1. 防風通聖散について
  2. 購入する前に知っておくべき!『防風通聖散』の効果・効能と漢方薬の役割

20180524_4

購入する前に知っておくべき!『防風通聖散』の効果・効能と漢方薬の役割

防風通聖散で謳われているおもな効果・効能、副作用のリスクについて解説!

漢方薬のなかでも知っている人が多い「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」。
やせ薬としてシェイプアップやダイエットに使う薬と単純に思っている人も少なくないかもしれません。

でも、「防風通聖散」は医療用の漢方薬でもあり、さまざまな効果と効能があり、薬ですので副作用もあります。
購入前に知っておくことで、より安心して使える知識を身につけておきましょう。

実際の医療現場でも利用されている漢方薬

iryougenba

「防風通聖散」は18種類の生薬が配合された漢方薬です。
代謝を促進して余分な水分を排出し、おなかの脂肪を落とす漢方薬として、最近注目されています。

「防風通聖散」は、薬局やドラッグストアなどで購入できる市販薬ですが、一方で、医療用漢方製剤として、厚生労働省から認可を受けた医療用医薬品でもあります。
医療用漢方製剤にはたくさんの種類がありますが、主要な148処方薬には健康保険が適用されます。

「防風通聖散」もそのひとつで、病院やクリニックを受診することで健康保険が使えます。
医療機関でこれらの漢方薬を処方してもらうときは、原則1~3割の患者負担ですみます(負担割合は年齢や健康保険の種類によって異なります)。

ただし、健康保険を使わない自由診療で診察している医療施設では、漢方薬も健康保険が使えず、全額、患者負担です。
薬局やドラッグストアで処方箋なしで購入する場合も同様です。

「漢方薬は高い」というイメージがありますが、決してそうとは限りません。
健康保険が使える医療機関であれば、ケースによっては同じ病気でも西洋薬より薬代がリーズナブルになることもあります。

たとえば、風邪の場合、西洋薬なら熱を下げる解熱薬、咳を止める鎮咳薬、痰をきる去痰薬、これらの薬で胃のトラブルを防ぐ胃薬…と、数種類の薬を使うことがあります。

これに対し、漢方薬ではこれらの作用を1剤で抑えられることがあり、その結果、薬の量も費用も少なくて済むのです。

どんなときに、どこで、処方してもらえるの?

donnatoki

「防風通聖散」が病院で処方されるのは、体力が充実したタイプ(体質)の人の肥満や便秘を改善するために用いられています。

西洋薬と異なり、漢方薬は症状に対して1対1対応で処方するものではなく、その人のタイプ(体質)によって、同じ症状でも異なった漢方薬を処方されることはよくあります。

ですから、人によっては、肥満や便秘でも、「防風通聖散」ではなく、違う漢方薬が処方される場合も少なくありません。
これが西洋薬と異なる漢方薬の特徴です。

「防風通聖散」は、医師に診察してもらった結果、肥満や便秘などがこの薬で改善できるタイプと診断された場合に処方されます。

ですから、「防風通聖散」を処方してほしいと思って病院へ行っても、医師の診察でこのお薬が合わないと診断された人には処方してもらえません。

また、漢方薬は、日本では西洋医学の医師の80%以上が処方していますので、診療科は、何科の医師でも処方します。
しかし、肥満症や便秘を診察しているのはおもに内科ですので、内科で相談するといいと思います。

また、日本東洋医学会という漢方の専門医を認定する学会があり、漢方専門医をもっている医師のほうがより漢方薬に詳しい専門家と言えます。

防風通聖散で謳われているおもな効果・効能

市販の「防風通聖散」の効果・効能は、“お通じが悪い、脂肪太りの方に”と謳われていて、具体的には、1 便秘がちな人 、2 肥満症の人、3 吹き出物に悩む人で、体力が充実していて、腹部に皮下脂肪が多いタイプの、これらの症状改善のために使われます。

また、その他の効果・効能として、高血圧にともなう動悸・肩こり・のぼせ、肥満症、むくみ、副鼻腔炎(蓄膿症)、湿疹・皮膚炎、吹き出物(にきび)などがあります。

「防風通聖散」に含まれている大黄(ダイオウ)、麻黄(マオウ))、山梔子(サンシシ)などの生薬には、代謝を低下させ太りやすくさせる細胞を小さくする働きがあります。
また、エネルギー消費を促進することで、脂肪を燃焼しやすくしてくれます。

脂肪燃焼に加えて、体内の水分循環をよくして、余分な水分や老廃物を便や尿として排出する働きももっています。

防風通聖散の効果が期待できる人と漢方薬の役割

kitaidekiru

いわゆる肥満には、男性に多い「内臓脂肪タイプ」と、女性に多い「皮下脂肪タイプ」があります。
「内臓脂肪タイプ」は、ウエストや胃のあたりが太り、「皮下脂肪タイプ」は下腹部やヒップ、太ももなどの下半身が太るのが特徴です。

漢方では、肥満を筋肉質でがっちりした内臓脂肪タイプの「固太り型」、皮下脂肪タイプの「水太り型」に分けて考えます。

「防風通聖散」が使われるのは、男性に多い「固太り型」の肥満です。
体力が充実していて、便秘で、おへそを中心に固くて膨れた、いわゆる太鼓腹の人に用います。

余談ですが、女性に比較的多い色白で汗かきで、疲れやすい「水太り型」には、「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」などの漢方薬がよく使われます。
「防己黄耆湯」は、ひざの腫れや痛みにも有効です。

体力があって、便秘がちな人によく使われる「防風通聖散」は、皮下脂肪だけでなく、内臓脂肪を燃やし、生活習慣病を防ぐとともに、基礎代謝をアップし消費エネルギー量を増やして、やせることを助ける働きがあります。

中年以降の太りすぎは、ひざ関節を傷める原因にもなります。
また、内臓脂肪が必要以上に多くなると、糖尿病、脂質異常症、高血圧、心臓病、痛風、肝臓病などの生活習慣病を引き起こす傾向が高まります。

脂肪を減らすには、漢方薬だけに頼るのではなく、バランスのとれた食事と適度な運動、規則正しい生活が大切です。
漢方薬はあくまで、生活習慣の改善をサポートする役割と考えて使いましょう。

防風通聖散には副作用のリスクもあります

fukusayou

漢方薬は「生薬(天然物)から作られているから、副作用がなく安全」と考える方がいますが、そうではありません。

天然の素材にも有毒なものがありますし、漢方薬も薬ですので、好ましくない症状を引き起こす可能性は、どんな薬でもゼロではありません。

漢方薬の副作用として多くあげられるのは、「吐き気が起こる、気持ちが悪くなる」「お腹が張る」「お腹がゆるくなる(下痢をする)」などです。

ほかにも、アトピー性皮膚炎、花粉症、特定の食物にアレルギーのある人などは、漢方薬を飲んだ際に、まれに発疹が出ることがあります。

「防風通聖散」では、副作用として、皮膚の発疹・発赤、かゆみ、消化器の吐き気・嘔吐、食欲不振、胃部不快感、腹部膨満、激しい腹痛を伴う下痢、腹痛、精神神経系のめまい、発汗、動悸、むくみ、頭痛などがあります。

このような場合は、すぐに服用を中止して、医師や薬剤師に相談してください。

また、「防風通聖散」の重大な副作用としては、間質性肺炎(階段を上ったり、少し無理をすると息切れや息苦しさがある、空咳、発熱などがあり、これらが急に現れたり、持続したりする)。偽アルドステロン症、ミオパチー(手足のだるさ、しびれ、つっぱり感、こわばりに加えて、脱力感、筋肉痛が現れ、徐々に強くなる)。肝機能障害(発熱、かゆみ、発疹、黄疸、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振などが現れる)。腸間膜静脈硬化症(長期服用によって腹痛、下痢、便秘、腹部膨満などが繰り返し現れる)など。

このような重篤な症状が副作用として起こることがあります。
その場合はすぐに医療機関を受診して医師の診察を受けましょう。

防風通聖散の効果は人によって違う

hito

多くの漢方薬は、その人の体質や症状に合ったものでないと、十分に効果を発揮することができません。
その体質を見極めるためには、漢方特有の”ものさし”が必要で、漢方に詳しい漢方専門医は、診察をしてその”ものさし”をもとに、ひとりひとりに合った漢方薬を選んでくれるわけです。

漢方では、体質を「証」と呼び、体力、病気に対する抵抗力のものさしとなります。
「証」は、の「虚証」と「実証」に分かれます。

「虚証」は、体力がなくやせ型、または水太り。胃腸が弱く、下痢をしやすい、寒がりな人です。
「実証」は、体力があって、ガッチリしていいて筋肉質。熱がりで胃腸が強く、便秘気味な人です。

「防風通聖散」は、実証タイプの人に使う漢方薬です。
実証で「防風通聖散」がピタッと合う証の人が正しく使えば、2~3か月で肥満症や便秘が改善していく実感が少しずつもてると思います。

虚証タイプの下痢しやすい人、胃腸の弱い人、食欲不振の人、体力がない人などが使うと効果がないばかりでなく、副作用を起こす可能性もあるので、医師や薬剤師に相談の上、使う場合も慎重に服用することが大切です。

 

 

増田美加
ナビゲーター
増田 美加/女性医療ジャーナリスト

女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。
公式ホームページ http://office-mikamasuda.com/

この記事が気に入ったら「いいね!」をお願いします。

掲載商品一覧

Page Top