1. 防風通聖散について
  2. 防風通聖散が効く人、効かない人、口コミがあてにならないのはなぜ?

miteiru-muiteinai

防風通聖散が効く人、効かない人、口コミがあてにならないのはなぜ?

「防風通聖散」の正しい選び方と賢い入手方法について解説!

「防風通聖散」(ぼうふうつうしょうさん)は、漢方の古典にも古くから記載されている医薬品の漢方薬で、18種類の生薬が配合されています。
代謝を促して、いらない水分を排出し、腹部周りの脂肪を落とす漢方薬として、「メタボをなんとかしたい」という人に注目が集まっています。

防風通聖散が効く人、効かない人、漢方薬では口コミが意外と参考にならない理由についてお伝えします。

続々種類が増えている「防風通聖散」

fueteiru

メタボ解消の機運が高まる中、薬局、ドラッグストアで一般用漢方薬として売られている「防風通聖散」の種類も増えています。

「防風通聖散」の働きとしては、脂肪を分解し、燃焼する作用があります。
防風通聖散に含まれる山梔子(サンシシ)、大黄(ダイオウ)、麻黄(マオウ)などの生薬に、白色脂肪細胞(代謝を低下させ太りやすくさせる細胞)を小さくする働きがあります。
また、エネルギー消費に関係する細胞の発現を促進することで、脂肪を燃焼しやすくしてくれます。

もうひとつの「防風通聖散」の特徴は、便通と利尿を促進することです。
脂肪燃焼に加えて、体内の水分循環を良くして、不要な水分や老廃物を便や尿として排出する働きがあるのです。

気になるのは、その効果ですが、「お通じがかなり良く改善した」「むくみがとれた」「ウエストがサイズダウンした」という一方で、「強すぎて下痢をしてしまった」「あまり効果を感じなかった」など、使用者の声は千差万別。

口コミを参考にする人が多いですが、漢方薬については口コミが意外と参考にならないことが多いのです。
その理由は、漢方薬のメカニズムにあります。

口コミが漢方薬の場合は、参考にならないわけ

sankou-naranai

漢方薬は、その人の体質や症状に合ったものでないと、十分に効果を発揮することができません。

その体質を見極めるためには、漢方特有の”ものさし”が必要で、西洋薬のものさしとは、ひと味もふた味も違うのです。

西洋薬では、症状や病気を診て、薬を処方します。
漢方薬も症状や病気も診ますが、よりその人の体質やタイプを診ることを大切にします。
ですから、同じ症状でも、人によって処方される薬が異なることが漢方薬にはよくあります。

そのため自分の体質、タイプを判断して、それに合ったピッタリと合う漢方薬を選ぶのは、難しい…のです。

口コミで「効果があった」と言っても、その人に効果があっても、自分に合うとは限らない…ですから、漢方薬では口コミがあまり参考にならないのです。
これが漢方薬の特徴です。

ピタリと合う漢方薬を選ぶ“ものさし”とは?

pitari

漢方に詳しい漢方専門医は、診察をして漢方医学の”ものさし”をもとに、ひとりひとりに合った漢方薬を選んでくれます。

漢方では、その人の体質やタイプを「証」と呼びます。
体力や病気に対する抵抗力のものさしです。
「証」は、おもに「虚証(きょしょう)」と「実証(じっしょう)」に分かれます。

「虚証」の人は、どちらかといえば体力がなくやせ型、または水太りです。
胃腸が弱く、下痢をしやすい、寒がりの人。
「実証」は、どちらかといえば体力があって、ガッチリしていいて筋肉質。
熱がりで胃腸が強く、便秘気味の人です。

さらにもうひとつ、漢方薬を処方するものさしがあります。それは「気・血・水(き・けつ・すい)」です。
「気・血・水」は、症状や不調の原因を探るためのものさしです。

漢方医学では、私たちの体は「気・血・水」の3つの要素が体内をうまく巡ることによって、健康が維持されていると考えます。
これらが不足したり、滞ったり、偏ったりしたときに、不調や病気、障害が起きてくるのです。

そのため、診察で「気・血・水」の状態を診て、どこに問題があるのかを探っていきます。

「気」は、元気や気力、気持ちの気を指します。心が落ち込んだり、不安定なときは、気の巡りが悪い状態。あるいは、気(元気や気力)が足りなくなっている状態と考えます。うつっぽさ、無気力などにつながります。

「血」は、血の巡りや量のこと。血巡りが滞ったり、血液の量が足りなくなったりしていないかを診ます。肩こり、便秘、冷えなどにつながります。

「水」は、体内の水分の巡りのこと。水分代謝が悪いと、水分や老廃物が正常にデトックスできず、むくみ、めまい、下痢などの不調につながります。

漢方薬選びには「証」と「気・血・水」が重要

このように、漢方医学の視点で、患者さんの体質、タイプを診て、症状や不調がどこにあるかをさぐって、処方するのが漢方薬です。
その診察では、脈を診て、舌を診て、お腹の状態を診ます。

これが漢方医学の理論に基づいたオリジナルの“ものさし”です。
「証(しょう)」と「気・血・水(き・けつ・すい)」です。
漢方では一人ひとりの病態だけでなく、体質を重んじて漢方薬が処方されるのです。

そのため、ときにはニキビの治療なのにおなかを診たり、冷えの治療なのに生理(月経)の状態を聞いたりなど、治してもらいたい病気や症状とは、一見関係のなさそうなところも診察したり、話を聞いたりします。

それは、その人の体質を見極めた上で、その人に合う漢方薬を処方するために必要な診察のひとつなのです。

防風通聖散の使用に向いているのはこんな人

miteiru-muiteinai

ここまで説明したように、漢方にはそれぞれ、適応証(その漢方に合った証)というものが存在します。
漢方医学の適応証のものさしでいうと、「防風通聖散」は、「実証」の人に使う漢方薬です。

また、「防風通聖散」が効く人は、便秘がちでむくみやすい人なので、血の巡りや水の巡りが低下している可能性もあります。
防風通聖散の場合は、「実証」「熱証(暑がり・のぼせ)」「湿証(水分が停滞している)」の人に向いているとされています。

総合すると、体力があって、のぼせて暑がりで、水分が停滞しがちで代謝があまり良くない人が「防風通聖散」が合うタイプです。

「防風通聖散」がピタッと合う人が正しく使えば、2~3か月で肥満症や便秘が改善していく実感が少しずつもてると思います。

「防風通聖散」を使わないほうが良い人は

「防風通聖散」がピタッと合う人がいるのと同様に、逆に、使わないほうがいい人もいます。
適応証と正反対の人は、副作用が現れやすく、逆に体調をそこなってしまう危険性があります。

使わないほうがいい人は、「虚証」で、下痢しやすい人、胃腸の弱い人、食欲不振の人、体力がない人などです。
このようなタイプの人が使うと、効果がないばかりでなく、副作用を起こす可能性もあります。

「防風通聖散」は、こんな人は要注意です。

・あまり体が丈夫ではない、虚弱体質の人
・汗っかきの人
・もともと代謝が良い人
・下痢気味の人

「防風通聖散」の正しい選び方と賢い入手方法

erabikata

初めての漢方薬を使う場合は、まずは医師に処方してもらうことをすすめします。
漢方専門医なら、脈診、舌診、腹診ほかで診察して、「証」や「気・血・水」などものさしに当てはめて、ひとりひとりの体質と症状に合った漢方薬を処方してくれます。
また、健康保険で診察してくれる病院の医師の処方なら、漢方薬も健康保険が使えます。

漢方薬は副作用が少ない薬とは言っても、薬剤です。
医師や薬剤師に相談して、使う場合も慎重に服用することが大切
です。

漢方薬は、体質を改善する効果があり、ピッタリと合えば効果が現れやすいですが、適応するかどうかには個人差があります。
ぜひ、自分の症状や体質を医師に相談して、選んでみてください。

 

 

増田美加
ライタープロフィール
増田美加(mika masuda)
女性医療ジャーナリスト

女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。
公式ホームページ http://office-mikamasuda.com/

この記事が気に入ったら「いいね!」をお願いします。

掲載商品一覧

Page Top