1. 防風通聖散について
  2. 漢方薬の「防風通聖散」って便秘の解消に効く?下痢や腹痛になりやすい?

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漢方薬の「防風通聖散」って便秘の解消に効く?下痢や腹痛になりやすい?

防風通聖散で下痢や腹痛になる原因と対処法とは?

漢方薬は体質改善の効果がある薬として知られています。
長く続けることで体質を改善し、不調改善することが期待できます。
なかでも「防風通聖散」は肥満体質改善の漢方薬と言われています。

今回は、肥満体質だけでなく、便秘で「防風通聖散」を服用して効果があるのか?また、一部の便秘薬のように、「防風通聖散」は下痢や腹痛を起こすことはないのか?もし下痢をするとしたらどうしてなのか?を考えたいと思います。

防風通聖散で下痢や腹痛になったという声も

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漢方薬は、生薬(天然物)から作られているから、副作用がなく安全と考える人が多いですが、実はそうではありません。
天然の素材でも有毒なものがあります。
漢方薬もお薬ですので、好ましくない症状を起こす可能性は、どんな薬でもゼロではありません。

「防風通聖散」も、薬ですので副作用はあります。
体質に合わない人が使えば、副作用を起こしやすくなります。
考えられる副作用には、皮膚の発疹、発赤、かゆみ、吐き気、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、腹部膨満、激しい腹痛をともなう下痢、腹痛、めまい、発汗、動悸、むくみ、頭痛などです。

このように「防風通聖散」の副作用に、「吐き気が起こる、気持ちが悪くなる」「お腹が張る」「お腹がゆるくなる(下痢をする)」などがあります。

「防風通聖散」には、強い便秘改善効果があります。
お腹がパンパンに張ってしまうような頑固な便秘でも、効果が出るほどの効果があるとも言われています。
そのため、便秘がちでない人が「防風通聖散」を飲むと、軟便や下痢が続く副作用が報告されています。

「防風通聖散」で下痢や腹痛を感じた人は、副作用の可能性があるので、医師や薬剤師に相談しましょう。

原因その①防風通聖散に含まれる生薬の影響

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でも、防風通聖散は下痢によって体重を落とすという機序の薬ではありません。
漢方薬は複数の生薬を組み合わせて作られます。

「防風通聖散」は、18種類の生薬が組み合わせている漢方薬です。
その生薬の中に、腸に作用するものや、便秘を改善させる効果が高いものが含まれています。

防風通聖散に含まれる生薬は、

・黄芩(おうごん)
・甘草(かんぞう)
・桔梗(ききょう)
・石膏(せっこう)
・白朮(びゃくじゅつ)
・大黄(だいおう)
・荊芥(けいがい)
・山梔子(さんしし)
・芍薬(しゃくやく)
・川芎(せんきゅう)
・当帰(とうき)
・薄荷(はっか)
・防風(ぼうふう)
・麻黄(まおう)
・連翹(れんぎょう)
・生姜(しょうきょう)
・滑石(かっせき)
・芒硝(ぼうしょう)

です。

この生薬の中で、便通にかかわる生薬がいくつか含まれています。

大黄(だいおう)

大黄とは、タデ科ダイオウの根茎のこと。
苦い味がします。
大黄は、生薬の中でも便秘を改善する効果が高い生薬として知られています。

効果としては解熱、便通の回復、胃腸の炎症を治す作用があります。
血流が滞っている瘀血(おけつ)タイプに有効とされています。
副作用として、下痢・腹痛・食欲不振の症状が現れることがあります。

芒硝(ぼうしょう)

芒硝とは、天然の含水硫酸ナトリウムのこと。
苦い味がします。
便を柔らかくしてくれる作用、利尿作用、血液をサラサラにする血液凝固抑制作用があります。

また、子宮収縮作用もありますので、副作用として、流早産の危険性があり、妊娠中には服用しない方がよいです。
過剰に服用すると、下痢、腹痛、むくみなどの症状が見られることがあります。

芍薬(しゃくやく)

ボタン科シャクヤクなどの根のこと。
体を冷やし、消炎・鎮静作用があります。
味は、酸っぱい、苦い味がします。

胃腸運動促進作用、鎮痛作用、筋弛緩作用などがあります。
ストレスや緊張によって起こるタイプの便秘は、芍薬の作用で改善することが多くなります。
しかしこのタイプの便秘ではない場合、芍薬の作用が適さず、下痢を引き起こしてしまう事があります。

生薬は、その作用が体質と合っていると効果的に働いてくれますが、逆に合っていないときには、逆の反応が出てきてしまうことがあります。
ですから生薬を組み合わせて作られている漢方薬は、体質に合わせて選ぶことがとても重要な薬なのです。

「防風通聖散」が体質に合わないと、下痢になったり、またその逆で便秘がひどくなる可能性もあります。
「防風通聖散」を飲んで下痢を起こしてしまう人は、防風通聖散が合わない体質である可能性があります。

原因その②防風通聖散との相性が悪い「虚証」体質

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では、防風通聖散が合う体質、合わない体質とは、どのようなものなのでしょうか?

漢方薬を扱う東洋医学では、人はそれぞれ異なる体質(証)をもっていて、症状の現れ方も個人によって違うと考えます。
まず、その人の体質(証)を判断するものさしとして、「虚証」「実証」「中間証」に分けて考えています。

「虚証」は、体力がなくやせ型、水太り。
筋肉が弱く、顔色が白く、肌に張りがない。胃腸が弱く、下痢をしやすい。寒がりなどの特徴があります。
生命力や抵抗力が弱く、体の機能が低下している状態です。

このように「虚証」の人は、下痢をしやすく体力が低下気味の人。
ですから、このようなタイプの人が、もしも「防風通聖散」を服用したら、副作用の下痢や腹痛が起こりやすくなります。

防風通聖散が合う「実証」体質の人の特徴

一方で、「実証」の人は、体力があって、がっちりしていて筋肉質なタイプ。
血色がよく肌にツヤがある。暑がりで、胃腸が強く、便秘気味。声が大きいなどの特徴があります。
生命力があって、体の機能、体力ともに充実している状態です。

「中間証」は、虚証と実証の中間のタイプです。

このように、同じ症状や病気があっても、それぞれの証ごとに、漢方薬や治療法が異なります。
「防風通聖散」が効くタイプは、「実証」の人です。
「実証」で便秘のある肥満タイプの人が服用すれば、効果を感じる可能性が高いです。

「虚証」の人が使うと効果がないばかりでなく、下痢や腹痛だけでない副作用を起こす可能性もあるので、注意が必要です。

防風通聖散で下痢や腹痛になった場合の対処法

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では、「防風通聖散」を飲んで下痢がひどいという場合には、どうしたよいでしょうか?
まずは、「防風通聖散」の服用をやめるということが大事です。
そして、薬剤師や医師に相談することが大事。

「防風通聖散」は、漢方薬の中では比較的効果が強く表れやすい薬です。
できれば、ドラックストアなどで購入するのではなく、病院を受診して医師に、自分の証に合った漢方薬を処方してもらい、服用することがおすすめです。

漢方に詳しい医師や薬剤師に相談をして調剤してもらうことで、安心して飲むことができます。
また、「防風通聖散」よりも、自分の証(体質)に合った漢方薬を処方してもらうことも可能です。

漢方薬は、薬の中では比較的副作用が少なく、飲むことができるものですが、体質や体調などによっては副作用が強く出ることもあります。
このことをよく知って、正しく安全に飲むようにすることが大切です。

漢方薬による副作用リスクを減らすには

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漢方は「バリエーション医療」とも言われています。
漢方はいろいろな意味で多様多彩です。

漢方薬は、さまざまな生薬を複合的に組み合わせた薬です。
一剤でいろいろな症状を解消したり、和らげたりすることが可能です。
病態やその人の証(体質)に合わせて、一剤でなく、さまざまな漢方薬が用いられます。

飲んですぐに効く即効性のある漢方薬と、長く飲み続けることで効いていくタイプの漢方薬があります。
そして、同じ病気でも、発症してからの日数、症状によって使われる漢方薬が異なることがあります。

こういったバリエーションの多い漢方薬の特徴から考えると、専門の医師に処方してもらうことが、非常に重要であることがわかってきます。
漢方薬の効果を最大限に感じて、副作用のリスクを最小限にするためには、漢方の専門医に診断、処方してもらうことが大切です。

漢方専門医でなくても、日本の医師の80%以上は普段の診療で漢方薬を使っています。
肥満改善、便秘改善で漢方薬を飲みたいときは、まずは、よくかかっている内科の医師に相談してみてください。

 

 

増田美加
ライタープロフィール
増田美加(mika masuda)
女性医療ジャーナリスト

女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。
公式ホームページ http://office-mikamasuda.com/

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