショウコ、センブリといった、昔から経験的に使われてきて、おもに一種類の薬草からなるものを民間薬といいます。
先人から受け継がれてきて、その土地に古くから根づいている生活の知恵です。

健康増進や家庭で改善できる程度の症状改善が目的で用いられてきたものです。
使い方や効果効能にも、医学的な証拠や背景はありません。

漢方薬は、原則として2種類以上の生薬を、決められた分量で組み合わせてつくられたものです。
漢方医学に基づいて、用いる条件も細かく定められており、治療効果のある医薬品として正式に認められたものが漢方薬です。

漢方薬がおすすめな5つの理由

漢方薬が、日本に中国から医学が伝わったのは、5~6世紀以降です。
そのときに、多くの漢方処方薬や生薬、医学の本が日本に持ち込まれました。

室町時代までは、中国医学に沿った医療(診断や治療)が行われていましたが、特に江戸時代からは、日本で独自の発展を遂げていきます。

日本の風土や気候、日本人の体質や生活スタイルに合った医学に進化、確立していきました。
そのため、現代医療で用いられている漢方医学や漢方薬は、日本の伝統医学として守られて、発展していった「日本独自の医学」なのです。

漢方医学(漢方薬)の特徴には、

① 自然科学的で伝統的医学である。先人の治療経験の集積がある。
② 心と体を一体としてみる。病気だけを診るのでなく、心と体全体の調和を大切にする。
③ ひとりひとりの体質を重視しながら、症状を診る。そのため、西洋医学で原因が特定できないものや病気になる前の未病で治療できる。
④ 天然の材料がベースとなった生薬を組み合わせた漢方薬を使う。
⑤ひとつの漢方薬には複数の生薬が含まれているため、複数の症状にも効果が期待できる。

漢方が得意とする症状や不調と西洋薬との違いとは…

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漢方薬には、得意分野があります。
それは、下記のような体質を改善したり、西洋医学では病気と診断できない症状を改善することです。
また、女性に多い不調も漢方薬は得意です。

・虚弱体質
・腰痛や忘れっぽいなどの加齢や老化で起こる症状
・胃もたれや食欲不振、便秘などの胃腸の病気
・イライラ、不眠、うつなどの精神的な症状
・生理にまつわる不調や更年期障害などの女性特有の不調
・アレルギー疾患
・慢性の病気や冷え症

もちろん、西洋医学や西洋薬にも得意分野があります。
おもな特徴を下記にあげます。

① 実証的かつ科学的であること。科学的証拠に基づいて客観的に分析されている。
② 器官や臓器を中心に病気に対してピンポイントで治療する。
③ 医学的証拠(エビデンス)に基づいて、診断(病名を決定)して、標準化された治療法を用いる。
④ 治療には、科学的根拠のある薬物を用いた西洋薬を使う。

西洋医学では、たとえば、血圧を下げる、細菌を殺す、精度の高い検査をするなどが得意です。

一方、漢方医学は、西洋医学では対応しにくい病気になる前の不調や原因のわからない不調、検査では表れにくい不調は、漢方医学が得意です。
西洋医学と漢方医学を組み合わせて行うことで、治療の幅が広がり、私たち患者にはメリットが大きいと考えられます。

医師が日常的な診療で漢方薬を使う場合も増えていますし、実際に西洋医学と東洋医学を併用することで、有効なケースが数多く報告されるようになっています。
今では、漢方薬を使用している医師は、約8割にものぼっています。

「防風通聖散」に配合されている生薬情報

では、漢方薬の「防風通聖散」は、どのような生薬が配合されているのでしょうか?

防風通聖散には、18種類の生薬が配合されています。
防風通聖散に含まれる生薬は、

・黄芩(おうごん)
・甘草(かんぞう)
・桔梗(ききょう)
・石膏(せっこう)
・白朮(びゃくじゅつ)
・大黄(だいおう)
・荊芥(けいがい)
・山梔子(さんしし)
・芍薬(しゃくやく)
・川芎(せんきゅう)
・当帰(とうき)
・薄荷(はっか)
・防風(ぼうふう)
・麻黄(まおう)
・連翹(れんぎょう)
・生姜(しょうきょう)
・滑石(かっせき)
・芒硝(ぼうしょう)

です。

これらの生薬は、組み合わさることで、おもにお腹周りの脂肪や肥満症に効果がある成分です。
作用別におもな生薬の働きを整理しました。

①汗を出させる発汗作用のある生薬

生姜(しょうきょう)、麻黄(まおう)など。

②便を出させる便通作用のある生薬

芒硝(ぼうしょう)、大黄(だいおう)など。

③熱を冷まさせる清熱作用のある生薬

石膏(せっこう)、黄芩(おうごん)など。

④尿を出させる利尿作用のある生薬

白朮(びゃくじゅつ)、滑石(かっせき)など。

市販の「防風通聖散」を選ぶには

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「防風通聖散」は、医療用漢方薬(製剤)として、厚生労働省から認可を受けた医療用医薬品ですが、薬局やドラッグストアなどで購入できる市販薬もあります。

「防風通聖散」は保険適用されている漢方薬のひとつなので、病院やクリニックを受診することで健康保険が使えます。
医療機関でこれらの漢方薬を処方してもらうときは、原則1~3割の患者負担ですみます(負担割合は年齢や健康保険の種類によって異なります)。

ただし、健康保険を使わない自由診療で診察している医療施設では、漢方薬も健康保険が使えず、全額、患者負担です。
薬局やドラッグストアで購入する市販の「防風通聖散」も健康保険は使えません。

市販の「防風通聖散」は、その商品によって生薬の量が異なります。
医療用漢方薬と同様に、定められた生薬の量を100%使ったものを満量処方と言います。

一方で、生薬の量を半分に減らして、価格を安く購入しやすくした1/2処方、2/3処方などもあります。
漢方薬本来の効果を実感したい場合は、満量処方のほうがよいでしょう。

薬の形状は、顆粒タイプや錠剤タイプがありますが、いずれも理想的なタイミングで吸収されるよう工夫され開発されています。
使い勝手の良いものを選ぶとよいでしょう。

体質によって効果の違いや副作用があります

「防風通聖散」は、特に肥満症で便秘がちな人によく用いられる漢方薬です。
代謝作用、利尿作用、便通改善などの働きによって、肥満症、便秘、肩こり、むくみなどに効果を表します。
内臓脂肪を燃焼させ、肥満を解消しやすい体質を作るのにも有効なお薬と言われています。

「防風通聖散」が合うタイプの人は、

・お腹周りの脂肪が多い人
・高血圧や肥満にともなったむくみや肩こりがある人
・便秘がちで、代謝があまりよくない人
・体力があって、暑がりの人

「防風通聖散」の効果を得やすい人は、肥満でも筋肉質でがっちりした内臓脂肪タイプの「固太り」の肥満の人です。

男性に多く、体力が充実していて、便秘でおへそを中心に固くて膨れた、いわゆる太鼓腹の人に用います。
防風通聖散は、体力のある「実証(じっしょう)」タイプの漢方薬です。

逆に、体力のない「虚証(虚証)」タイプで、下痢しやすい人、胃腸の弱い人、食欲不振の人などが使うと、効果がないばかりでなく、副作用を起こす可能性もあります。
女性に多く、下腹部やヒップ、太ももなどの下半身が太る皮下脂肪タイプの「水太り型」には、「防風通聖散」は適しません。

「防風通聖散」の効果を最大限に得て安全に使うためには、医師や薬剤師に相談して選ぶことが大切です。
 

増田美加
ライタープロフィール
増田美加(mika masuda)
女性医療ジャーナリスト

女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。
公式ホームページ http://office-mikamasuda.com/

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