1. 防風通聖散について
  2. ダイエットブームに乗じて巷で話題となっている「防風通聖散」を徹底比較・選択のポイントは?

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ダイエットブームに乗じて巷で話題となっている「防風通聖散」を徹底比較・選択のポイントは?

防風通聖散の選び方と副作用のリスクについて解説!

漢方薬「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」は、「お通じが悪い脂肪太りの方に」とのうたい文句で販売されていて、「漢方薬でダイエットできるの?!」と話題となっています。
薬局、ドラッグストアで購入可能なOTC医薬品(市販薬)としても、各メーカーからさまざまなタイプの防風通聖散が販売されています。

医師処方の医療用漢方薬もあるなか、医療用漢方薬と市販薬の違い、市販薬を選ぶときのポイントをお伝えします。

漢方薬「防風通聖散」にはさまざまなタイプ・種類があります

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「防風通聖散」には、病院で医師に処方してもらう医療用医薬品と、薬局、薬店、ドラッグストアで販売されているOTC医薬品(Over The Counter:オーバー・ザ・カウンター・市販薬)があります。

肥満症・むくみに対するお薬として、OTC医薬品として薬局、薬店、ドラッグストアで販売されている防風通聖散は、

・つい食べ過ぎてしまう。便秘がちな人。
・食欲にムラがあって、ストレスを感じやすい人。
・一回の食事量が少なく、疲れやすい人。
・水分をよく摂って、夕方、足がむくむ人。
・むくみが気になる人。

などを対象としています。

防風通聖散と言っても、さまざまな製品名で売られています。
また、肥満症、むくみに対する漢方薬は防風通聖散だけでなく、ほかの漢方薬でも、これらの症状改善に役立つものがあることも知っておきましょう。

たとえば、肥満症、むくみに対するお薬を、1メーカーのクラシエのものだけをざっと見渡しても、下記のように多種類に渡っています。
メーカーは、どんな症状に悩んでいる人のためかをわかりやすく表示しています。

つい食べ過ぎてしまう。便秘がちな人には。

・コッコアポEX錠[60錠/144錠/312錠]
・コッコアポプラスA錠[84錠/168錠/336錠]
・新コッコアポA錠 [60錠/180錠/480錠]
・新コッコアポS錠 [360錠]
・防風通聖散料エキス顆粒クラシエ [45包]
・防風通聖散料エキス顆粒クラシエ [90包]
・「クラシエ」漢方防風通聖散料エキスFC錠 [360錠]

食欲にムラがある。ストレスを感じやすい人には。

・コッコアポG錠 [60錠/312錠]
・大柴胡湯エキス顆粒クラシエ [90包]

一回の食事量は少ない。疲れやすい人には。

・コッコアポL錠 [60錠/312錠]
・防已黄耆湯エキス顆粒「クラシエ」 [90包]
・防已黄耆湯エキス錠Fクラシエ [180錠]
・防已黄耆湯エキス錠Fクラシエ [96錠]

水分をよく取る。夕方、足がむくむ人には。

・クラシエ当帰芍薬散錠[60錠/288錠]

むくみが気になるには。

・「クラシエ」漢方五苓散料エキス顆粒[12包]

このように、防風通聖散だけでなく、肥満用やむくみに対するお薬には、大柴胡湯(だいさいことう)、防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、五苓散(ごれいさん)などもあります。
ですから、肥満症、むくみに=防風通聖散とするのは正しくないのです。

OTCだけでなく医療用の防風通聖散もあります

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防風通聖散は、医療用医薬品としての漢方薬として、厚生労働省から認可を受けています。
防風通聖散だけでなく、医療用漢方薬にはたくさんの種類がありますが、主要な148処方薬には健康保険が適用されます。

防風通聖散はそのひとつで、病院やクリニックを受診することで健康保険が使えます。
保険診療を行っている病院で、これらの漢方薬を処方してもらうときは、原則1~3割の患者負担ですみます(負担割合は年齢や健康保険の種類によって異なります)。

医療用漢方薬の防風通聖散のほうが、薬局薬店ドラッグストアなどで購入するOTC医薬品よりも一般的に安価です。

また、肥満症、むくみなどの悩みでもその人によって、防風通聖散が効果的なタイプ、体質かどうかはわかりません。

前述したように、似た症状に対する漢方薬にはほかにも大柴胡湯(だいさいことう)、防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、五苓散(ごれいさん)などがあります。
自分がどの漢方薬が効果的かどうかは、医師が診断することによって、より確実性が増すものになるでしょう。

防風通聖散は次のような悩みがある人にオススメ

防風通聖散は、体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな人の肥満症、むくみに効果があります。
肥満症、むくみだけでなく、高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)にも作用が認められています。

OTC医薬品の防風通聖散を使ってみた人の感想としては、

「1日目から便意がありました! 便秘症だったので嬉しい。宿便が出たようで、お腹が結構へっこみました」
「便秘ですが、朝うれしいほどに便通が来て、トイレに行きました」
「ひどい便秘だったが、翌日にスルスルと便が出た。便通は以前に増してよくなりました」
「2週間ほど飲んだが、腹痛と下痢で飲むのを中止した」
「やや便秘ぎみでしたが、腹痛と下痢になりました」
「胃の不快感があったので、我慢して飲む必要もないと思いやめてしまいました」
「ダイエットに飲んで体重が減り、便秘も解消したのですが、健診で肝機能障害が指摘され、飲むのを中止しました」

などメリット、デメリットどちらの感想もありました。

防風通聖散を選ぶ際のチェックポイントは

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効果効能、副作用のことなどを考えると、初めての人は、医師に処方してもらう医療用医薬品の漢方薬で試してみたほうが確かです。
しかし、忙しくて病院に行けない、医師処方で飲んで効いたのでOTC医薬品を試したいという人が、OTC医薬品を選ぶときには、何をポイントにしたらよいのでしょうか?

まずは有効成分がどの程度入っているか、満量処方かどうかを確認して選ぶことが大切です。
医師処方の漢方薬を使っていて、効果があって、同等の効果を得たいと考えるなら、満量処方のOTC漢方薬を選びます。

満量処方とは、定められた生薬の量を100%使っているものです。
医療用漢方薬は満量処方です。

一方で、生薬の量を減らして価格を安くする1/2処方、2/3処方などもあります。
価格が安いタイプでまずは試してみたいということであれば、1/2処方、2/3処方のものを選んでもよいかもしれません。

しかし、医療用漢方薬と同程度の効果を期待するには、コストは高くなりますが、満量処方の製品を選ぶようにしましょう。

薬の形状は、錠剤タイプ、顆粒(エキス剤)タイプなどがありますが、理想的なタイミングで吸収されるよう工夫されているため、一概には言えません。
飲みやすさ、使いやすさで選ぶとよいでしょう。
顆粒タイプのほうが、若干コスト高ではありますが、吸収率が高いと言われています。

漢方薬は、使用する生薬の配合や量が厳密に決められています。
生薬から有効成分を抽出する方法は若干異なるものの、基本的な効果は各社大きな違いはないと考えてよいでしょう。

前述したように、満量処方、1/2処方、1/3処方などの有効成分の違い、顆粒か錠剤などによる違いで選ぶのがよいと思います。

使用する前に知っておくべき副作用のリスク

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防風通聖散も薬ですから、副作用はあります。
次のような人は、防風通聖散を服用する前に必ず医師、また薬剤師に相談してください。

(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦、または妊娠していると思われる人。
(3)体の虚弱な人(体力が衰えている人、体の弱い人)。
(4)胃腸が弱く下痢しやすい人。
(5)発汗傾向の著しい人。
(6)高齢の人。
(7)今までに薬などで発疹・発赤、かゆみなどを起こしたことがある人。
(8)むくみ、排尿困難などの症状がある人。
(9)高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害の診断を受けた人。

では、具体的にどのような副作用があるのでしょうか?
防風通聖散の副作用には、次のようなものが考えられます。
症状を感じたら、すぐに服用を中止して、医師、薬剤師に相談しましょう。

皮膚の発疹・発赤、かゆみ、吐き気・嘔吐、食欲不振、胃部不快感、腹部膨満、激しい腹痛をともなう下痢、腹痛、めまい、発汗、動悸、むくみ、頭痛、です。

また、これはまれですが、重篤な症状が起こることもあります。
下記のような症状がある場合は、すぐに医師の診療を受けましょう。

●階段を上ったりすると息切れがする・息苦しくなる、空せき、発熱があり、これらが急に現れたり、持続する ⇒ 間質性肺炎
●手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛が現れ、徐々に強くなる ⇒ 偽アルドステロン症、ミオパチー
●発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等が現れる ⇒ 肝機能障害
●長期服用によって、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満などが繰り返し現れる ⇒ 腸間膜静脈硬化症

また、 1か月程度(便秘に服用する場合は1週間)服用しても、症状が改善しない場合は、服用を中止して、医師、薬剤師に相談してください。

防風通聖散の効果を得るために必要なこと

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多くの漢方薬は、その人の体質、タイプや症状に合ったものでないと、十分に効果を発揮することができません。

体質を見極めるためには、漢方特有の”ものさし”が必要です。
漢方に詳しい漢方専門医は、診察をして、その”ものさし”をもとに、ひとりひとりに合った漢方薬を選んでくれます。

漢方では、体質を「証」と呼び、体力、病気に対する抵抗力のものさしとなります。「証」は、「虚証」と「実証」に分かれます。
「虚証」は、体力がなくやせ型、または水太り。胃腸が弱く、下痢をしやすい、寒がりな人。
「実証」は、体力があって、ガッチリしていいて筋肉質。熱がりで胃腸が強く、便秘気味な人。

防風通聖散は、「実証」タイプの人の漢方薬です。
ですから、「虚証」タイプの下痢しやすい人、胃腸の弱い人、食欲不振の人、体力がない人などが使うと効果がないばかりでなく、副作用を起こす可能性もあります。
防風通聖散の効果を最大限に得るためには、医師や薬剤師に相談して選ぶことが大切です。

防風通聖散の効果を得やすい人は、肥満を筋肉質でがっちりした内臓脂肪タイプの「固太り」の肥満の人です。
男性に多い、体力が充実していて、便秘でおへそを中心に固くて膨れた、いわゆる太鼓腹の人に用います。

女性に多い、下腹部やヒップ、太ももなどの下半身が太る皮下脂肪タイプの「水太り型」には、防風通聖散はあまり適しません。

体力があって、便秘がちな人によく使われる防風通聖散は、内臓脂肪を燃やし、生活習慣病を防ぐとともに、基礎代謝をアップし消費エネルギー量を増やして、やせることを助ける働きがあります。

中年以降の太りすぎは、内臓脂肪が必要以上に多くなって、糖尿病、脂質異常症、高血圧、心臓病、痛風、肝臓病などの生活習慣病を引き起こしやすくなります。
また、ひざ関節痛や腰痛などの原因にも。

脂肪を減らすには、薬に頼るだけでなく、バランスのとれた食事と適度な運動、規則正しい生活が大切です。

 

 

増田美加
ライタープロフィール
増田美加(mika masuda)
女性医療ジャーナリスト

女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。
公式ホームページ http://office-mikamasuda.com/

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