1. 防風通聖散について
  2. 脂肪燃焼を促進!?肥満症を改善!?人気沸騰中の漢方ダイエットの理想と現実

出典:https://www.photo-ac.com

脂肪燃焼を促進!?肥満症を改善!?人気沸騰中の漢方ダイエットの理想と現実

漢方薬は「飲むだけで痩せる」魔法の薬!?

炭水化物や糖質などの食事制限ダイエットや、「バナナダイエット」といった1つの食材を摂取するダイエットがブームになる中で、漢方を使用したダイエットが話題となっています。皆さんも「生薬のちからで脂肪燃焼」といったテレビコマーシャルを目にする機会、ありませんか?
「漢方に脂肪燃焼効果が本当にあるのか」「漢方を飲むだけで痩せるのか」と半信半疑の方も多いと思いますので、今回は漢方ダイエットの火付け役となった「防風通聖散(ぼうふうつうせいさん)」の効果や、口コミ、注意点などをお伝えしたいと思います。

「防風通聖散」には18種類の生薬が配合されており、医学的にも脂肪燃焼効果があると認められている漢方です。「防風通聖散」には主に下記のような作用があります。

・基礎代謝を高めて発汗や血行を促進させる作用
・脂肪細胞を活性化させ、お腹まわりの脂肪燃焼を促進させる作用
・食事によって体内に取り込まれた脂質の吸収を抑制する作用
・便秘を解消する作用、また脂質を便と一緒に押し出す作用
・排尿を促進させる作用
・食欲増進ホルモン(グレリン)の分泌を抑制する作用

つまり「防風通聖散」を服用すると、細胞の活性化による脂肪燃焼や脂質吸収抑制作用に加え、不要な脂質を便や尿として排出することにより、ダイエット効果が期待できるというメカニズムのようです。
果たして「飲むだけで痩せる」のか、実際に服用した人の口コミを見てみましょう。

ネットには「全然痩せない!」という多くの口コミ

・食事制限をなしで約半年飲んで20キロ近く減った。
・医師から非常に効果があると勧められて飲んだら、苦も無く5キロ以上減った
・トイレに行く回数が増え、順調に減った
・便通が良くなり、1日3回は出るようになった

などと、「効果があった」という意見がある一方で、

・病院で処方されて数年前から飲んでいるが、利尿効果くらいしかない
・下痢を起こすほどだったが、皮下脂肪やむくみは改善されなかった
・副作用はなかったが、何も変化がなく、臭くて飲みにくかった
・元々快便だったがかなりの下痢を起こすようになり、極度の冷え性になってしまった
・便秘がひどくなり、気分が悪くなることも多かった
・飲んでいるうちに生理の周期が狂ってきた
・3ヶ月ほど飲んだらじんましんが出るようになった

など、「痩せない」「体調を崩した」などの意見もあり、まさに賛否両論といえます。

中には体調を崩す人も~注意すべき副作用リスク

「防風通聖散」を飲んで体調を崩したのは、漢方自体に問題があるわけではありません。漢方には体にやさしく安心・安全なイメージがありますが、あくまで漢方も「医薬品」であり、副作用があらわれる可能性はあります。
漢方は生薬と呼ばれる自然由来で無加工の植物・鉱物などを2種類以上組み合わせて作られており、生薬の中には過剰に摂取すると体調不良を引き起こしてしまうものも含まれています。

例えば、「防風通聖散」には甘草という生薬が含まれていますが、甘草を過剰摂取すると血圧を上昇させるホルモン(アルドステロン)が増加していないにも関わらず、高血圧、体のむくみ、血液内のカリウム値が低くなるなどの症状が出る、「偽アルドステロン症」を引き起こす可能性があります。筋肉痛、尿量が減少する、まぶたが重くなる、手がこわばる等の症状があらわれた場合は「偽アルドステロン症」の疑いがありますので、すぐに服用を中止して、医療機関を受診しましょう。
その他、漢方のみ初めに多いマイナートラブルとしては、食欲不振・胃部不快感・下痢・便秘などの胃腸症状や、頭痛やめまい・ほてりなどの精神症状が挙げられます。ここに挙げられる症状以外にも気になる症状があれば、医師または薬剤師にすぐ相談することが重要です。

最近では薬局やインターネット通販などでも気軽に漢方を購入することができますが、効能・効果だけ見て購入するのは危険です。体調を崩したり、持病が悪化するなどの副作用があらわれる可能性がありますので、必ず使用上の注意を確認した上で服用しましょう。

下記に該当する人は服用する前に、必ず医師または薬剤師に相談してください。

(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦、または妊娠していると思われる人。
(3)体の虚弱な人(体力が衰えている人、体の弱い人)。
(4)胃腸が弱く下痢しやすい人。
(5)発汗傾向の著しい人。
(6)高齢の人。
(7)今まで薬などで発疹・発赤、かゆみなどを起こしたことがある人。
(8)むくみ、排尿困難などの症状がある人。
(9)高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害の診断を受けた人。

効果を早く実感したいからといって、他の薬やサプリメントとの安易な併用も副作用を引き起こす原因となります。肝機能障害改善を目的に漢方と西洋薬を併用したことが原因で、間質性肺炎を発症し死亡に至ったケースもありますので、漢方も「医薬品」であることを忘れず、用法・容量を守って正しく服用しましょう。

漢方薬は使う人(効果が得られる人)を選ぶ薬

漢方ダイエットをはじめるにあたって、より効果を実感するためには、自分の体質や症状に合った漢方を見つけることが重要です。
体質を見極めるために、漢方医学では「証(しょう)」と呼ばれる漢方医学的診断基準に当てはめて分類し、個々の「証」に合った漢方を処方します。「証」とは、その人の体質・体力・抵抗力などの個人差を、本人が訴える症状や体格などの要素をもとに判別する、漢方医学独自のものさしです。ダイエットを目的として同じ漢方を服用したとしても、効果が出る人・出ない人がいるのは「証」が異なるためといえます。
「証」は大きく「実証(じっしょう)」と「虚証(きょしょう)」に分類されます。「実証」タイプは体力や抵抗力が充実しており、暑がり、胃腸が強く便秘ぎみ、内臓脂肪が多く腹部が張り出しているといった特徴があります。男性に多い「固太り型」が該当するといえるでしょう。「虚証」タイプは体力がなく弱々しい、細くて華奢、寒がり、胃腸が弱く下痢しやすいといった特徴が挙げられます。女性に多い「水太り型」は「虚証」タイプです。

「防風通聖散」の効能・効果は「体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘~」と書かれており、効能・効果からも「実証」タイプに効く漢方といえます。「実証」タイプが「防風通聖散」を服用すると、肩こりやのぼせ、便秘などが改善され、脂肪が燃焼しやすい体質づくりとダイエット効果を期待することができます。逆に「虚証」タイプが「防風通聖散」を服用すると、効果があらわれなかった、下痢や冷え性の悪化など体調を崩す原因になる可能性がありますので、漢方ダイエットにおいて「証」に合った漢方を見つけることが重要です。

もうひとつ漢方医学の考え方として「気・血・水(き・けつ・すい)」というものがあります。人体は「気・血・水」の3要素が体を循環することによって維持されており、この3つの要素が偏ったり滞ったりすると不調や病気が起こると考えられています。

要 素 説 明
体のエネルギー源である。体の各機能を動かすことによって、血液や水分の流れをスムーズにし、新陳代謝を促す働きがある。
のぼせ、疲れやすい、ストレス・不安をより感じやすくなるなど、精神的、神経的な不調に関わる。
血液のこと。健康を維持するために全身に栄養を運び、老廃物を回収する。
「血」の循環が悪くなると、のぼせやほてり、頭痛、眩暈、手足の冷えなどの症状に繋がる。

(津液/しんえき)
唾液、汗、尿、消化液など血液以外の体液。体全体を潤し、体内を循環して体温調節や関節の働きをなめらかにする。
むくみ、手足の冷え、胃腸の不調、排尿異常などの不調に関わる。

例えば、女性に多い「冷え性」。同じ「冷え性」でも、手足が冷えるのか、足腰が冷えるのか、足は冷えるのに顔はのぼせるのかで、適する漢方は異なります。
手足が冷えるタイプは「気・血・水」のバランスが、「水滞(余計な水分が体に溜まっている)」、「血虚(血が不足している)」状態であるため、「水」の巡りを良くし、「血」を補う生薬が配合された漢方が効きます。足が冷え、顔がのぼせるタイプは「瘀血/おけつ(血が溜まっている)」状態であり、「血」の巡りを良くする漢方で効果が期待できます。

西洋医学では症状や検査結果に基づいて病名を診断し薬が処方されますが、漢方医学では個々の症状や体質に合わせて処方されるという点で大きな違いがあります。漢方専門医は診察時に、にきびの治療で腹診をしたり、冷えの治療で月経(生理)について確認するなど、一見治療とは関係のないことをヒアリングすることがあります。それは、その人の体質を見極め、体質にあった漢方を処方するために必要な診察なのです。

自分に合った漢方薬の選び方と正しい使い方

漢方ダイエットが初めてという人は、まずは医師や薬剤師に相談し、自分の症状や体質に合った漢方を処方してもらうことをおすすめいたします。漢方専門医であれば、舌診・脈診・腹診などの診察に基づいて、「証」に合った漢方を処方してくれます。最近では漢方ダイエット外来などもあり、保険適用で漢方を処方してくれる医療機関も多数ありますので、一度相談に行ってみましょう。

また、漢方はサプリメントではなく、医薬品です。過剰摂取などの誤った服用は、体調不良や副作用を引き起こす原因となります。必ず用法・容量を守って服用してください。服用をはじめてから体調不良が続く場合は、早めに医師または薬剤師に相談しましょう。

体質にあった漢方を服用することで、脂肪を燃焼しやすい体質作りやダイエット効果が期待できます。まずは症状や体質を医師や薬剤師に相談し、自分の体に合う漢方を選んでみることが、あなたの漢方ダイエットの第一歩になるはずです。

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